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車検を短時間で行う工夫-4.歩行距離を縮める

2011年11月25日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、車検を短時間で行う工夫ー4.歩行距離を縮める、です。

車検整備では、ホイールキャップの取り外し、タイヤの取り外し、キャリパーの
分解・組み付け、ブレーキドラムの分解・組み付け、エンジン内部各部の点検、
室内各部の点検、灯火類の点検など、クルマの周りを何度も回ることになる。

この回る回数を少なくすることが、短時間車検にとってはとても大事なことだ。
よく見かける作業は、ホイールキャップの取り外しで1周、タイヤ取り外しで1周、
ブレーキ関係の分解で1周、以上の取り付けまたは組み付けで2~3周。

これだけの作業で実に5~6周もしている。これに、リフトのアーム等のセッティング
を入れるともう1周加わる。

これを、2周で済ますように作業の手順を考えることだ。
例えば、リフトのアームのセッティング時に、一緒にホイールキャップの取り外し
を行えば、これで1周減らすことができる。

また、タイヤを取り外し・組み付け・溝の測定・空気圧調整、それにブレーキの
分解点検・組み付けを同時に行えば、これだけで2~3周減らすことができる。

昔は、一つの工具を手にしたら全ての作業を同時に行えと、教えられてきたと思う。
例えば、インパクトレンチを手にしたら、4輪のクリップナットを取り外して、タイヤを
取り外すことが合理的な作業と言われてきた。

これも一理あるが、これは流れ作業方式(ライン生産方式)の考え方である。
最近は、一人で多くの部品の組み付けをする「1人屋台生産方式」とよばれるセル生産方式が
主流になってきている。

これに見らなうわけではないが、工具を軸にするのではなく、場所を軸にして、その場所に
ある作業をすべて行う方式が、歩行距離を少なくする上で、とても合理的である。

そのためには、作業工程の見直しは当然として、本シリーズの「1」で述べた、
工場レイアウトの見直しも一緒に、改善に加えていただきたい。

点検と整備の分離、作業と検査の分離など指定整備として、法令順守に基づいた
作業の流れを見直していただき、歩行距離をいかに縮めるかを吟味していただきたい。

価格競争が厳しくなる中で、作業時間を縮めることはコストダウンに直結し、
そのことで価格競争を乗り越えることができる。

また、営業力を強化するためには、作業時間を短縮し、空いた時間でアフターコールや、
入庫促進活動を、メカニックにも一部を担当させることも必要になってきている。

今や作業時間の短縮は、現場の問題にだけにとどまらない、整備工場にとっては
生死を分けた大きな課題と言ってもいい。

その意味でも、短時間車検に挑戦していただきた。


株式会社ティオ
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