『機動戦士ガンダム』にアムロとララァが二人だけで野原を仲良く駆ける幻想的な場面があった。
その場面は遠くから第三者の視点で捉えられていたのだが、それを見て、僕は本当に怖くなった。
人間はお互い本気で愛し合ってしまうと、自分たちだけの空間に閉じ込められてしまうのではないか?と。
「あはは・・・」とか「うふふ・・・」と笑いあいながら、時間が経過するのも忘れてしまうのではないか?と。
幸せとはいったい何なのだろうか?と。
中学生なりに僕は悩んだ。
またそういう相手が消滅してしまうことの恐ろしさは僕が大人になるほど理解できるようになった。
「運命の女性(ひと)」にめぐりあうというのは生死の問題に関わるのだな。
だからそういう人は人生の深淵を覗き込むことになってしまうのだな。