本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

『人生を変える3分間の物語』 ミシェル・ピクマル

2006年07月23日 | 絵本
  
フランスでベストセラーになった、子ども向けの哲学的な本です。

私の高校時代の尊敬する先生は 『私は本を題名で判断する人間を軽蔑します』 と言っておられました。ただ、本書のような題名は、私なら、買わない(先生すいません)。他を探します。みなさんはいかがでしょう?

私の好きなある将棋の棋士が新聞紙上で、本書を薦めていたので、まぁいいかと思って読んでみました。子どもの率直な問いかけに、“哲学先生” が物語で答えるという形式です。

ちょっと脱線しますが…
フランスでは6月が大学入試のスタートです。“バカロレア” という、日本のセンター試験のような制度があり(厳密にはかなり違いますが)、50万人ほどが受験します。そして、理系、文系に関係なく、ほぼ全員、『哲学』 は必修です。しかも問題が半端ではありません。いくつかをご紹介しますと

「時間から逃れることに意味はあるか?」
「身の回りの人間以外に対する義務は存在するか?」
「真実よりも幸福を優先すべきか?」
「文化は普遍的価値を伝えることが出来るか?」 などなど…。

これを4時間かけて小論文にするのです。4時間ですよ!日本の高校生では、特別な訓練をしておかなければ、とても歯が立ちませんね。

さて、本書でも、テーマは親や家族、人生、美、気高さ、などさまざまです。

その中の一つの寓話です。

ある日十匹のカエルが、一生に一度、山のぼりをしようということになり、ふもとに集まりました。 出発したのですが、途中で、うさぎやヤギなどが忠告します。『できっこないよ』 『何年もかかりますよ』 『あまりにも無謀です』 などなどと…。

その度に、何匹かのカエルはあきらめて下山するのですが、とうとう最後の一匹だけが成功してしまいます。ふもとにもどったそのカエルにみんなが聞きます。『どうしてできたの?』 『こわくなかったの?』… するとそのカエルは『何?何?』 と聞き返すばかり。

実はそのカエルは、耳が聞こえないのでした。


http://tokkun.net/jump.htm

人生を変える3分間の物語

PHP研究所

このアイテムの詳細を見る


『人生を変える3分間の物語』ミシェル・ピクマル
PHP研究所:204P:1418円



■■ 日本の高校生もがんばれ!という方、クリックをお願いいたします m(__)m ■■
      ↓      ↓       ↓
にほんブログ村 本ブログへ  ブログランキング 


最新の画像もっと見る

11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私は高校生… (yumamiti)
2006-07-23 20:30:41
こんにちは。難しい事や奥が深いことを

易しく諭すということは、これも難しかったりします。

当人が、考えて気づくことなのでしょうが。

一流の方々のコメントもまた短い一言だったりします。

短い方が印象に残しやすいそうです。

私はただ単に、長い文が書けない日本の高校生と同じですが。

返信する
こんばんは (シン@偽哲学者)
2006-07-23 20:33:55
>私は本を題名で判断する人間を軽蔑します

>本書のような題名は、私なら、買わない

両方とも理解できる言葉ですね^^

>哲学が必修

バカロレアという言葉自体は聞いたことありましたが

こういう制度だったのですね。

勉強になりますm(_ _)m

それにしても、日本もこれくらいはして欲しいものです。

哲学することが今の日本に決定的に欠けている部分だと

私は思っているというのがその理由です。
返信する
含蓄がある言い回しですね。 (街中の案山子)
2006-07-24 13:14:48
昨今はキャッチコーピーのような書名があって、読み手としては、出版業界の売らんかな精神とは距離を置きたい気分にもなります。例えば「○○の壁」「○○の遠吠え」等は、ネーミングでヒットだと勝手に思っています。

横目にしながら、食わず嫌い気味なのは「○○の品格」。

そして、今回のVIVAさんのお薦め本、多分名前で損するタイプですね。

かえるの話、努力する人への賛歌ですね。

どこかで読んだ話ですが、音楽家をめざす若者が、かのバーンスタインに、「自分もあなたのようになれますか」と尋ねたら、彼の答えはノーだった。それは「あなたが、『私のようになれるか』と尋ねたから」だと。目指すことに向って、自分は誰も通っていない道を歩んできたのであって、人の通った道をなぞろうとする時点で、それは別物だということでしょう。

こんな出会いがあるから、書物はいいですね。



返信する
まただー! (tiakujo)
2006-07-24 13:16:43
> 『私は本を題名で判断する人間を軽蔑します』



またもや 軽蔑される者でございます。

キャッチコピーだけで衝動買い専門ですから。

でも最近は、VIVAさんの記事しだいで、VIVAさんが良いと言えば良いと決めてかかって読んでる所もあります。
返信する
★☆yumamiti☆★ 大先生★ (VIVA)
2006-07-24 15:13:55
く~もう本当にどうお礼を申し上げればよいのでしょう。見たときは涙が出ました。





みなさん、ご覧になって下さい。右にある→最新のトラックバック『夏期講習の季節かな』→→→→→



(あっ http://pub.ne.jp/aoringo/?entry_id=248686 

こうしておけば良いんだ)



夏期講習がんばれ!という応援トラックバックをいただきました。こういう使い方もできるんだという感動と、純粋にありがたいという感謝の気持ちで一杯です。



yumamiti大先生!いつもいろいろ教えていただいている上に、あたたかいエールまでいただきありがとうございます。



VIVAどこまでも先生に着いてまいります。ハイ!
返信する
シンさん (VIVA)
2006-07-24 15:17:25
4時間の小論文なんて、大人でもできませんよね。大学入試でも絶対無いだろうし、おそらく司法試験くらいじゃないですかね。文化が違うんですね。
返信する
街中の案山子さん (VIVA)
2006-07-24 15:20:17
私もまったく同じで、売らんかな精神が見えると、引いてしまいます。なんとなくしゃくですもん。わたしもこの本や案山子さんのように、こういうたとえ話やエピソードが、すっと出てくるように、精進します。
返信する
tiakujoさん (VIVA)
2006-07-24 15:31:50
ちょちょちょちょちょ~と待ってください。

いくらなんでも『まただ~』はないでしょう(笑)。



tiakujoさん、よ~く、よ~く読んでくださいよ。↑を。



『私は本を題名で判断する人間を軽蔑します』 



と言ったのは、わたしではなく、わたしの大嫌いな、どうしようもない先生ですよ(笑)。



ついでに

『人間、大声を出すと思考能力が落ちるのです。だから歌手にはバカが多いんです』



と言ったのも、ももももももちろん、わたしではなく、どどどどっかのおっさんですからね。



くれぐれも、本当にくれぐれも、カン違いなさいませんように。



わたくしも、カラオケは好きで、歌手の方は大好きですし、本は書名だけで選んでおります(笑)。
返信する
TBさせていただきました。 (街中の案山子)
2006-07-24 16:26:34
本ではなく映画です。

こんな風に教養の素地を叩き込まれるのかと、思いながら観たものですから。お門違いのTBかもしれませんが、若者と接していらっしゃるVIVAさんへ。
返信する
街中の案山子さん (VIVA)
2006-07-24 19:55:00
TBありがとうございます。今、ネットで探してみましたが、とてもおもしろそうです。ぜひ、夏休みが取れれば(私に)、見てみますね。
返信する