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車検を短時間で行う工夫-1.作業環境を整える

2011年11月21日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、車検を短時間で行う工夫ー1.作業環境を整える、です。

ある中規模の整備工場から短時間車検整備を見直したい、という依頼を受けて
工場にお邪魔した。ひとしきり責任者の方にお話を聞いた上で、工場を見させてもらった。

ある期間車検チェーン店のFC店であったということで、それなりの作業環境や作業手順が
出来ているのかと思いつつ、工場内に入っていった。

比較的整理整頓は出来ているが、点数にして70点程度と見た。
この工場は、乗用車系の車検は3名のメカニックが担当している。

その3名のメカニックのキャディーを覗いたところ、デップスゲージを持っていない。
さらに見てみると、点検ハンマー、トルクレンチを持っていない。
これらの工具及び計測器は必需品である。にもかかわらず持っていないのだ。

一人のメカニックに、タイヤの溝やブレーキパッド・シューの厚みはどうやって
測っているかを聞いたところ「今までの経験を踏まえて、手の感覚で測る」という。
私は思わず「エッーーー」と叫んでしまった。

1mmの誤差を判断するほど繊細な手の感覚を、持っているのだろうか?
実際に計ってみたら、かなりの差が出た。

ウエスも積んでいない。
オイルの量や汚れ具合を見るのにウエスを使わないかと聞いたら、軍手を使っているという。
この工場は、軍手は使い捨てで、捨てる前の汚れた軍手をウエス代わりに使っているという。
これって、変な意味で合理的だ。本来の姿ではない。

ハンドツールは、よく見かけるキャディーに数多く搭載されている。
車検中心で作業しているメカニックであれば、車検専用の工具を持つべきである。
その工具を専用キャディーに搭載し、キャディーを一緒に引き回しながら作業すべきである。

工場全体を見回したところ、車検パーツは工場内に置かれていたが、エンジンオイルは
工場の裏手にある「油脂庫」に置かれている。メカニックは、オイル交換の場合、油脂庫まで
約30m(片道)歩いてオイルジョッキに入れて持ってくる。雨の日は濡れることもある。

車検パーツを工場内においているのであれば、液油脂類も同様にすべきだ。
ほんのちょっとした工夫で、作業効率も上がるのに、だれも提案をしない。

クルマを駐車場から作業ストールに入れるには、駐車場前でクルマを回転させてバックで
リフトに乗り込む。リフトの設置を前から乗り込むように設置していれば、駐車場から
そのまま乗り込むことができるが、そこまで考えてリフトを設置していない。

このように、短時間車検を行うための「舞台作り」において、創意工夫が出来ていない。
短時間車検を行うための工場内のレイアウトや、各種機器などの配置を、見直す必要がある。

ポイントは、身近に、工程を少なくである。
そのために、何を、どこに、どのように、を考えて舞台を整えること。


株式会社ティオ
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