広島で芝居を楽しむためのブログ

広島での観劇レビューや日々思うこと徒然と。芝居で生の驚き、生の迫力、生の感動を多くの人に知ってもらいたい。

公演名:(ゲキ×シネ)朧の森に棲む鬼

2007年10月12日 | 観劇レビュー
日時・場所:
 2007.10.6~ 10:00~ バルト11シアター3
作・演出:
 中島かずき・いのうえひでのり
出演:
 市川染五郎・阿部サダヲ・秋山菜津子
 真木よう子・高田聖子・粟根まこと
 小須田康人・田山涼成・古田新太
感想:
 いや~、ゲキ×シネにしようというだけあり
しっかりした舞台でした。
大満足ということで、評価はBです。
褒めててBか!?なんて思われるかもしれませんが
Aなんて数年に一度!?いや、一生に一度程度のもので
まさに伝説!!ですから。
まぁ、問題があるとすればまさに時代はデジタル録画で
ハイビジョンのうえアップが多いのが難点ですね。
やっぱり”舞台用メイク”に”舞台役者”達ですから
アップはさすがにきつい。(笑)
有名な話に美しい看板女優に憧れ劇団に入ったのはよいけど
練習に朝から晩まで参加するのにその看板女優に会えない。
不思議に思った若き劇団員は先輩に聞いたそうです。
そうして驚愕の事実が!!
その女優なら毎日来てお前も確実に会っていると。
その証拠に今お前の前で練習している彼女がそうだと。
ジャージ姿に顔は大きく、そのパーツひとつひとつも大きい。
化粧っけのないちょっと日焼けして浅黒い彼女がまさか!!
そう観客席から見ている彼女とはまったくの別人で・・・。
そんな話を今回大活躍の阿部サダヲがしてましたね、確か。(笑)
話はもどって”朧の森に住む鬼”です。
観客は30人ぐらいでした。
平日の13時40分の回にしては健闘だと思いますが
興行的にはどうなのかなぁ。
週末や夜の部で盛り上がっていることを祈ります。
舞台セットはお金がかかってました。
最初と最後の雨のシーンは本当に水を使っているし
さらには滝のシーンでも水が使われています。
確かに雨の場面を演じるのもいいですが
ぬれちゃうというのも結構いいものですね。
衣装は大丈夫なの!?
昼の部、夜の部、次の日と公演は続くはずなのですが。
衣装も劇団新感線だけあってこってますね。
それに今回はある意味まともなんです。
本当に機能美みたいなのが見えてくる。
いつものデフォルメした笑い優先ではなく
見せる美しさを追求したのでしょうか。
映像化を意識した衣装作りでゲキ?シネ効果ですね。
話のテンポはよく飽きさせない構成で
お決まりの笑いやシリアスな場面展開が
効果的に作りこまれています。
舞台転換や衣装着替の都合なのか
やぼったくけだるいシーンがいくつかありましたが。
脚本は・・・、いうことないですね。
だって個人的に好きだから。
いくら芝居だといっても
あれだけ荒唐無稽なほら話を”魅せる”ですから
たいしたものだと思います。
ちゃんと完結していますし。
不条理だ斬新だとうやむやにするのは
本当のエンターテイメントではないですから。
それにしても題名が
”朧の森に棲む鬼~Lord of the Lies”。
主人公が”ライ”で”嘘”。
そして劇中のセリフ
”あなたは嘘の王様・・・”とはグッときますね。
この時点で勝ちがほぼ決まっています。
そして、やっぱり役者ですね。
染五郎かぁ~。
確かにいい男です。
演技も安定していますし
しめるところはしめて芝居をひきしめます。
でも、個人的にはやっぱり高田聖子ですね。
演技力と存在感はいうことなしです。
今回はタイトな服装がなかったのが残念でした。
真木よう子、確かに”きれいな”人でしたが
役どころが難しかったですね。
”へた”とか”ういていた”という場面は
ありませんでしたが輝きがいまひとつ。
あの個性の中で光るには”きれい”
プラスアルファがほしいですね。
秋山菜津子は好きです、ただそれだけです。
役柄も演技も大好きです。
そして、粟根、小須田、田山は
まさにいつもどおりです。(笑)
オッケー、舞台に立っている、それだけでいい。
しかし、古田新太と阿部サダヲは
やっぱり語るべきか?
今回はふたりとも直球演技でした。
いつものライトな演技ではなく
俳優古田と俳優阿部でした。
染五郎とは違ったかっこよさですね。
テレビや映画でおなじみの
ちゃらい人たちとは別物ですね。
さて、このようにいい舞台。
映画館に間に合うのであればぜひ行って欲しい。
間に合わなかったらDVDでも可。
でも、100インチクラスのプロジェクター
もしくは、50インチクラスの薄型テレビの
ご用意を忘れずに。