1988年だったかのアメリカのマンモスマウンテンで開催されたNORBA主催の世界選手権の会場で、MIYATAのグレッグ・ヘルボルトがROCKSHOXのプロトタイプのフォークを装着しているのを見て、うわーヤバいなあ、サスペンションの時代がくるのかあ。と感動。

 1989年の秋に開催された日本のレースに当時フィッシャーマウンテンバイクスのライダーだったサラ・バランタインが来日した時に乗っていたバイクに製品化されたROCKSHOXが取り付けられていて、ついに来たか!と。

 そのあと国内でも販売されるやいなや早速買いましたよ。

 マウンテンバイクのサスペンションフォークの幕開けモデルのROCKSHOX。

 当時はサスペンションフォークの構造も仕組みもよく理解しておらず、「走りが滑らか~!振動来ない~!」などというだけのわかった風の感動と目新しさで乗り回してました。

 その頃のマウンテンバイクのフレームといえばクロモリが主流で、アルミフレームも少しづつ増えてきた時代だった。当然リジッドフォークの装着を想定したフレームジオメトリーだったので、サスペンションフォークを入れることでヘッドアングルが寝ちゃうという副作用もあったけれどそんなことは気にしませんでした。

 そのしばらく後にMANITOU(マニトウ)が参入しROCKSHOXよりも軽い!がウリの手作り感満載のフォークを登場させて、当時のスーパースターだったジョン・トマックが「(ライバルの)ネッドには使わせるな」と言ったとか言わないとかで、トマックが使っていてめちゃくちゃかっこよくて、こちらも発売されるやいなや買いました。ミーハーなので。

 ROCKSHOXがオイルダンパー、エアスプリング(だったと思う)、マニトウはエラストマー(ウレタン)ダンパーというシンプルな構造。ROCKSHOXはエアを入れるたびにオイル噴き出したし、マニトウはエラストマーがすぐにボロボロになったりして、サードパーティーからカスタマイズキットなんか出ていたな。

 今考えると「なんじゃそりゃ!」な代物ばかりだったけど、まあ、当時のサスペンションフォークへの理解度と期待度はそんなもんだったです。

 その後FOXや国産ブランドのフォークが登場したり、変わりモノなモノが出たりとにぎやかな時代もあったけれど、今は落ち着いてきました。

 何が言いたいかというと、今でもサスペンションフォークやリアショックなりを販売しているメーカーの製品はそういう時代をくぐり抜けてきて進化を繰り返してきただけのモノになっているということです。ちゃんと「熱い」メーカーが残っています。

 マウンテンバイクの革命の一つとしてサスペンションはトップランク入り間違いなし。

 30数年の進化の賜物は現行の製品で確かめることができます。

 写真は真っ先に買ったマニトウ。見た目きれいだけどもちろん今は動きません。。