今年もトレイルストアをご利用いただき、一緒にライドしていただき、本当にありがとうございました。あらためて心からお礼を申し上げます。


 BMXの頃からの仲間のTACOSから連絡があって、BMXそしてマウンテンバイクの仲間であった下村タクミ(2020年8月に永眠)の実家に僕が乗っていて下村に譲ったマウンテンバイクがあるからということで約40年ぶりに戻ってきた。

 ボロボロな状態だけれどほぼ当時のままのパーツでフレームもそのまま。

 BMXにぞっこんだった僕にとって当時のマウンテンバイクはオッサンの乗り物であって乗ろうとも思わなかったのだけれど、やはりBMX仲間だった山本シュージや泰ちゃん兄弟がマウンテンバイクに乗り始めていて「今度マウンテンバイクのツーリングあるから来ない?」と誘われて狭山湖の里山に行ったのが個人的なマウンテンバイクの最初。

 その時はシュージだったか泰ちゃんが持っていたマングースの26インチBMXに変速を取り付けたバイクを借してもらった。

 ローカルの小島くんの案内のもと、各地から集まったたしか10人ぐらいのグループに混ざってトレイルライドというものを始めて体験した。

 BMXではレースを中心にフリースタイルなどジャンルにとらわれずにいろいろな遊び方をしていたけれど、決められたコースを走ることが多かったBMXに比べ、マウンテンバイクでのトレイルライドは自分でルートを決め、経験したことのない斜度の登りや下りを進み、常に路面状況と景色が変わっていく光景に目からウロコがボロボロと落ち始め、その日にはマウンテンバイクのトリコになっていた。

 僕の通っていた世田谷区立城山小学校は3年生まで自転車禁止。4年生からは乗ってもいいけれど学区内のみというルールがあり僕の自転車のスタートは4年生からだったのだけれど、初めてまともに乗れるようになったとき「これがあればどこまででも行ける!」という感動は今でも忘れていない。
 そしてそれとまったく同じ感動をそのマウンテンバイクのデビュー日に味わってしまったのだ。

 そのあとすぐに当時BMXでお世話になっていた伝説のBMX/マウンテンバイクプロショップ「ワイルドキャット」の平木さんに相談して、平木さんが乗っていたクワハラのマウンテンバイクのフレームを譲ってもらえることになり、パーツをかき集めて組み上げたのがこのバイク。

 僕のマウンテンバイクライフのスタートのバイクです。もう、毎週末に山にバカになって乗りに行ってた。

 初めて自転車に乗れた時のことがよみがえった狭山湖で体験した感動を表現したいためにこのバイクに「TOKYO子供CLUB」という名前を付け、カッティングシートで自作したロゴをシートチューブに貼り付け乗り回しました。そのロゴも当時のままだった。
 

 バイクや環境は変わったけれど僕のベースにあるその感動は当時のまま。永遠の小学生です。

 バイク(ギア)やフィールドはもちろん大切。でも一番みなさんに味わってほしいのは体験と感動です。

 目からウロコがボロボロと落ちるような体験と感動を味わってもらえるようにこれからもバックアップ、そして進みたいと思います。

 よい年をお迎えください。