リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

信州でも当事者文化が広がっています

2013年03月09日 | Weblog
美ヶ原温泉のホテル翔峰で開催された第20回「せいしんれんセミナー」が開催されました。
当直明けの眠い目をこすりながら午後から参加して来ました。

当事者の実行委員と支援者で運営されている「せんしんれん」には長野県中から400人弱の精神障害の当事者や支援者が集まります。
全県の作業所などから工賃をつみたてて泊まりがけで参加し、全県から集まった仲間との出会いを楽しみに来られている方もたくさんいます。ロビーには作業所ごとにブースをだして物品販売がならびます。
エネルギーとユーモアがあふれ元気をもらえる集まりです。

私は午前中のシンポジウムには参加できませんでしたが当事者の方々が壇上にたち想いを語るもので素晴らしい内容だったようです。
これまでの偉い人の講演会では飽きてしまってホールに出ているひとが多かったようですが、最後まで大勢が参加できていたと聞きました。
浦河べてるの家を嚆矢とする当事者文化が全国で広がっていますね。



午後の分科会はさまざまな語り場が用意されました。
暮らすこと、ピアサポートや当事者会の運営、夢や希望、家族やスタッフ当事者との関係、症状別フリートーク、などのテーマにわかれました。
また「むかしMattoの町があった」の映画上映のコーナーもありました。

私は前回は病院や医者、薬との付き合いを考えるセッションをさせて頂きましたが、今回も光栄なことにお声をかけていただき「症状別フリートーク」という分科会にアドバイザーとして参加させていただきました。
気分の波や動けなくなったり止まれなくなったりで苦労している人グループと、幻覚や妄想、考えすぎて苦労している人のグループにわかれて話し合いでした。思ったより人数が多くて大変でしたがスタッフのファシリテートでなんとか進行。



簡単なレクで緊張をほぐし、当事者の発言で口火をきり、グループに分かれてカードの質問に答えるかたちでアイスブレイクと自己紹介しました。
その後、不眠や過眠、幻聴、怒りの爆発のコントロール、薬との付き合い、病気になってよかったこと、年金など将来の不安、疲れがわからない、など様々な話題がでてきました。
「病気になって仲間ができたのが良かった。このような場が作業所、地域に広がってほしい。」という声もありました。
私は今年は参加しませんでしたが、このあとに交流会(宴会)も毎年あって盛り上がります。

作業所などの地域スタッフは参加していましたが、病院のスタッフや精神科医師はほとんどいません。こういう場に参加すればすごく勉強になるのに、医師で参加していたのは私と一緒に行った研修医だけだったようです。

もったいないなぁ。

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