本書はZ会が出しているリスニング対策ですが、センター試験には全く対応していません(初版が平成11年)。さて、リスニングの訓練をする時に、ナチュラルスピードより遅いもので練習する方法と、反対に、むしろナチュラルより速いスピードで練習するという方法がありますが、本書は前者です。
必修編はかなり遅く、違和感が残るほどです。上級編は表紙に『東大・上智・ICU・外語大はこれでOK』と書いてあるので、期待したのですが、こちらもナチュラルより遅いのではないでしょうか?スクリプトが過去問から取られておりますので、同じ英文が他のテキストでも録音されていますが、あきらかに本書のCDの方が遅くなっています。私は速めで鍛えた方が良いと考えますので、好みではありません。
解説も他のテキストに比べ少なく、発音記号も付されておりません。本書を購入されようとしている方は以上の点を考慮に入れて、他と比較した方が良いと思います。著者の経歴紹介も探したのですが、見つかりませんでした。
z会の英語テキストに対して私は割りと良い印象を持っていましたが、本書に関しては残念ながらお薦めできません。
http://tokkun.net/jump.htm
『大学入試リスニングのトレーニング必修編・上級編』のとう修一・井坂保彦・Thomas Car:Z会出版:各1995円
本屋さんの英語コーナーは玉石混淆といった様相を呈していますが、学生が一見でそれを識別するのは難しいと思います。このブログのように、プロの人が色々なテキストを紹介しながらコメントしてもらえれば、学生にもすごく参考になるでしょうね。今後も是非、続けて欲しいです。
かなさん:その番組は知りませんでした。いろいろな理論が出回っていて、リスニングはこれだ、というのがまだないんですね。でも、今年はセンターの影響でかなり全体のテキストのレベルが上がっているように思います。