「患者の異常を診断する者は正常でなければならない」から精神科医にとって自己の正当性を保つことは重要である。<o:p></o:p>
だけど幸運なことに、彼らの多くは誰かに「自分は正常だ」と一生懸命証明する必要には迫られない。<o:p></o:p>
そして自分の正当性を脅かす相手には「病名」を付けてしまえばいい。
たとえ精神科医に診察室で見せるような姿とは異なった側面があったとしても、患者に気づかれさえしなければいいのだ。<o:p></o:p>
とってもおバカなことが脳裏を掠めても、一瞬の気の迷いさ、患者の影響でも受けたのだろう、行為に移さなければいいのだ。<o:p></o:p>
行為に移して、「正体」を現したとしても、「身分」がバレなければいいのだ。<o:p></o:p>
異常とは何か。<o:p></o:p>
正常とは何か。<o:p></o:p>
裏とは?<o:p></o:p>
表とは?<o:p></o:p>
要するに彼らが問題としているのは「本音」と「建て前」の使い分けなのだった。<o:p></o:p>
これができれば「寛解」と見做してもらえるのだろう。<o:p></o:p>
なぜかって?<o:p></o:p>
それは「健常者」と呼ばれる人たちが普通にやっていることだからさ。<o:p></o:p>