銀右衛門文庫の経済動向

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3月14日

2012-03-14 | 経済動向
東京市場は買い優勢となりそうだ。欧米株式相場の大幅高や円安進展を背景に買いが膨らみそう。NYダウが節目の1万3000ドル台を明確に上回ってきたことで、日経平均も終値ベースでの1万円越えへの期待も高まりそうだ。なお、寄り付き前に1-3月期法人企業景気予測調査が発表されるが、同調査は日銀短観の前哨戦と位置づけされているだけに、大企業全産業の景況判断指数の推移に注目したい。日経平均の予想レンジは9950~10100円。

日経平均はザラ場ベースで3日連続して心理的な節目の1万円台を回復しながら、終値ベースでの大台回復に失敗。大引けにかけて値を崩し、ほぼ安値圏で取引を終えるなど後味の悪さを残す展開が続いている。日銀は12~13日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0~0.1%程度に据え置くことを全員一致で決定し、資産買入等基金の総額を65兆円に据え置き。宮尾龍蔵委員が資産買入等基金の規模を現在の65兆円から70兆円に増額する議案を提出したが、賛成1人・反対8人の反対多数で否決された。前回2月の会合では想定外の追加金融緩和やインフレ目標の導入がサプライズを呼んだのは記憶に新しい。今回は現状維持との見方が大勢だったとみられるが、一部では追加緩和を期待する向きもあったため、日銀の結果公表が通常より遅い14時過ぎにずれ込み思惑が強まったことも失望売りに拍車をかけたとみられる。相場を取り巻く環境は良好だが、日経平均は大台手前での足踏み状態がしばらく続くかもしれない。

13日のNY株式相場は大幅上昇。FOMC声明で景気に対して前向きな内容が示された。また、JPモルガンが株主還元を拡大させたほか、バンカメがストレステストを通過した模様との報道などで金融セクターに対する財務懸念が後退した。ダウ平均は前日比217.97ドル高の13177.68ドルと、2007年12月以来の水準で終了した。ダウ平均は買いが先行した。予想より強い2月小売り売上高(除く自動車)の結果を好感し、小売りセクターなどに買いが入った。注目を集めたFOMC声明では労働市場の改善、景気判断を引き上げと示されたことから、上値を切り上げる動きに。米ストレステストの結果発表を控え、JPモルガンが株主還元を拡大させると発表。あわせて同社の増配と自社株買いに対して当局の反対が無かったことも明らかになった。また、バンク・オブ・アメリカがストレステストを通過した模様との報道もあり、金融機関のストレステストの結果に対する不透明感が払しょくされた。ショートスクイーズを巻き込み金融セクターにいっそうの買いが入り、指数は一時220.69ドル高の13180.40ドルまで上昇した。NASDAQは前日比56.22ポイント高の3039.88ポイントと2000年11月以来となる高水準、S&P500は同24.87ポイント高の1395.96ポイントで終了した。個別では、株主還元を拡大させると発表したJPモルガンは7.3%高、バンク・オブ・アメリカは6.3%高。また、ジェフリーズが目標株価を引き上げたアップルは2.9%上昇し、史上最高値を更新した。