銀右衛門文庫の経済動向

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10月3日

2012-10-03 | 経済動向
東京市場は売り買い交錯となりそうだ。為替が若干円安に振れているため、買い戻しが入る可能性はあるものの、世界的な景気減速や業績下ブレ懸念などから上値は重そう。前日同様に戻りの鈍さから見切売りに押される展開も考えられよう。日経平均の予想レンジは8650~8800円。

業績に対する不透明感が強まっているようだ。1日大引け後に下方修正を発表したアルプス電気、アルパイン、日本ケミコンは急落し、東証1部の値下がり率ランキング上位を独占。アルパインと同業のパイオニア、クラリオンなどにも売りが波及するなど、業績への警戒感が強まっているとみられる。足元では日経観測を含めて、業績下ブレに関するニュースが多いだけに細心の注意を払いたい。日本郵船、商船三井などの海運株は下方修正後に悪材料出尽しとの思惑から買い戻しが入ったものの、両社とも9月中間期だけの下方修正にとどめており、中間決算時に通期予想を引き下げる公算が大きい。さらに、日中関係の緊迫化による影響も大きいとみられ、3Q以降の経営環境の不透明感を勘案すると、悪材料出尽しと判断するのは早計だろう。期中に下方修正を発表した企業は、何回も下方修正を余儀なくされるケースが多いことには留意したい。大引け後にはファーストリが月次動向を発表し、ユニクロの9月既存店売上高は前年同月比-2.4%と2カ月ぶりのマイナスに転じた。ファーストリ株は指数寄与度が高い銘柄だけに、この月次動向にどのような反応を示すか注目されよう。

2日のNY株式相場はまちまち。スペイン首相による救済要請に関する発言が重しとなった。ダウ平均は前日比32.75ドル安の13482.36ドルで終了した。ダウ平均は買いが先行した。オーストラリアで予想外の利下げが実施され、世界的な金融緩和の流れが意識された。また、早ければ来週末にもスペインが救済を要請するとの見方から欧州懸念がやや和らぎ、指数は一時51.95ドル高の13567.06ドルまで上昇した。しかし、スペインの首相が救済要請は差し迫っていないと発言したことから、スペイン救済観測が後退。指数は売りに反転し、引けまで軟調に推移した。NASDAQは前日比6.51ポイント高の3120.04ポイント、S&P500は同1.26ポイント高の1445.75ポイントで終了した。個別ではドイツテレコムの子会社であるTモバイルと合併を模索していると報じられた通信企業のメトロPCSは18%急騰。一方、減収減益と市場予想を下回る1Q決算を発表した肥料のモザイクは3.9%下落した。

前日の日経平均は小高い水準でのもみ合いを続けていたが、大引けにかけてマイナスに転じ、この日の安値圏で取引を終えた。東証1部の値下がり銘柄数は1125(全体の67.2%)に達し、規模別株価指数はすべて下落。海運などの資源関連株の一角に買い戻しが入ったほか、ユーロ安一服でキヤノンなどが買われた。その一方、内需関連株が軒並み安となり、相場の重しになった。売買代金トップのソフトバンクはイー・アクセス買収で業績拡大期待から買われた一方、ライバルのドコモ、KDDIが売られた。

日経平均株価は8786.05 -10.46円と小幅続落。100日線(8804円)を意識してプラスの推移が続いたが、引け間際にマイナスに転じる展開となった。RSI(9日)は前日27.3%→14.1%に低下。上方の小さなマドを埋め戻すだけにとどまったが、あすは日足均衡表の抵抗帯(雲)上限の切り上がりを背景に75日線(8869円)を越える動きがみられるか。昨年秋口から見られる「83~85日」の日柄が、6月安値から当てはまるのは9/28-10/2。今週後半に向けて自立反発局面に入る可能性はある。100日線、抵抗帯下限、9/6安値などを維持できるかが下値固めのポイントだ。ただ、9月の上昇に対する半値押し(8967円)以上に下げており、一度戻しても10月後半までは調整(もみ合い)が続くと想定すべきだろう。基調に変化が生じやすいのは、9/28~10/2、10/19、10/31~11/2となる。週足では13週線(8867円)、26週線(8916円)、52週線(8952円)、転換線(8967円)、基準線(8965円)と、8850円~8950円に節目が集中している。つまり、8950円を越える強い動きが生じないと、上値の重さは解消されないということだろう。

トレーダーズウエブより