ⅩⅩⅩⅨ「本能のままに」
死に直結する罠の檻に
捕らえられた生き物に
生き残る万に一つの幸運もない
扉が落ちたその瞬間に決定された運命なのだ
取り返す手立てもZEROの非情の
それから幾時間、何日を足搔いたとて
赤さびた鉄の門扉が
二度と開くことはない
考えてもみたまえ
ヒトは煉獄の前に立ったとしても
兎にも角にも思案はできる
その質や広さや深さに多少の差異はあっても
智慧を持つ動物として君臨する
だからKIMIよ、ANATAよ
それ故僕等は
野生のままではいけないのだ
鉄柵に体当たりして
血まみれの無念を味わいたくなければ
必要最小限でも
野生とは別物の知性を獲得しなければならない
本能のままになど
口にしてはいけないのだ
正しく人としての本然に立ち戻れる
強固でしたたかな信念や意思がなければ・・
*
「イノチのチカラに」
不思議なことに
毎日一万歩を自分に課していると
それ以下の数字では物足らなくなる
両足の負荷さえ自ずと容量を増して
寧ろその荷重を愉しむ
雨の日は傘の下から風情を見て
水玉が作る輪に思わず心を停める
想う事と一心同体で進んでいると
使役による筋肉の使い痛みも半減されて
概ね弾む足取りで推移できるのだ
何か満足を手にしようと誓ったら
まず己の心に
それと見合いの労苦を科すことだ
その困難を克服したものだけが
己のイノチのチカラになる
12/15 21:43
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