自動車整備業&車両販売業のCS経営をコンサルタントする TIO21ブログ

自動車整備業、車両販売業のCS経営のためのコンサルティング、現場改善指導、制度設計、社員教育、各種セミナー・講演

整備作業を標準化するー5.最後は整備基準の標準化だ

2012年10月26日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備作業を標準化するー5.最後は整備基準の標準化だ、です。

標準化の最後は「整備基準」だ。
傷み具合、減り具合、漏れ具合などを基準化するのだ。

測定できるものは、基本的に「値」で基準を設ける。
測定できないものは、状態(見た目)や使用年数・使用距離数で
整備する基準を設けることだ。

整備基準は5段階で行う。3段階が良いというメカニックもいるが、
私は、よりきめ細かい判断と、説明ができるので5段階がベストだと思っている。

例えば、ブレーキパッドは8mm以上「5」、6~7mm「4」、4~5mm「3」、
2~3mm「2」、2mm以下「1」といった具合だ。

オイル漏れは、漏れの状態によって以下の通り4種類ある。
・外部乾燥:パッキン、ガスケット、接手部などが完全で外部が乾燥状態にあるもの
・にじみ  :パッキン、ガスケット部及びその周辺がオイルで湿っているもの
・溜まる  :油滴が溜まっているが、滴下を認めにくいもの
・油滴落下:油滴となって落下し、しばらくすると床面に油の跡が残るもの
といった基準にわせて判断をするようにする。

エンジンオイルなどは、使用月数または走行距離数で判断をする。
こうした基準が明確になっていると、見積書が誰でも作ることができるし、
お客さまへの説明も、見てきたような迫力ある話し
ができる。

また、後日整備の管理にも活用できる。
今まで後日整備を無管理にしていて、売上に結びつけていなかった
場合でも、今後はそれができるようになる。

このように、整備基準はその時だけのものではなく、後日整備にも効果的な
ものとして生かすことができるのだ。

以上、整備作業の標準化は、工具から始まり作業手順、そして整備基準までを
作ることで完成となる。


問い合わせ先 株式会社ティオ

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整備作業を標準化するー4.作業手順の標準化

2012年10月25日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備作業を標準化するー4.作業手順の標準化、です。

作業手順の標準化は、車検整備、お定期点検整備、10ポイント点検、オイル交換など
定型的な作業や、頻度の高い作業を対象に行う。

目指すは、誰でも同じ手順で、同じ時間で終わることだ。
そのためには、合理的な作業手順を組むこと。

例えば、車検の場合では、リフトが一往復で終わるような手順を組む。
二回、三回とリフトを上下させているようでは、合理的な作業手順とは言えない。

あるいは、クルマの回りを何回も回らなければ、作業が終わらないようでは、
合理的な作業手順になっていない。

昔は、一つの工具を持ったら、対象の作業を終わらせることが、
合理的な作業と言われた。

例えば、インパクトレンチを持ったら、4輪のタイヤを外すことが
合理的な作業となっていた。

しかし、考えてみたらエアーホースを使って作業を行うのであれば、
タイヤを外すだけはなく、エアー調整と溝の計測も同時に行えば、
外周する回数は、最低でも1回、最高だと2回減らすことが出来る。

あるいは2柱リフトの場合、アームをリフトポイントに合わせるために、
アームの調整とアタッチメントの高さの調整をする。

この時に、ホイールキャップを一緒に外して回れば、
これでけで1周は減らすことができる。

このように、手順の並びを合理的にするだけではなく、
何と何を一緒にしたら手数、歩数、工具を減らせるかを十分吟味し、
組み立てを行うことだ。

また、作業そのものが必要かどうかも検討すること。
例えば、付いていたブレーシューやパッドに「ペーパー掛け」を行っている。

このペーパー掛けそのものが必要な作業なのか?
先日の整備工場では、掛けているメカニックと、掛けないメカニックが存在していた。

一つの会社で、作業する、しないがあるのは、合ってはならないことだ。
ペーパー掛けすることが含まれた工賃なのか、含まれない工賃なのか、
それによっては、ペーパー掛け作業分をプラスするか、しないかを決めねばらなない。

金額にすれば、たいそうな額にならないが、決めておかなければ
おかしなことになる。

あるいは、ブレーキ周りの清掃の場合、どのような方法で行うかなど
も標準化の内容となる。

エアーブローする(最近は少なくなっている)、ブレーキクリーナーで行うなど
を決めることだ。仮に、ブレーキクリーナーを使うとなった場合、一輪に対して
どれだけの「量」を使うかを決めることも大事だ。

ある整備工場では、床に液垂れ用の受皿を置いて、ブレーキクリーナーを使っていた。
床にダラダラと液が落ちるほど、大量に使っているのだ。

私は、ブレーキ部にウエスをあてがい、ウエスが少し濡れる程度の「量」としている。
この程度の量で、過去に問題が起きたことはない。

消耗工材とかと別途料金を請求しているので、量は意識しないというのも
おかしな話だ。

作業手順の標準化を進めるに当たっては、車内で一番早く終わるメカニックを
ベンチマークとすると良い。

そのメカニックの作業手順を、ビデオに録りそれを手順書に纏める。
そして、それを参考として、改善改良の余地がないかを、全員で確認しながら
作り上げると、最も合理的な作業手順が出来上がる。

出来上がったら、全メカニックに試してもらい、さらに改良を加えて、
最高の手順を作ること。


問い合わせ先 株式会社ティオ

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整備作業を標準化するー3.まずは工具の標準化から

2012年10月24日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備作業を標準化するー3.まずは工具の標準化から、です。

工具の標準化は、
1.個人工具の標準化
2.作業別工具の標準化
3.キャディーの標準化
4.搭載要領の標準化
のアプローチが必要だ。

先ず、個人工具の標準化は、メカニックとして必要最低限持たなければならない
工具をリストアップし、それを統一工具とすること。

その上で、それ以上の工具を持つことは、本人の判断に任せる。
これは、工具を個人負担で揃えている会社であっても、個人工具の標準化は必要なことだ。

それは、逆説的になるが「共用工具の標準化」のためにも必要なのだ。
個人でここまで持つから、それ以外は基本的に会社負担で揃えることになる。

個人工具の内容が決まったら、次にキャディの標準化をすること。
よく目にするキャディーは、「収納」することが目的で作られている。

メカニックの場合は、「作業」することのための、キャディが必要だ。
収納と言うよりも、目に付きやく、取り出し・戻しがしやすいキャディが必要だ。

また、キャディは連れ歩きするので、それを念頭に形状や大きさを検討すること。
常にメカニックの右少し後ろか前に置きながら作業するのが、歩数を減らすポイントだ。

工場の広さ、リフトとリフトの間隔などを測って、大きさを決めること。
また、引き出しは最小限にする。できれば無い方がいい。

それは、出し入れが無い方が作業性はいいからだ。
出来る限り、工具は見たら何がどこにどのように置いてあるかが、分かるキャディが、
最高のキャディなのだ。

こうしたキャディは、市販されていないので、手作りで作ることも必要だ。
私の知っている整備工場でも、手作りキャディで、作業性を大きく上げている。

キャディは、作業別工具と連動する形で、作るとより効果を発揮する。
例えば、車検作業用工具と専用キャディだ。バッテリーテスターやスキャンツールなど
のテスターなどと一緒に搭載できるキャディが、一番効率的である。

キャディが統一出来たら、工具の搭載も基本的に統一させる。
どの工具をどの場所に、どのようにして搭載するかだ。

最後にキャデは、作業台でもある。
したがって、キャディの天板は「作業スペース」になるので、
そのことも考慮した形状を考えること。


問い合わせ先 株式会社ティオ

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整備作業を標準化するー2.標準化する対象とは

2012年10月23日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備作業を標準化するー2.標準化する対象とは、です

作業の標準化と言っても、取り組む内容は一つだけではない。
標準化で頭に浮かぶのは、「作業手順」ではないかと思う。

作業手順を標準化するのは、ある意味当たり前のことだが、それに伴って標準化すべきことがある。
一つは「工具の標準化」だ。

メカニックによって、持っている個人工具がまちまちであれば、作業のやり方にバラツキができる。
バラツキができるということは、作業時間がバラツクことになる。
これでは、手順を標準化しても、効果は半減してしまう。

個人工具を標準化することは、共用工具を標準化することになる。
この工具の標準化も、作業手順の標準化には、必ず作らなければならないものである。

で、共用工具は、何処に幾つ、どのように保管するかといった事まで作る必要がある。
配置場所は、作業頻度、作業別ストールの場所などから、最適な置き場を決めること。

空いたスペースがあるからと、軽率に配置してしまうと、歩行ロスが生じてしまい、
改悪になってしまうので、注意が必要だ。

次に標準化すべきは「整備基準」である。
簡単な話し、ブレーキのシューやパッドが何ミリになったら、交換、交換お奨め、なのかを
統一していく必要がある。

この整備基準は、意外と統一されていない。
ある会社であったことだが、「良い」か「悪い」かの二者択一的な判断をしている
メカニックがいたことに、その上司は初めて知り、思わず「嘘だろー」と唸っていた。

手順と工具、そして整備基準が標準化できて、初めて作業の標準化が出来たことになる。


問い合わせ先 株式会社ティオ

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整備作業を標準化するー1.標準化の目的と期待効果

2012年10月22日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備作業を標準化するー1.標準化の目的と期待効果、です。

整備工場は、昨今ハイテク整備に感心が強く、HVやEV整備技講習などに
熱心に参加している。

整備工場にとっては、ハイテク整備技術の習得は、死活問題であり絶対に
必要な技術であることは間違いないところだ。

その一方で、疎かになっているのが「生産性」である。
中でも「標準化」は、完全に無視されている。しかし、生産性も整備工場にとっては、
絶対に避けて通れない大きな課題である。

先日もある整備工場に改善指導で調査に行っていたら、ムダの多い作業を
行っていた。

2柱リフトアームの後輪側のアタッチメントを、低いものから高いものに交換が必要になった。
高いアタッチメントを歩数にして20歩ぐらいのところ取に行き、戻ってきたのを見て
ビックリである。

なんと一つだけ持ってきたのだ。
2柱リフトだから、二つ必要にもかかわらず、一つだけ持ってきたのだ。
うーーーん、作業効率など一切考えていない、行動だ。

これでは、生産性などといったことは、教えられていないだろうし、
工場として重視していないことがはっきりとわかる。

整備品質とは、速さと正確さが命である。
それなのに、この工場はそんなことお構いなしの状態なのだ。

そこで、メカニック個人個人の技能に頼るのではなく、会社として
統一した作業方法によって、速さと正確さを確実に提供できる体制つくが必要となる。

フロントから「エンジンオイル交換」と作業指示が来たとする。
貴方は、どのような作業をするだろうか?

1.オイル漏れおよび汚れ確認・点検
2.オイル抜き取り
3.ドレーンパッキン交換、ドレーンナット締め付け
4.新油注入、オイル量確認
5.ドレーン周り&フィラーキャップ周り清掃
6.オイルチェックランプ点灯・消灯確認
7.OBDオイル不具合情報消去
8.エンジン始動確認

メカニックによって、1から8まで行う、1から4までで終わるなど
作業が統一されない。でも、お客さまからは、料金は同じ額を受領する。

同じ整備工場でオイル交換した作業が、同じことにはならない。
得する客もいるし、損する客もいる。これでは、商売としておかしなことになる。

だから「標準化」が必要なのだ。
標準化とは、「凡人が非凡な働きをする」、ある種魔法の杖なのだ。

整備作業を標準化する目的は、「整備品質の均一化」だ。
誰でもが同じ作業が、同じレベルで、同じ時間でできる、これが標準化である。

これによって、作業時間も統一されるので、整備料金も同じ価値になる。
つまり、整備作業を標準化することで、何時でも同じ整備品質を提供できるのだ。


問い合わせ先 株式会社ティオ

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適正整備要員数とはー5.整備要員数と残業の関係

2012年10月05日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、適正整備要員数とはー5.整備要員数と残業の関係、です。

前回と同じように、整備要員を「4人」として固定した場合のもう一つの
方策を考えてみたい。

・年間工賃目標:42,000千円
・基準レバレート:7,000円
・稼働率:65%
・年間休日:115日
・所定内労働時間:8H
と、条件は同じだ。

①42,000千円÷4人=12,000千円(一人当たりの工賃目標)
②12,000千円÷7,000円=1,714H(直接作業時間)
③1,714H÷0.65=2,637H(労働時間)
④2,637Hー2,000H(※1)=637H(残業時間)
⑤637H÷12か月=53H(月間残業時)
⑥53H÷20.8日(※2)=2.5H(一日約2時間30分の残業時間)
※1:365日ー115日=250日  250日×8H=2,000H
※2:250日÷12か月=20.8日

つまり、要素を変えないとすると、残業をしていかないと工賃目標を
達成することができないということになる。

これでは、工賃コストを上げてしまうことになり、経営上は芳しくない
方策と言える。

また、整備要員も年中残業しなければならないことになり、これまたESの観点では
避けたい方策である。

以上のように、適正整備要員数を決めていくのは、「稼働率」が大きな
ポイントになる。

こうしたことからも、工賃目標を立てたならば、稼働率目標も立てて、
その達成のための具体策を推進することだ。

そうでないと、工賃目標達成は難しいことになる。


問い合わせ先 株式会社ティオ

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適正整備要員数とはー4.整備要員と工賃目標の関係

2012年10月04日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、適正整備要員数とはー4.整備要員数と工賃目標の関係、です。

計算によって適正整備要員数を求めたが、実際の整備要員が「4人」とした場合に、
何を変動させて、目標の工賃売上を達成すかを考えてみたい。

前提条件は、以下の通りで同じとする。
・年間工賃目標:42,000千円
・基準レバレート:7,000円
・稼働率:65%
・年間休日:115日
・所定内労働時間:8H

この場合に着目するのは、「基準レバレート」である。
ここを変動させることで、整備要員が4名と決まっている場合の答えは以下の通りだ。

①4人×250日×8H=8,000H(年間の労働時間)・・・・・・・・・・A
②A×0.65=5,200H
(年間の直接作業時間)・・・・・・・・・・・・・・B
③42,000千円÷5,200H=8,077円(基準レバレート)・・・・・・C

約8,000円に基準レバレートを改訂すれば、4人で42,000千円の
工賃目標を達成することが可能と分かる。

このように整備要員が4人と固定されている場合に、工賃目標を達成するには、
他の要素を固定とすると、基準レバレートを改訂しなければならないのだ。

当然だが、稼働率を65%ではなく70%にすれば、基準レバレートは7,500円
となり、500円下げることができる。

あるいは、休日の10日減らして260日の労働日数とすると、
稼働率はそのままとすると、基準レバレートは7,778円となり、約230円ほど
下げることができる。

競争上どうしても基準レバレートを改訂(値上)できない場合は、稼働率を上げるか、
休日を減らすかの方法を取ることになる。

休日を減らすことは、ES(社員満足度)の観点からすると、好ましい選択ではないと思う。
ということになれば、稼働率を上げる方向で、様々な対策を講じなければならない。

稼働率も上げられないときは、「作業効率」を改善することだ。
作業効率とは、標準作業時間い対する実際の作業時間だ。

標準作業時間が1H、実際の作業時間が1Hであれば、作業効率は100%となる。
実際の作業時間が50分であれば、作業効率は120%だ。

例えば、前述の条件で、作業効率が120%として計算すると
①4人×250日×8H=8,000H(年間の労働時間)・・・・・・・・・・A
②A×0.65=5,200H(年間の直接作業時間)・・・・・・・・・・・・・・B
③5,200H×1.2=6,240H・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・C
④42,000千円÷6,240H=6,731円(基準レバレート)・・・
・・・D

標準作業時間よりも20%早く作業することで、レバレートを約16%下げることができる。
だから、作業は早くやることだ。



問い合わせ先 株式会社ティオ

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適正整備要員数とはー3.ポイントは稼働率にあり

2012年10月03日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、適正整備要員数とはー3.ポイントは稼働率にあり、です。

適正整備要員数は、5つの要素によって違ってくるが、一般的に工賃目標と
レバレートは、変動させない。そうなると人数が変わる要素は、残された
3つの要素となる。

また、年間の休日数と所定内労働時間は、基本的に変動させない。
となると、「稼働率」が適正整備要員数を決めるポイントになる。

例えば、稼働率を50%と75%にした場合をシュミレーションしてみると、
50%の場合は以下の通りだ。

①42,000千円÷7,000円=6,000H(必要直接作業時間)
②6,000H÷0.50=12,000H(必要労働時間)
③12,000H÷2,000H(※)=6人(適正整備要員数)

6人ー4.6人=1.4人 となり「1人」多くなってしまう。

次に稼働率75%で計算してみると、次のようになる。

①42,000千円÷7,000円=6,000H(必要直接作業時間)
②6,000H÷0.75=8,000H(必要労働時間)
③8,000H÷2,000H(※)=4人(適正整備要員数)

稼働率が75%で4人、50%で6人となり、稼働率25%の差が適正整備要員で
2人分も差が出来ることになる。

このように、適正整備要員数に大きく差をつけるのが「稼働率」であるので、
稼働率に対しても「目標」を設定する必要があるし、下がらないように管理を
しっかりと行うことだ。


問い合わせ先 株式会社ティオ

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適正整備要員数とはー2.適正整備要員数の求め方

2012年10月02日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、適正整備要員数とはー2.適正整備要員数の求め方、です。

前日の要素を使って「適正整備要員数」を求めることになる。
式は、次の通り。

①年間工賃目標÷基準レバレート=必要直接作業時間・・・・・A
②A÷稼働率目標=必要労働時間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・B
③B÷整備要員あたり労働時間=適正整備要員数・・・・・・・・


例えば、
・年間工賃目標:42,000千円
・基準レバレート:7,000円
・稼働率:65%
・年間休日:115日
・所定内労働時間:8H
としたときの適正整備要員数を計算してみる。

①42,000千円÷7,000円=6,000H(必要直接作業時間)
②6,000H÷0.65=9,231H(必要労働時間)
③9,231H÷2,000H(※)=4.6人(適正整備要員数)

※365日ー115日=250日  250日×8H=2,000H
答えは、「4.6人」となる。

実際は、小数点の人数はあり得ないので、この場合は、四捨五入して5
人として
みることになる。

要素を色々と変化させて、適正整備要員数がどう変化するかシュミレーション
をしてみるといい。

求めた適正整備要員数と実際の整備要員数を比べ、多いか少ないかを見てみること。
多いい場合は、多分に稼働率が65%よりも低いことが考えられる。

少ない場合は、残業時間が相当多いのではないかと思われる。
また、作業効率が非常に高いことではないかと思う。


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適正整備要員数とはー1.整備要員数を左右する要素とは

2012年10月01日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、適正整備要員数とはー1.整備要員数を左右する要素とは、です。

利益が出にくい整備業にあって、人件費の見直しはコスト低減の一環として
経営課題の一つだ。特に、単価が下がっている昨今は、なおさらである。

人件費の見直しは、賃金制度の改訂、雇用の見直し、そして適正人員の
3つがテーマになる。

この中でもあまり手が付けられていないのが「適正要員数」である。
その大きな要因として、整備要員の適正数をどう求めるかがよく分からない、という部分にある。
そこで、整備要員の適正数を求める方法を、一つの考え方として提示する。

整備要員は、仕事量によって左右される部分が大きい。
例えば、年度末の3月はどの整備工場も車検台数が多くなり、猫の手も借りたい忙しさだ。

それを過ぎると、入庫台数も落ち着き、時間に余裕をもって作業が出来る。
このように、仕事量によって適正人数が上下する。

しかし、それでは適正人数を確定することができない。
でもって、年間平均して適正人数を求めることになる。

整備要員の適正人数を求めるために、どのような要素があるかと言えば、以下の通りである。

・工賃目標
・基準レバレート
・稼働率
・年間休日数
・一日の労働時間

の5要素だ。

工賃目標は年間の車検や一般整備など全工賃目標となる。
工賃目標に必要な適正人数を求めることが、「適正」の意味である。

基準レバレートは、本来は経営計画に基づいて求めるが、
地域相場であれ、今現在使っているレバレートだ。
もし、値上げの計画があるのであれば、そのレバレートを使う。

稼働率、これは実数が欲しいところだが、工賃売上から求めた稼働率でもいい。
年間休日数、逆に言えば年間の労働日数である。有給休暇も含めるし、病欠も含めた実数の平均休日数である。

一日の労働時間は、所定内労働時間である。残業しないときの労働時間となる。
残業時間を含めた一日の平均労働時間としてもかまわないが、後で適正残業時間を求めるには相応しくない。

このように、整備要員の適正人数を求めるには、予め以上の5つについて、明確にしておくことだ。
できれば、Excelなどの計算ソフトに必要要素を入れ込んで、自動計算して求めると、要素を自由に変える
事が出来るので、便利である。


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整備作業稼働率を改善するー5.最大のがんは納引きだ

2012年04月13日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備作業稼働率を改善するー5.最大のがんは納引きだ、です。

稼働率を低くしている最大の要因は「納引き」だ。
作業車の引取、完成車の納車などの回送業務である。

どうだろうか、多くの整備工場の場合、整備車両の8割から、多いい工場で9割ぐらいに
なっているのではないだろうか?

この納引きを減らすには、
・入口対策
・納引き対策
の二つがある。

入口対策とは、納引きを減らす対策だ。
先ずは、「では何時取りに行ったらよろしいですか」と言う言葉を、禁句にすること。
「では、何時にご来店いただけますか」と言うべきである。

これは、余談だが代車も同じこと。「では代車を用意します」と、お客さまが代車を要求していないのに、
口癖のように「では代車を・・・・」と、押し売りのように言葉にする。
これも禁句にすることだ。

次に、「特典」によって減らす。
例えば、金額による割引やオイル交換などの半額や無料サービスなどの特典で、来店を促進する。
ある程度の予算を取り、実行するとよい。

売上が減ってしまうという心配もあるが、メカニックが働ける時間が増えれば、逆に売上は増やせる。
また、納引きのコストはオイル4リットルのコストよりも高いはずだ。
であれば、オイル交換無料の方が得になるし、稼働率も上がる一挙両得だ。

もう一つは、逆に有料にすることだ。
有料は、取引ごとに設定する場合と、距離で設定する場合の二つがある。

取引ごととは、車検だったら納引きで幾らとかで料金を決める。
距離の場合は、「~10Km」「10Km~30Km」「30Km~」などのように、3から5段階の
距離範囲で料金を設定するといい。

納引き対策は、引取や納車を効率的に行うこと。
一般的には、一台のクルマを回送してくるのに、サービスカーにメカニックなど2名が乗り、
お客さまのクルマに1名が乗り換えて回送してくる。

この2人で1台とか、3人で2台などの回送効率を、1人で1台回送する方策にすること。
つまり回送効率を1にするのだ。

2人で1台では、回送効率は0.5だ。3人で2台では0.6だ。
これでは効率的とは言えない。

では、どんな方法があるか?
先ずは、自転車かバイクを使う方法だ。自転車で客の家に行き、自転車を置いて客のクルマを回送してくる。
これで、回送効率は1になる。バイクも同じこと。

自転車やバイクの代わりに「タクシー」を使う方法もある。
これは出費を伴うが、タクシー代と回送する者のコストを比べて、判断することだ。

サービスカーに2名乗り、最初の客のガレージにサービスカーを置いて、客のクルマに2名乗って、
次の客の家に行き、もう一台に1名が乗ってくれば、回送効率は1になる。ただし、サービスカーは
使えない状態になる。

回送コストを計算し、外部へ出費する金額と比べて、誰が何を使って回送することが
得策なのかを、求めて方策を決めるといい。

稼働率は、工賃コストを低減させ上でとても重要な指標である。
統計を取り稼働率を把握し、アップのための努力を惜しまないことが、持続可能な経営にい繋がる。


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整備作業稼働率を改善するー4.どうしたら待ち時間を減らせるか

2012年04月12日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備作業稼働率を改善するー4.どうしたら待ち時間を減らせるか、です。

ある整備工場でのことだ。
車検整備に、お客さまが来店された。フロントは、ご来店ありがとうございます、といって代車を出して
帰っていただいたのである。

その後、受入点検の結果、交換が必要な部品が数点出た。
交換の承諾を得るために、担当のメカニックを待たせて、お客さまに連絡を取るが
外出だったために、連絡がつかなかった。

この間6分ほどかかっている。当然、メカニックは「作業待ち」の状態である。
1台で6分かかっている。すべてではないにしても、車検整備のクルマが同じような事であったら、
年間の作業待ち時間は、かなりな量になる。

これが稼働率を下げる原因になっている。
では、どうしたら作業待ち時間を減らせるか、無くせるか。

上記の例であれば、車検予約受けの時に、見積までの時間を告げてお待ちいただくことをすべきだ。
どうしても、待てないということであれば、過去の整備履歴から交換部品を割り出し、概算料金を告げて
事前に了解を取り付けることだ。

ある整備工場で行ったことは、追加料金の判断を、どの程度までだったら連絡しないでも作業を行っていいか
決め実施したら、作業待ち時間は大幅に減らすことができた。

例えば、「〇〇様、基本料金以外に追加整備として5千円まででしたら、こちらの判断で作業を行って
もよろしいでしょうか?」というようなルールにした。

金額は、車種や傷み具合(過去の整備履歴や走行距離など)
などによって
5千円から1万円の範囲とした。

こうしたことは、フロントの仕事になる。
が、何故かこうした先回りをするような仕事をしない。

ちょっとした手間と時間を掛ければ、作業待ちを減らせるし、無くせる。
これは、稼働率のことだけではなく、とどのつまりお客さまへのサービス向上にもなる。

こんなこともあった。
作業完了したメカニックが、フロントに作業完了報告に来て、「次はどのクルマですか?」と聞いたら、
フロントは、「あぁー、ちょっと一服していてよ!」といって、メカニックを待たせたのである。

フロントは、値付けを終えた時点で、「悪い、えーと、次はこのクルマやってよ」といって、作業指示をしたのだ。
この間3分間の作業待ちが発生した。

これも、フロントがお粗末だから起きる作業待ちである。
一日の作業計画を、朝礼前までに組み立てていれば、間髪入れずに「次は、この作業頼むよ。作業時間は60分。
〇時までに完了ね」と、作業指示ができる。

稼働率は現場のこと、フロントに関係ない、と貴社のフロントは考えていないだろうか?
稼働率は、フロントの采配で高くもなり、低くもなる。

つまり、稼働率を左右するのはフロントであることを、フロントに認識させ仕事をさせる
教育が必要なのだ。


問い合わせ先 株式会社ティオ

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整備作業稼働率を改善するー3.不稼働を掴むことが改善のスタート

2012年04月11日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備作業稼働率を改善するー3.不稼働を掴むことが改善のスタート、です。

稼働率を把握するということは、知るということではなく、改善するために把握する。
だから、時間稼働率の計算式さえ分かっているだけでは、改善には繋がりにくい。

具体的に改善するには、何が必要かと言えば、稼働の反対の「不稼働」を掴むことだ。
時間稼働率の求め方を、詳細にすると「(実働労働時間ー不稼働時間)÷実労働時間×100」となる。

不稼働の時間の中身を把握することが、改善になるのだ。
不稼働とは、「間接作業時間」と言われるものである。

大きくは、二つある。
一つは「作業待ち時間」、もう一つが「付帯作業時間(付随的な作業)」だ。

作業待ちには、
・入庫待ち:作業するクルマが無い状態
・指示待ち:フロントからの作業指示を待っている状態
・部品待ち:発注した部品・材料などを待っている状態
・加工待ち:外注仕上がりを待っている状態
がある。

多くは、指示待ちを除いて他の車両の作業に入るので、メカニック単位での
作業待ちは、基本的には発生していないのではないかと思う。

とはいえ、短い時間だが時々、というか結構な頻度で発生している。
短い時間で、ありがちな理由なので、気に留めていないことが多い。
したがって、この作業待ちにも改善するべきである。

作業待ちよりも付帯作業時間が、稼働率を下げる大きな原因である。
仕事ではあるが、直接作業時間にはカウントできない時間だ。

朝から見ていくと、
・朝礼
・会議、教育訓練
・機械工具点検・清掃
・工場内外の清掃
・顧客対応サービス
・納車引取
などだ。

以上のような不稼働にカウントされる項目と時間を把握し、
それらを減らすための対策を講じることが、稼働率向上には必要なことである。

したがって、稼働率の把握とともに、不稼働の中身についても集計し、
具体的な対策を行うことだ。


問い合わせ先 株式会社ティオ

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整備作業稼働率を改善するー2.二つある稼働率の求め方

2012年04月10日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備作業稼働率を改善するー2.二つある稼働率の求め方、です。

稼働率は、実労働時間に対する整備作業時間(直接作業時間)の割合だ。
稼働率を求めるには、「時間」で求めるのが一般的である。

計算式は、「直接作業時間÷実労働時間×100」だ。
この計算式で、やっかいなのが「直接作業時間」である。

まず、どの労働からカウントを開始するべきかのルールが必要になる。
私は、作業指示書がメカニックに渡った時点と捉えている。

では、作業の終了はどのタイミングなのか。
これは、作業がすべて完了し、走行して不都合がないかを確認し、行った作業を
作業指示書に書き終えた時点だ。

この間に、トイレ休憩や一服休憩なども含めてカウントする。
あるいは、作業打ち合わせ、車両の搬入搬出、資料調べなども含む。

多少の誤差があるかもしれないが、私は、フロントから作業指示書を渡した時に、
作業指示書に時刻を記入させる。その作業指示書がメカニックからフロントに戻された時の時刻を記入し、
差し引きで直接作業時間とさせている。

実労働時間は、拘束時間から就業規則の休憩時間(昼食休憩など)を引いた時間を、実労働時間
としている。残業を行えば、その時間も含めて実労働時間になる。

このように、直接作業時間を把握するには手間がかかる。
そこで、もっと簡便に稼働率を求める式がある。

それが、工賃稼働率だ。
まず分母を求める。一日の場合は、「メカニック数×実労働時間×レバレート」となる。一か月であれば、
さらに稼働日数を加えて分母を求める。分子は、本日の工賃売上となる。ただし、値引き前の売上だ。

分母で求めているのは、稼働率が100%の時の工賃売上である。
100%稼働した時の工賃売上に対して、実際の工賃売上の割合を見れば、稼働率が求められる。

この計算式であれば、時間稼働率よりも手間はかからない。
この計算場合注意が必要になる。それは、車検の基本点検料は基本的にレバレートで計算していない
場合は、車検だけは、車検だけでの工賃稼働率を求める方が、より正確な稼働率が求められる。

しかし、工賃稼働率は「ザックリ」した稼働率を見ているので、私は、車検工賃も一緒に混ぜて
計算してもいいと思っているし、実際のそのようにしている。


問い合わせ先 株式会社ティオ

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整備作業稼働率を改善するー1.稼働率とレバレートの関係

2012年04月09日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備作業稼働率を改善するー1.稼働率とレバレートの関係、です。

自動車整備の生産性を判断する指標に「作業効率」と「稼働率」があることは、ご承知の通り。
作業効率は、実作業時間を標準作業時間と比べて、とれだけ短時間で完了したかをみるものだ。

一方の稼働率は、実労働時間に占める実際の整備作業時間(直接作業時間)の割合をみるものだ。
仮に実働8時間、直接作業時間4時間であれば稼働率は50%になる。

働いていた時間に対する直接作業時間だから、作業に携わっていた時間と言うことになる。
旅館などでは、客室稼働率とか定員稼働率などとして、稼働率で客室や定員の埋まり具合などを見ている。

普段整備作業している時に、稼働率がどれくらいかを、気にしながら行っていないのではないかと思う。
しかし、
この稼働率は、直接作業時間の割合を見るだけではなく、
コストをどれだけ吸収したかを見る上でも、とても大事な指標である。

整備工場は、お客さまに仕事の対価を請求する場合、レバレートを用いる。
このレバレートは、直接作業1時間当たりの請求単価である。

このレバレートを設定するときに、直接作業時時間で決める。
直接作業時間が3時間と5時間では、工賃コストは3時間よりも5時間の方が小さな値になる。

単純な話し、20万円の賃金の場合、直接作業時間が3時間であれば、直接作業時間当たり賃金(コスト)は
6.7万円になる。5時間だったら4万円だ。

稼働率が高いということは、直接作業時間が長いということである。
直接作業時間が長いということは、工賃売上が上がっているということだけではなく、
コストを低減しているともいえるのだ。だから、稼働率は高ければ高いほどよいことになる。

稼働率を高めることは、売上とコストの両方に良い効果を与えることになる。
だから、自社の稼働率をしっかりと把握し、改善の努力を怠らないことが、持続可能な経営の
大きな要件なのだ。


問い合わせ先 株式会社ティオ

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