おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、バリューチェーンに何が必要か?-4.個客属性を豊富に掴み提案すること、です。
さて、バリューチェーンの受け入れ態勢が整ったら、次に必要なのは「実取引」だ。
実際に付加価値を連鎖させることだ。
そのためには、闇雲に「これいかがですか}と、単刀直入に勧めても買ってはもらえない。
お客が欲しがりそうなもの、欲しがっているものを、タイミングよく勧めてこそ、成約率が高くなる。
では何が必要か?
それは、個客の属性だ。これは、CSとも関連が深い。
クルマの使い方、走行距離数、日常点検の有無・頻度、クルマ購入先・支払方法、代替サイクル、
オイルのグレード・交換サイクル、保険の内容、クルマへのこだわりなどのクルマに関すること。
それに加えて、趣味、嗜好、家族構成、保有車両、好きな色、好きな音楽、良く出かけるドライブ先、
誕生年月日など本人に関すること。
ネッツトヨタ南国では、コーヒーに砂糖・ミルクを使うか、子供の好きな飲み物なども情報として
持っていると聞く。
こうした個客の属性を踏まえて、オイル交換や点検、保険の提案をしていくのだ。
「時期が来たから」といった「画一的」な案内ではなく、その客に一番マッチした「提案」をおこなうことだ。
例えば、保険更新時に損保会社がコンピュータで作る「お勧め保険内容」ではなく、持っている情報から、
オリジナルな「保険内容」を見積もってベストマッチな提案書を作ることだ。
そうすれば、もっと丁寧で迫力あるセールスるができる。
「前回の内容でいいですかー」などと、今日入社したパートやバイトでもできる勧めかたでは、
付加価値は連鎖できない。
こうした誰でもできるセールスというのは、個客属性が当たり前の項目しか掴めてないからだ。
掴めていても生かす仕組みが出来ていないからである。
ある研修会の受講生に、「ラベリング」って知っていますかー?と質問した。
多くの受講生が「?????」の状態である。
ラベリング制度がスタートしたのは、今から3年前の2000年1月である。
3年もたっても未だに、知らない方が大勢いる。これで整備のプロなのかと思うぐらいだ。
ということは、お客にタイヤを勧めるのは「値段」だけのことになる。
「安いの頼むよー」というのに対して、「安い」タイヤを選んで「〇〇円なります。とっても安いですよー」
と、値段を強調して、満足頂いたと勘違いしているのだ。
エコカーには「省燃費タイヤ」がベストマッチである。
しかし販売側が「省燃費タイヤ」がどれかを分かっていない。
省燃費タイヤでない場合は、空気圧調整をまめにしても燃費が悪くなることもある。
これでは、安いが仇になってしまいかねない。
だから、自動車に関する知識をしっかり持って、お客の属性等にマッチした商品やサービスを
提案し、納得して購入をいただくことだ。
それがバリューチェーンをスムースに回すポイントだ。
By 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、バリューチェーンに何が必要か?-3.相談できる知識と技能があること、です。
さて、受け入れ態勢が整っても、それぞれの商品に対して「信頼」が無いと、連鎖は進んでいかない。
つまり、お客は購入してくれないのだ。
信頼していただくには、「相談」に乗れることだ。
どんな小さなことでも、難しいことでも気軽に相談できることがとっても大事である。
こんなデータがある。
「クルマ購入店に愛着が深まる条件として重要なポイント」というアンケート調査で、
「気軽に何でも相談できる」という回答が、二番目になっているのだ。
因みに一位は「担当スタッフとの人的なつながり・信頼感」、三位が「緊急時の迅速・誠実な対応力」
となっていた。
第二位の「気軽に何でも相談」は、単に相談窓口を設ければ済む問題ではない。
こんなこと聞きにくいなー、と思わせない仕掛けが必要だ。
例えば「エンジンオイルはナゼ交換するのか?」などといった事が、お客の相談事の大半だ。
つまり、お客目線の「ナゼ」といった疑問に丁寧に応えていく、担当者の「姿勢」がなによりも大事。
そうした日頃のコミュニケーションがあって、「何でも相談」ができるようになる。
だから、お客と「知り合いに」なることが不可欠なのだ。
そして、相談されたことについては、即答できるようにしておくことだ。
少なくても「知識」だけは幅広く持つことが要求される。
深くということについては、それぞれの部門の担当者にカバーして貰えば済むことだ。
「エー、それは専門外で分かりかねます」といった、不安を与えるようなことでは失格だ。
少なくても「自動車」に関することは、即答できるようにしておく必要がある。
そして、技能についても同様だ。
知識や技能は、自分で経験すると身に着く。
私ごとだが、登山グッズを購入する際に、頼りにするのは店員である。
その店員の説明で「これ、私も使っています。その使い心地は・・・・」と説明されると、
納得してついつい手が伸びてしまう。
商品に書かれていることを、オーム返しのように伝えるだけではなく、
効能は勿論だが「注意点」「弱点」なども、添えて説明したりすることだ。
By 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、バリューチェーンに何が必要か?-2.受け入れ態勢が出来ていること、です。
バリューチェーンが成り立つ最初の要件は「受け入れ態勢ができている」ことだ。
受入体制とは、付加価値を上げるための「品揃え」のことだ。
品揃えと機能を有することは別である。
品揃えが必要というと、当社は敷地も狭いし、それ以上に鈑金工場を建設する資金がない。
あるいは、機械設備を整える余裕や、作業などの仕事をこなす人材がいないからムリ。
という声が上がり、初めから諦めてしまう方がいるが、全てを自前で揃える必要などない。
「窓口」でもいいのだ。
それは、本業さえしっかりといてさえすれば、後の付加価値は「窓口」扱いとし、
提携店や工場を持てばいいのである。
理想的には、同じ敷地に整備・車体工場、中古車展示場、用品陳列、保険相談カウンター
など全てが揃って、ワンストップショッピングができることだが、できなれれば、方法はいくらでもある。
手っ取り早いのが「受付窓口」を設け、お客からの依頼に対応することだ。
商品の責任は、全て自社で持って販売をする。
あるいは、少し面倒で時間や資金がいるが、個々のプロを呼び集めて「モール化」することで、
品揃えをすることもできる。
この場合は、個々の会社が持っている個客は「共有」すること。
そして受付窓口は一本化することだ。ただ単にそれぞれの会社が集まるだけでは、意味が薄れる。
運命共同体的な運営をしてこそ、バリューチェーンは成功するのだ。
それは、お客目線で考えればわかることだ。
何か別な依頼をするのに、イチイチその会社に出向き、依頼する。
こんな面倒なことはない。同じ受付担当者に依頼する方が、気が楽だし、依頼しやすい。
いずれにしても、モール化する場合は、あたかも一社が全ての機能を有しているように、
見せることが何よりも大事なことである。
By 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、バリューチェーンに何が必要か?-1.成功のための1つの前提&5つの要件、です。
カーアフター業界がこぞって目指しているのが「バリューチェーン」である。
クルマにまつわる「付加価値を連鎖していく」、という戦略である。
バリューチェーンの狙いを、本業の売上であり利益の落ち込みを、他の付加価値でカバーする。
といった解釈をしている方が、沢山いる。
間違ってはいないが、正しい解釈とはいえない。
他の付加価値で売上や利益をカバーするというのは、結果的にそうなることで、目的ではない。
バリューチェーンの目的は、本業をフォローするためのモノだ。
バリューチェーンというと、すぐに新車ディーラーが頭に浮かぶと思う。
新車ディーラーが新車販売が芳しくないから、サービスや中古車などの他の付加価値で、
新車の落ち込みをカバーするために、バリューチェーンを推進しているのではない。
落ち込み分をカバーしているのは、結果なのだ。
目的は、新車の台数を増やすこと。つまり、シェアを上げるために、
一度取り引きしたお客さまを繋ぎ止めていくために、サービスの入庫を増やす。
あるいは、中古車で新しいお客を増やしているのだ。
そうしながら自社代替のチャンスを逃さないために、バリューチェーンを推進しているのだ。
つまり、サービス取引や保険取引というのは、お客さまを固定化するための「フック」なのだ。
取引アイテムが増えることで、フックの数が増える。
つまり、固定化率が高まるということである。
では、そのために何が必要なのか。
私は、「一つの前提&5つの要件」があると思っている。
一つの前提とは「CS」だ。
CS、顧客満足が高くないと、付加価値の連鎖、つまり次の販売のチャンスはなくなってしまう。
今の取引のCS。次の取引までのCSが高くないと、お客は他店に行ってしまうか、
次の商品はノーサンキューとなってしまう。扱い商品を増やすことが前提ではない。
5つの要件とは、
1.受け入れ態勢が出来ていること
2.相談できる知識と技能があること
3.個客属性を豊富に掴んでいること
4.個客属性を活かした提案があること
5.ショップに個性があること
この5つの要件が揃って初めて、バリューチェーンが回っていくことになる。
この5つについては、次回以降で解説していく。
By 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、ティオの「CS五訓」-5.CSはお持て成しで高まる、です。
三献の茶、石田 三成の逸話で最も有名なのが、この逸話でご存知の方多いいと思う。
長浜駅(滋賀県)前には、この三献茶に因んだ三成と秀吉の像もある。
長浜城主となった秀吉は、ある日、領内で鷹狩をしていた。
その帰途、喉の乾きを覚えて、ある寺に立ち寄って茶を所望した。
対応した寺の小姓は、
1.まず最初に大ぶりの茶碗にぬるめの茶を一杯に入れて出した。
喉の乾いていた秀吉は、それを一気に飲み干したあと、もう一杯たのんだ。
2.次に小姓は、やや小さめの碗に、やや熱めにした茶をだした。
秀吉が試みにもう一杯所望したところ、
3.今度は小ぶりの碗に熱く点てた茶を出した。
相手の様子を見て、その欲するものを出す、この心働きに感じいった秀吉は、その小姓を城に連れて帰り家来とした。
この小姓が、五奉行の一人「石田 三成」となったのである。
喉の乾いている相手に、まずは飲みやすい温めの茶をたっぷり出し、
渇きが癒えた後は熱い茶で「茶を味わってもらう」。
この逸話は気配りの進めとして、広く語られているが、私はこれこそが「お持て成し」の好事例と思っている。
お茶の美味しい温度が煎茶の場合80℃だからと言って、どんな状況の時でも80℃のお茶を出すのは「サービス」だ。
しかし、その時の状況によって、お茶の温度と量を加減して出すのが「お持て成し」だ。
つまり、相手のその時の状態や欲求の背景を察し、もっとも相応しいお茶の温度と量を加減する。
この気遣いというは配慮が「お持て成し」である。
だから、お客さまが入店してきたら「いらっしゃいませ」と挨拶するだけではなく、
贔屓客でだったら「〇〇様、いらっしゃいませ」と挨拶し、その後に「今日はオイル交換ですか」と、
来店意向を先回りして尋ねる。これがお持て成しになる。
サービスレベルの接客やDMを出していては、CSは高まらない。
ゼヒ、このことを理解いただきたい。
By 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、ティオの「CS五訓」-4.CSは理念化してこそ本物になる、です。
CSは、CSスコアーを付けない限り数値などの「定量」で表すことが難し。
だから、CSの結果が「売上」という関連付けが出来にくい。
こうしたことが原因で、CSは「キャンペーン」になりがちだ。
今月は「挨拶向上月間」とかで、スローガンを掲げて、取り組むことになる。
月間が終了すると、挨拶は元の状態に戻ってしまう。
こうしたことの繰り返しで、少しずつレベルアップはされていくが、
時間の経過とともに、意識も行動も薄れてしまう。
そうならないためには、CSをキャンペーンにしてはならないのだ。
理念化しなくてはならない。
車検台数や車販台数の目標を掲げるが、CSの目標が掲げられているだろうか?
社是や経営理念に「顧客第一主義」などといった言葉を見かけるが、実際の仕事はどうだろうか?
担当者や会社の都合が優先されてないだろうか?
あるいは、台数が優先されていないだろうか?
理念化とは、仕事一つ一つが、お客さまにとって必要だろうか?役に立っているだろうか?
あるいは、喜んでいただいているだろうか?といった視点で行われることだ。
理念をコトバンクなどの辞書で見てみると、
理念: ある物事についての、こうあるべきだという根本の考え。
と、ある。
理念化とは、台数実績は、CSの結果と捉えること。
つまり、仕事はCSが一番大事だという「価値観」と「目標意識」を持つことが理念化である。
だから、実績反省会で台数目標達成率について、云々する前にCS状況について、
議論し新しい課題を見出していく。
この活動を通じて、社員がCSを理念化してこそ、CSが本物になる。
By 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、ティオの「CS五訓」-3.CSは顧客目線の改善活動だ、です。
では、サービスを良くするにはどうするか?
不満になることを列挙させるといい。
例えば、接客時に「不満」や「不愉快」になることとはどんなことなのか?
どんな態度なのか?どんな表情なのか?どんな仕草なのか、どんな挨拶なのか?
このような事を、社員に列挙させ、その上でそれを無くすために何が必要かを考えさせ、
その答えを全員で行うように、毎日トレーニングを積むこと。
あるいは、自分が不満や不愉快になった経験を出さすことでもいい。
出させたら、どうして欲しかったを一緒に出してもらう。
これらを全社員で共有し、今日の不満・不愉快行動の反省を、朝礼で各自に
発表して貰うようにして、意識付けをすること。
でもって、その効果を測定することだ。
以前よりも不満の客が減ったかどうか?このスコアーを見ずしてCSは高まっていかない。
その意味では、CSは改善活動なのだ。
しかも、顧客目線で改善する。これがCSなのだ。
お客からの「不満」や「不便」「不快」などから、自社の改善課題をピックアップし、
その原因を究明し、対策に纏めて改善されたアクションを展開する。
このサイクルが途切れたら、CSはそこで停滞してしまう。
下手をすれば、低下してしまう。
そうならないためにも「CSスコアー」を定期的に把握することだ。
By 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、ティオの「整備業CS五訓」-2.CSはまず不満を作らないことだ、です。
CSの指導を長年してきて、最近気づいたのが「CS=笑顔で接客」ではない、ということだ。
今さら、と皆様に笑われるかもしれないが、最近このことに気付いたのだ。
笑顔で接客しないと、客は「この店員、冷たい人だ」と、嫌な感じをもち「不愉快=不満」になる。
だから、笑顔で接客すれば、客は「感じのいい店員だ」と、「好感、好印象」となる。
しかし、よく考えてみれば、笑顔で接客すれば「好感や好印象」を、持ってもらえるが「満足」という
領域にはならない。
こうした笑顔で接客などのことを、一般的には「サービス」と呼んでいる。
あそこのお店サービス良いよねー、などと日常的に「サービス」という言葉が使われている。
このサービスを忘れる、雑な接客だと、不満になるが、忘れない、丁寧に接客しても満足にはならない。
つまり、サービスは「満足度要因」ではなく「不満足要因」なのだ。
では、満足要因は何か?
それは「お持て成し」だ。
お持て成しとは、差別的な応対、個別的な応対をすることである。
簡単な例えだ言えば、来店時の一般的な挨拶は「いらっしゃいませ」だが、
お持て成しでは「〇〇様、いらっしゃいませ。2月の連休に趣味のスキーに行かれましたか?」
と接客する。
あるいは、「お飲み物は何がよろしいですか」と聞くのではなく、
「〇〇様、お飲み物はいつもの渋めの日本茶でよろしいですか」と、接客する。
接客などのサービスに「差」を付けるのだ。
しかも、さり気なくである。
曰く、感動的なサービスであるからこそ、予想や期待以上のものとなる。
これが「満足」や「優越感」になるのだ。
この満足や優越感は、不満がないところから生まれる。
そうしてみると、満足頂く前に、まず「サービス」を徹底して、不満を作らないことだ。
これが、CSにとってとても大事なことである。
By 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、ティオの「整備業CS五訓」-1.CSは明日の売上を左右する、です。
顧客満足=CS、がますます重みを増している。
その理由は、バリューチェーンという付加価値を連鎖し、生涯取引をするためである。
車検だけのお取引のお客に、保険も用品も取引をいただくことで、経営を安定化させ、
発展させていくというのがバリューチェーンの基本的なスタンスだ。
付加価値商品を品揃えし、社内の態勢を整えてみても、車検時のCSが低ければ、
保険や用品などの販売は出来ない。
取引の瞬間や、その後のフォロー時のCSが、次の取引を大きく左右することになる。
ティオが整備工場4社の協力をいただき、CSアンケート調査を行った。
ソフトCSとハードCSについて、CSと次回車検依頼意向の関係では、
ソフトCSが「非常に良い」と回答した客の46.5%が「必ず依頼する」とした。
「依頼する」は43.5%で、合計すると90%の客が「依頼する」と回答している。
逆に「非常に悪い」と回答した客は、「必ず依頼する」が0%であった。
「依頼する」が33.3%となり、大きな開きが出た。
ハードCSもほぼ同じ結果であった。
このCSアンケート結果の通り、CSは次回以降の取引意向を左右するのだ。
つまり、CSは「売り上げに直結する」のである。
この事を頭で理解しているだけではなく、アクションに移さないと効果はない。
その意味で、経営者はじめ全社員が「CSを制する会社が生き残れる」という
認識と、それに必要なアクションを取ることだ。
CSが高ければ価格競争にも巻き込まれにくくなるし、リピート率もアップする。
チラシや広告宣伝で集客することも大切だが、それ以前のCSへの取り組みレベルを上げることだ。
でないと、集客した客が「悪評」をまき散らすスピーカーになってしまい、
何のために集客に手間暇、費用を掛けたか意味が分からなくなってしまう。
そうならないためにも、CSの意味と効果を周知徹底させることだ。
By 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、車検整備のCS向上対策ー4.商品としての車検整備を行う、です。
車検とは、一言で言えば「保安基準に合格させること」になる。
これは、国が定めた定義であって、整備工場で販売している「商品」ではない。
商品で言えば、「ニーズに基づいて安全に走行できるように整備する」ことだ。
したがって良否判定をするだけではなく、ナゼ良否と判定したのかを、分かり易く丁寧に説明することだ。
否と判定した場合であっても「基準以下ですから」と切り捨てたような言い方ではなく、
ナゼという部分と、今後どうすべきかを解説することだ。
例えば、タイヤが1.7mm以下であれば保安基準から外れるので、当然交換ということになる。
交換を単純なことで、流していないだろうか?
タイヤのプロは、溝の減り方を見て運転の癖を見抜き、どのようなタイヤがベストなのか。
あるいは、アライメントの調整を勧める。場合によっては、運転の仕方の指導も行うという。
オイルのプロは、エンジンの性格によってオイルの種類を選択し提案するという。
このように、保安基準のための車検ではなく、商品としての車検整備を行うことだ。
そのためには、各部の状態の損耗度、とその後のメンテナンスの時期や整備方法を明確に伝える。
加えて、OBDの機能点検も行うことだ。
安心して走行するためには、センサーやコンピュータの機能が正常であるかを、確認し伝えることが必要である。
そのためには、2年に一度の車検時に確認することが、安心という商品に必要な事である。
チェックランプがついてから診断や点検しても、遅いのだ。
商品だから、常にお客本位で提供しなければならない。
とにかく勧めること。これが無くてはならない。
買うか買わないかは、基本的にお客が判断することだ。
整備工場は、お客が間違った判断をしないように、正しい情報提供とアドバイスをすることだ。
商品としての車検整備、これがCSには欠かせない。
By 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、車検整備のCS向上対策ー3.サービスを見せる、です。
車検整備時に、バッテリー液やウォッシャ液、あるいは冷却水などを補充しても、
無料サービスの場合は、納品請求書に「補充」とは記載しない。
また、足マットの洗浄、内装の拭き掃除なども同様の扱いになる。
あるいは、タイヤの空気圧調整などもそのたぐいだ。
これらについて納車の際に、無料サービスで行った旨の説明をしていると思うが、
お客は右から左で、印象に残っていない。
あるいは、当たり前のサービスとしか捉えていないこともある。
折角のサービスも、これでは気持ちが伝わらず意味が半減してしまう。
そこで提案だが、無料サービスを見えるようにするのだ。
どうするかと言えば、液油脂類項目や足マット、タイヤ空気圧調整などを印刷した短冊状の用紙を用意する。
この用紙に、実施した項目を丸で囲むかチェックを付けるようにする。
実施年月日や担当者名なども書けるようにしておくとなおよい。
出来上がった用紙を、さり気なくルームミラーかシガーライターに吊るしておく。
そして納車時にお客が室内に入ったら、用紙の説明をするのだ。
このように、無料サービスだから何も伝えないというのではなく、むしろ分かるような状態にして
お客にアピールすることだ。
印象に残る演出が必要である。
こうしたところから価格競争に巻き込まれない、独自のサービスや品揃えで差別化を図ること。
気が利くサービス、これを合言葉とし、それをできる限り「見える化」する。
それが選ばれる第一歩になるのではないだろうか。
By 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、車検整備のCS向上対策ー2.特性に対応した提案。
車検は「早い」「確実」「安い」の三拍子そろっていることが大事だ。
しかし、そればかりを追求していては、誰にでも同じ車検となってしまう。
三拍子そろっていることは、ある意味当たり前のことで、客はそれ以外の事を
心の奥底で思っている。
それが、貴方にピッタリの車検、ということだ。
つまり、お客の特性である、用途、走行距離数、年式、代替サイクル、乗り方、維持管理の知識、
家族構成などから、最適な整備提案をすることだ。
そう「オーダーメード車検」を作ることだ。
走りに拘っているのであれば、ワンランク上のパーツや油脂を薦める。
そうでない場合は、次回点検又は車検まで、メンテナンスフリーの車検を提案する。
こうしたお客の特性を最大限考慮して、貴方にピッタリの車検整備を行うことだ。
何も、安いだけが受入られるのではない。
安さとは、同じ整備内容だったら、他店よりも「安い」が良いだけであって、
単純に金額の低さを望んでいるわけではない。
特性に応じた整備内容であれば、結果それは「安い車検」になるのだ。
この点を、はき違えている担当者が多くいる。
特性を掴むには、日頃のクルマの損耗度や代替の期間などの情報を収集すること。
そのためには、フロントや営業マンに趣旨をしっかりと理解させ、日常のコンタクトなどから
情報収集を積極的に行わせることだ。
情報の数が、ベストマッチの提案内容を作る素になる。
客一人一人の特性をしっかりと把握する。これが今一番求められていることだ。
By 株式会社ティオ
おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、車検整備のCS向上対策ー1.分かる車検、です。
Tioが整備工場4社の協力を得て「CSアンケート調査」を数年前に実施した。
CSは「ソフトCS」と「ハードCS」があり、その満足度が次回車検入庫意向に影響するかを探った。
当然であるが、満足した客は「必ず受ける」とした割合がソフトCSで46.5%、ハードCSで48.8%となった。
逆に不満だった客の「必ず受ける」とした割合は、それぞれ「0%」であった。
このように、CSは間違いなく売上に直結する大きな要因ということだ。
したがって、CSを単にキャンペーンに終わらせるのではなく、経営理念として追い求めていかなければならない。
で、車検時のCSをどうしたら高められるか?
先ずは、サービス的な部分で「マイナス評価」を受けないことだ。そのためにも、接客応対などの基本的なサービスを
そつなくパフォーマンスできるトレーニングを積むことと、マインドを持たせることだ。
その上で、お客から見た時に「分かる車検」を提供することだ。
分かるとは、料金の明確さ、明解な説明、見て納得の仕組みだ。
この3つの要件は、連動している。
だから車検整備は基本、「立会い」にすべきである。立会いにすることで「見て納得」「明確な料金」
「明解な説明」が実現できる。
立会い車検などというと、「安売り車検」と誤解する方がいるが、そうではない。
立会いとは、お客さまの「納得性」や「意外性」に応えることができる車検提供の姿だ。
長年の取引があると「すべてお任せ」ということで、細かい説明などを省いてしまうことがままある。
これは、信頼してもらっている、という整備工場側の思い込みからくるのだが、全ての客がそうではない。
面倒くさいからとか、今まで何事も無かったから、などといった消極的「お任せ」といった
依頼をされている方もいる。
こうした客も含め車検のCSを高めるには、「分かる車検」つまり、立会い車検を実施することだ。
どうしても出来ないということであれば、見積もり時のみ立会いをいただくこと。
それでもできないでのあれば、車検整備作業をビデオや写真に撮って、
立会い代わりに、結果を見てもらうことだ。
立会い車検は、整備工場側の都合から出てきた仕組みではあるが、
それは、客にニーズでもあったわけだ。
By 株式会社ティオ