玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

交通事故

2017-01-10 08:21:38 | ぽんぽこ便り
 玉川上水から1キロメートルほど北にすんでいる親戚が、近くのお寺の近くでタヌキが交通事故に会って死んでいたと、写真を送ってくれました。2016年10月3日のことです。頭を轢かれたようで、口から出血しています。その後処理されたようです。野生動物の死体はゴミとして処理されます。


交通事故で死亡したタヌキ(2016年10月3日、小平市)

 そのお寺は道を挟んで神社もあり、両方で直径数十メートルほどの林があるので、前からタヌキがいるだろうと思っていたところでした。
「せっかく生き延びて来たのに、こうして死んで行くんだ」
と胸が痛みました。
 英語では「ロードキル」といいますが、交通事故死といえば「死ぬ」ですが、「キル」は「殺し」です。そのほうが実態を的確にとらえた表現です。
 実は私は学生と麻布大学がある神奈川県相模原市と隣接する町田市で野生動物の交通事故を調べたことがあります。驚いたことに両市で年間800頭もの犠牲者が出ており、3分の2ほどはタヌキでした。私の感触としては小平市よりは自然が残っているようなので、タヌキもいるし、自動車量も多いために交通事故が多いのだと思います。小平のほうが交通量は多そうですが、野生動物はあまり生き延びていないのではないかと思います。
 生まれて来る数と死ぬ数のバランスが崩れたときに数の変化が起きるのですから、死ぬ数が多くなればいなくなります。
 この例はこのあたりのタヌキの将来が楽観できないことを示していると思います。
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タヌキの足

2017-01-10 02:39:17 | ぽんぽこ便り
これはタヌキの足です。「あし」といえば脚あるいは肢と足があります。腕と手のひらの関係です。

 
左が前足 右が後足

タヌキの足は人の足に対応します。あたりまえのようですが、馬の足は中指の先端です。タヌキの足跡は「梅の花」といわれますが、これは「肉球」が丸いからで、この5個が梅の花の花びら5枚のようだということです。雪の上についたタヌキの足跡はなるほど梅の花に似ています。



もっともこれは本当の梅の花というより、デザイン科された「梅花」の形に似ているからです。


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タヌキの頭骨

2017-01-10 01:27:25 | ぽんぽこ便り


これはタヌキの頭骨で、意外感があると思います。というのはずいぶん細長いからです。タヌキといえば丸顔、骨もそうだろうと思いますが、意外に細面なのです。丸顔の印象があるのは、この頭骨に筋肉がつき、長い毛が生えているからです。頭骨はキツネ、アライグマなども似たようなものですが、タヌキだけが脳の収まる部分の表面に独特のザラザラ感があります。
 前歯は3対で、小さく、先端に切れ込みがあります。その手前に牙(犬歯)があります。これはたいへん大きく、ほかの歯とは飛び抜けた大きさです。イヌ科の動物はだいたいこういう大きい犬歯をもっていますが、犬歯は英語でcanineといい、canisというのはイヌの意味です。その奥に3つ位の前臼歯、さらに奥にもう3対の後臼歯があります。
 下顎の基部には3本の突起がありますが、中央の突起が頭部の「受け」とがっちり組み合わさって蝶番のように顎を上下する支点になっています。
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