玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

タヌキの糞からの検出物 2017年秋

2017-12-28 11:40:53 | 生きもの調べ
2017.12/28

津田塾大学で12月に回収したタヌキの糞からの検出物

 2017年12月5日に津田塾大学のタヌキのタメフン場から47個のタヌキの糞を回収して、主要な内容物を検出して出現頻度を比較した。この前には9月に回収したので、今回回収したのはおもに10月から11月にかけての期間中に排泄された糞である。
 糞は0.1mm間隔のふるい上で水洗し、残渣をシャーレに移して肉眼的に判別されたものを取り出した。判別されたのは動物質(甲虫、その他の昆虫、貝殻、哺乳類あるいは鳥類の骨、毛、羽毛)、種子(カキノキ、ブドウ、ムクノキ、ミズキ、ツルウメモドキ、不明種子)、人工物(プラスチック片、ポリ袋の断片)である。


タヌキの糞から検出された動物質


タヌキの糞から検出された種子

 結果は次のとおりであった。もっとも頻度が高かったのはカキノキ種子で、出現頻度は78.7%に達した。ついで骨の40.4%であった。またブドウの種子が34.0%であったほか、ムクノキが12.8%、鳥の羽毛が10.6%であった。そのほかは10%未満であった。人工物はプラスチックもポリ袋も10%未満と低頻度であった。



 このことから、この季節の津田塾大学のタヌキはカキノキを非常によく食べていたことがわかった。ブドウの種子は野生のヤマブドウなどではなく、栽培ブドウであり、あるいは人の食べ残しなどを食べたのかもしれない。骨も高頻度で出現したが、ネズミ類のような小さい骨ではなく、中型哺乳類やハト・サイズ以上の鳥類の骨と思われるものであった。
 人工物が少なかったのは、これまでの結果と同様であり、津田塾大学のタヌキは人工物に依存的ではないことがわかった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 自然の話が聴こえた | トップ | 2017年の観察会の記録 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

生きもの調べ」カテゴリの最新記事