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整備業の賃金制度のあるべき姿4.理想とする賃金制度とは

2011年11月04日 | 人事・労務全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備業の賃金制度のあるべき姿ー4.理想とする賃金制度とは、です。

さて、整備業の賃金制度はどのような設計が必要なのかを探ってみたい。
今後の賃金制度の方向性として、
1.成果主義的な色彩が強い賃金制度へ移行する
2.役割や職種に応じて複数の賃金テーブルを用意する
3.目標達成に対する「成果配分」と連動させる
4.シンプルかつ分かりやすい
などではないだろうか。

こうしたことから賃金制度の基本は、前回のも書いた「職務給=役割給」だろう。
職能給のように、何を習得(保有)しているかが評価の対象ではなく、職務給の場合は、
「何がどれほどできたか」が評価の対象になる。

この職務給に「成果配分」の要素を加味した賃金制度が適切ではないかと
考えている。

職務は、高いポジション=役割ほど「どれほど」が評価されることになる。
また、ポジションが変わるか、ポジションのランクが変わらない限り、固定給は変わらない。

評価は昇給基準と連動させる。「非常に貢献した」という最高の評価の場合は、3から5号俸
昇給する。以下、貢献した=2から3号俸アップ、やや貢献した=1号俸アップ、従来と同じ=
昇給なし、やや低下した=1号俸ダウン、非常に低下した=2から3号俸ダウンというように、
評価によっては、減給もある。

賃金の体系は、基本給が「役割給」」と「業績給」の二本立てとなる。
この他、諸手当が支給されることになる。

諸手当は、管理職手当、家族手当(子供の教育費の補助として)、
通勤手当などでいい。住宅手当は基本的に不要と考える。

役割は基準表を設ける。整備の場合は、以下の例になる。
 ・1級=定型的な車検・点検ができる、ポスティング活動ができる
 ・2級=やや複雑なトラブルシューティングができる、アフターコールができる
 ・3級=作業効率120%以上発揮できる、立会い車検の説明ができる
 ・4級=作業コントロールができる、点検カバー率60%以上の入庫確保ができる
などとなる。

役割賃金テーブルは、各級10号俸とし、1号俸の金額は3千円前後とする。
同じ級内でも、3万円(1号俸3千円とした場合)の差が付くことになる。

業績給は、「役割給×会社または部門業績係数×役割給係数」で決まる。
業績係数は、達成率100~104%=1.0とし、達成率が100%を超えれば係数が1.1や1.2
などとなる。

逆に100%以下であれば、係数は0.8とか0.6などとなっていく。
役割係数は、1級はナシ、2級は1/5、3級は1/4、4級は1/3となり、級=ポジションが上になるほど
係数が大きくなる。責任が重くなるという意味にもとれる。

職務給=役割給の設計に当たってのポイントは、役割基準表と賃金テーブルおよび業績給の各係数の
決め方である。これらによって、役割の重さと言うか責任の取り方が決まることになる。

労働分配率が限界にきている整備業界は、何らかの形でメリハリが効いた賃金制度を採用し、
賃金総額を抑える中で、成果を発揮した社員に手厚い報酬を支給する賃金制度を、採用する
時期に来ている。


株式会社ティオ
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