リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

介護認定審査会委員研修

2013年03月03日 | Weblog
日頃から高齢者に関わっている諸先生方はすでに経験されているであろう介護認定審査会の委員の役がついにまわってきました。任期は2年です。
本日はその新任委員研修に大町まで行って来ました。



利用できるサービスも増え介護を要する状態になったら介護保険サービスを利用することは普通になりましたが、介護保険制度にはその導入時から地域を育てるさまざまな仕掛けが組み込まれています。

必要な人に必要な介護サービスを提供するための保険ですが、悪徳業者や利用者もいるのである程度の公正な枠組みも必要です。
調査員の調査と主治医意見書をもとにコンピュータのロジックで出したデジタルな1次判定に対して、介護認定審査会で特記事項や主治医のコメントを元アナログな修正を加えて2次判定をだして要介護度が決定されます。

認定調査には事務費など間接コストの増大にはつながりますが、保健医療福祉の各分野からできるだけ多くの人を認定審査員に巻き込むことで高齢障害者をみる視点を広めようという意図は感じました。JPTECやICLSみたいなものですね。

しかし介護者がおらず介護保険サービスだけでは認知症高齢者や重度障害者、低所得者が施設ではなく地域で暮らしていくのはかなり困難です。
タイムスタディをもとにした介護にかかる時間だけで要介護度が決まり、主治医意見書や認定調査の特記事項にあっても施設・在宅の別、住宅環境、介護者の有無を要介護度の変更の理由にはできないというのはやはり不満がのこりますね。(実際はしているのでしょうが・・)
児童福祉、生活保護、年金、自立支援法、医療保険、介護保険などを一体にしてライフステージを通じて「溜め」を総合的に評価して自立を支援する制度ってできないものかと思いました。
ライフワークにしようかな・・。

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