ひねもす日報

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ノルゥエイの森

2010年12月22日 | 本・映画
●セガレ二才十カ月●
 朝、薬効果か昨晩よりも様子がずいぶん良い。お茶を一滴飲んだだけで痛がっていたものを、ごくごく水分摂ってご飯も食べて、ご機嫌だった今朝。なので普通に園へ送り出したのに…。登園後口内炎がまた悪くなったようで、食事も摂られず機嫌も悪かったそう。帰宅後もその模様。本当にこちらの気持ちもしろしい。

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 映画ノルゥエイの森。観に行くつもりはなかった。原作は10年前くらいに読んでいた。当時メジャーな作品げなアンチたい!という若気の至りなスピリッツでいたので、村上春樹げな手に取らんやったわたしが、イギリス旅行へ行くときに「飛行機の中で読めばいいよ」と貸してくれた友人がいた。アホらし、と思ったけれど借りたので読んだ。これがハマった。下巻を飛行機の中に忘れてしまったので、帰国後買って読んだ。そして返した(笑)。「わー、斜にカマエとってごめん」と思った。難しいこと、熟考するようなことを、村上さん独特の文体であっさり飄々と分かり易く書いてあった。この部分がこの人のすごい所。難しいことを難しく表現することはゲスなことであり、難解なことを分かり易く表し得ることがプロと何かで読んだ。
 良い作品だっただけに、映像化は不安でいっぱいだった。観ないけれど、夫が観に行ったらいいわ(で、感想聞こう)と、前売り券を買ってあげた。すると、「平日に有給取るけん一緒に行こう」と誘われた。こういうことはなかなかないので、一緒に行くことにした。が、有給が半休になり、結局映画にも彼は間に合わなかった。わたしだけ観た。結果。「監督、よく頑張ったなぁ」という感想。観て落胆というのはない。でも、この作品を好きな人に「ぜひ観て!!!」とも言えない。ただ、観なくては話しもできないので、観てみてよかったとは思う。風景、衣装、美術。どれも素晴らしかった。意外とミドリ役の子の演技がまともで安心した。レイコさんは美人過ぎて細過ぎた。細野さんの衣装がよかった。ユキヒロ氏も出ているとは。びっくり。

 今、椎名誠氏の妻渡辺一枝氏の本を読んでいる。椎名氏は好きだった。そしてその妻は保育園をやっている人だった。その時代の自伝や回想の「時計のない保育園」を読んでいるのだが、電車内で泣けて困った。戦後、保育園ができ始めだった頃に保育にたずさわった一枝氏の尊敬する保育士の話や、一枝氏が手さぐりで園を開設していくはなし。また、出産を機に出勤を早くさせられたり勤務地を遠くにされたりした女性の話。みなさんの努力や頑張り、忍耐に何だか泣けて、ノルゥエイの森が始まる暗闇の中で涙した。最近、「プロフェッショナル仕事の流儀」等、実際に起こっていることの現場で志を持った人の働きやそれを取り巻く人のことで感涙することが多い。
コメント (2)
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