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玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

これはすぐわかる

2016-12-10 13:55:59 | ぽんぽこ便り
糞を水洗して、すぐにわかるものもあります。これはカキの果肉と種子が主体で、黒いのはムクノキの果皮です。種子も見えています。。


こちらはむずかしいです。カキも少しありますが、小さいものは顕微鏡で見ないとわかりません。右下の緑色はイネ科の葉で、未消化のまま出てきます。偶然にしてはよく出てくるので、タヌキは食べようとして食べていると思います。




ぽんぽこ便り 何がでてくるかな?

2016-12-10 13:52:21 | ぽんぽこ便り
タヌキの糞を水洗して、中に含まれているもの、「ピーナツチョコ」の「チョコ」を取り出すことを説明しました。多くのものは小さくて肉眼的にはわかりません。でも中にははっきりわかるものもあります。
 子供の頃、硬い地面に文字を書いてから上に砂をかぶせてわからなくして、それをなぞると文字がわかってくるという遊びがありましたが、あの感覚と似ています。茶色のくさい塊りがほぐれて中から何か見えてくると「何だろう」と楽しみなものです。
 少し紹介しましょう。

まずはわかりそうなものから、

カキとムクノキの種子です。背景の格子はミリ間隔ですから、肉眼的にもすぐわかります。

このあたりもわかるはずです。

ギンナン


鳥の羽毛


昆虫(おそらく蛾)の幼虫

おやおやというものもでてきます。

これはゴム手袋の破片です。


これはゴムヒモ。輪ゴムではなく赤い繊維状のものでつつまれているので、女の子の髪留めなどに使うもののようです。


左のオレンジ色はプラスチックの破片、右はチョコレートかなにかの包み紙のアルミホイル

津田塾大学は玉川上水に接していますが、北や東は民家がありますから、こうしたものも口にするようです。

そのほかこんなものも出てきました。

これは骨の破片でおそらく鳥の手足の骨端です。


これはカニのハサミの先端部と胴体の一部です。赤くなっているのがおもしろい。


これが出てきたときはドキッとしました。鱗状なのではじめトカゲの皮膚かなと思ってのですが、つま先が見えたので鳥の足とわかりました。鳥は爬虫類から生まれたというのが納得できました。
 
 というわけで、いろいろなものが出てきます。これを量的に評価して、タヌキの食べ物を推定するわけです。少し長くなりました。




ぽんぽこ便り タヌキの糞を水洗する

2016-12-10 12:29:05 | ぽんぽこ便り
津田塾構内でタメフンをみつけたことを紹介しました。その糞を拾ってきて、フルイの上でシャーッと水をシャワーのようにかけ、古い歯ブラシでゴシゴシすると糞がほぐれて中身が見えてきます。
 私(高槻)は糞を「ピーナツチョコ」にたとえます。タヌキが食べたものは消化を受けて粉砕されますが、昆虫の外骨格や、哺乳類の骨や毛、鳥の羽毛、果実の皮や種子、草木の葉などは粉砕されても「ピーナツ」として糞の中に残っています。老廃物などがマトリックスとしてそれを包んでおりこれが「チョコ」で、分析するときはチョコを洗い流すというわけです。
 「タヌキの糞はくさくないか」ですって?くさいに決まっとるでしょうが。動物園のタヌキ舎に行くと匂う、あの匂いを濃縮した匂いがします。だからその水洗はなかなかつらい作業ですが、ちょっとがまんしてシャーッと水洗すると、匂いもいっしょに流れ去ります。


「ピーナツチョコ」状態の糞


「チョコ」を取り出したところ

タヌ踏ん張った

2016-12-10 11:44:58 | ぽんぽこ便り
ここで一度マーカーの調査を離れます。
 3月1日に関野先生がタメフンを見つけてくださったので、まちがいはないと思いながらも一応センサーカメラを置くことにしました。


センサーカメラ

すると確かに踏ん張って糞をしている写真が撮れました。


糞をするタヌキ

 思えばたいへんなプライバシーの侵害ではありますが、「これも世のため人のため」(?)、研究者のわがままを許してもらうことにしました。
 「タヌキ君、ごめん!」
 おかげで、確かにここにタヌキが来て糞をしていることが確認できました。津田塾大学でタヌキのことが調べることは十分に可能だという感触を得ました。

顔パス

2016-12-10 10:29:09 | ぽんぽこ便り
大学とか公的機関、会社などの敷地で調査をするのは一般にはさまざまな制約があります。たいていは「お断りします」です。そうでなくてもさまざまな条件がつきます。実際これまでにも何度か断られたことがあります。それは「何か起きたら誰が責任をとるんだ」式の臆病さが決定基準になる現代日本を反映しています。ましてや津田塾大は女子大です。ガードが硬いのはむしろ当然のことです。
 ところがここの管理課の利根川さんはそうではありませんでした。「どうぞ調べてください」ということでした。もっとも最初は津田塾大の先生と同伴なら、という条件付きでした。その後は事前に届けを出せば大丈夫ということになりました。


津田塾大学の中庭

 ちょっと驚くことがありました。私は鳥取県出身なのですが、利根川さんはそのことをご存知で、「私は島根です」ということでした。それで私から「実は私は小学校のときに松江で暮らしたことがあります」と返事をしました。ふつうはそこまでなのですが、なぜか「朝日小学校という小学校でした」と余計と思えるようなことを書き添えました。そうしたら、利根川さんからの返事に「私も朝日小学校でした」とあったのです。こんな偶然があるでしょうか。卒業高校が同じというのでもめったにないことです。同じ小学校でも、二人が津田塾大のある小平市出身とか、東京出身ならまだありえますが、よりもよって山陰の松江の同じ小学校だなんて。それでそこの校歌のことや、木造校舎のことなどでもりあがりました。
 そのせいというわけでもないでしょうが、私がしょっちゅうタヌキを調べに行くので、「事前の連絡はなくてもかまいません」ということになりました。校門の守衛さんに「こんにちは、麻布大学の高槻です。タヌキの調査に来ました」と挨拶していたのですが、そのうち守衛さんのほうから「あ、どーぞ」と顔パスになりました。まことにありがたいことです。