初冬の飛鳥路は、秋の名残りの紅葉が里の山々を赤くあるいは黄色く染めあげて、流れる川も澄みまさり、古刹・名刹の佇まいを遠く眺めながら、冷たくなった風に火照る身体を委ねて、ゆったりとした時を自転車の上で過ごすには最上の場所と信じておりました。滞在時間は10時30分から15時30分。一日で一番温かい時間帯で、天に日のある時間、そして走行距離はわずか35㌔。この企画の成功は約束されたも同然でありましょう!
しかし、その目論見はスタート地点の九条公園から50㍍の地点に落ちていたガラスビンの破片によって、ものの見事に打ち崩されてしまったのであります。リッピングバースト。「パンク」などというありふれた表現ではこの惨劇を物語るには足りますまい。サファイヤの様に煌めくその凶器は、メンバーの一人Kくんのこの夏に買ったばかりのシクロクロスの、その後輪のタイヤを内部のチューブごと切り裂いてしまったのです。
ええ、もちろん私たちは最善を尽くしましたとも!交換用のチューブは石田が携帯しておりましたし、不測の事態に対応できるようにともって来ていた医療用固定テープやビニールテープでもってさけたタイヤに応急処置を施し、とりあえずの走行を可能にはしたのです。しかし、切り裂かれたタイヤの傷はあまりにも大きく、チューブの内圧を支えきるには不十分。予定したコースを、予定していた速度の1/3で走行しながら、プロショップもしくは700C×35のタイヤを売っているお店を捜したのであります。そして見つけたホームセンター。自転車売り場に飛び込んでみると、なんと先日売りきれて現在発注しているものの入荷待ち状態とのこと。店員さんにプロショップの所在を聞けば、なんとスタート地点のすぐ近く、いえまさに今朝輪行して来たJR郡山駅のすぐ近くにあるというではありませんか。僕の頭の中には「パンク修理のため振り出しに戻る」という双六の一マスが浮かび上がって来たものです。
とはいえ今日の旅をつつがなく終えるには、タイヤの入手は必須の条件。やむなく教えてもらったプロショップ=キタサイクルへ向かうことにしました。はやる気持ちで近道を選択、だがそこには更なる罠が。はっきり言って奈良のいなか道はくねくねと曲がってどこに続いているか分かりません。ありていに言えば、"We lost our way"、はっきり言って迷子になりました。地図を取り出し、現在位置を確認し、用意した地図上には僕たちの現在位置が無いことを確認し、そして最後に頼るのは「感」。「多分こっちのほうでいいだろう」「あの丘を越えるといいんじゃないかと思うんですよね」、けっこう。試してみよう!そして迷走19㌔。ようやく「六条」という地名に行き当たる。ならばここから南へ下がれば・・・。そして近鉄九条駅にたどり着き、もっていた地図の上に戻って来ました。そしてキタサイクルへ。タイヤを手に入れて交換し、時計を見るとすでに午後。やむなく郡山駅近くのうどん屋さんで食事をすませて再出発。
速度を気にせず走れることの嬉しさ!そして30分で法隆寺に到着。だがここで時刻はすでに15時。とはいえ折角やって来た世界文化遺産。ここは一つ観ておきたいところ。そして1時間少しかけてじっくり見学。修学旅行生に混じっているとサイクルジャージはよく目立つもんですな。しかし身体が冷えてしまいました。温かいものが欲しくなります、そして門前通りのお店に自然と足が向き、おぜんざいを注文しておりました。
16時30分、もはや夕暮れ時であります。今日の目的地は飛鳥でありますから行かずばなりますまい。幸い風は追い風、順風に恵まれて速度をあげます。それでも太陽の沈む速度には勝てよう筈もなく・・・、明日香村の石舞台古墳前に着いたのは17時45分。すでに時遅く、明日香村は闇の中に沈み、門は閉ざされ、お土産物屋さんも店じまいの後。
致し方なく輪行地点の近鉄橿原神宮前に向かうも、下り基調の道のりはとにかく身体が冷えまくります。今年はまだ一度も握ったことのなかったシモハンを、速度をだすためではなく(ブレーキングさえしていたもんね)ただ風を受けたくない一心でエアロポジションをとって下るのです。冷え切った身体での58㌔。つらい中にも「話題と思い出」はいっぱいの充実した飛鳥路でありました。
しかし、その目論見はスタート地点の九条公園から50㍍の地点に落ちていたガラスビンの破片によって、ものの見事に打ち崩されてしまったのであります。リッピングバースト。「パンク」などというありふれた表現ではこの惨劇を物語るには足りますまい。サファイヤの様に煌めくその凶器は、メンバーの一人Kくんのこの夏に買ったばかりのシクロクロスの、その後輪のタイヤを内部のチューブごと切り裂いてしまったのです。
ええ、もちろん私たちは最善を尽くしましたとも!交換用のチューブは石田が携帯しておりましたし、不測の事態に対応できるようにともって来ていた医療用固定テープやビニールテープでもってさけたタイヤに応急処置を施し、とりあえずの走行を可能にはしたのです。しかし、切り裂かれたタイヤの傷はあまりにも大きく、チューブの内圧を支えきるには不十分。予定したコースを、予定していた速度の1/3で走行しながら、プロショップもしくは700C×35のタイヤを売っているお店を捜したのであります。そして見つけたホームセンター。自転車売り場に飛び込んでみると、なんと先日売りきれて現在発注しているものの入荷待ち状態とのこと。店員さんにプロショップの所在を聞けば、なんとスタート地点のすぐ近く、いえまさに今朝輪行して来たJR郡山駅のすぐ近くにあるというではありませんか。僕の頭の中には「パンク修理のため振り出しに戻る」という双六の一マスが浮かび上がって来たものです。
とはいえ今日の旅をつつがなく終えるには、タイヤの入手は必須の条件。やむなく教えてもらったプロショップ=キタサイクルへ向かうことにしました。はやる気持ちで近道を選択、だがそこには更なる罠が。はっきり言って奈良のいなか道はくねくねと曲がってどこに続いているか分かりません。ありていに言えば、"We lost our way"、はっきり言って迷子になりました。地図を取り出し、現在位置を確認し、用意した地図上には僕たちの現在位置が無いことを確認し、そして最後に頼るのは「感」。「多分こっちのほうでいいだろう」「あの丘を越えるといいんじゃないかと思うんですよね」、けっこう。試してみよう!そして迷走19㌔。ようやく「六条」という地名に行き当たる。ならばここから南へ下がれば・・・。そして近鉄九条駅にたどり着き、もっていた地図の上に戻って来ました。そしてキタサイクルへ。タイヤを手に入れて交換し、時計を見るとすでに午後。やむなく郡山駅近くのうどん屋さんで食事をすませて再出発。
速度を気にせず走れることの嬉しさ!そして30分で法隆寺に到着。だがここで時刻はすでに15時。とはいえ折角やって来た世界文化遺産。ここは一つ観ておきたいところ。そして1時間少しかけてじっくり見学。修学旅行生に混じっているとサイクルジャージはよく目立つもんですな。しかし身体が冷えてしまいました。温かいものが欲しくなります、そして門前通りのお店に自然と足が向き、おぜんざいを注文しておりました。
16時30分、もはや夕暮れ時であります。今日の目的地は飛鳥でありますから行かずばなりますまい。幸い風は追い風、順風に恵まれて速度をあげます。それでも太陽の沈む速度には勝てよう筈もなく・・・、明日香村の石舞台古墳前に着いたのは17時45分。すでに時遅く、明日香村は闇の中に沈み、門は閉ざされ、お土産物屋さんも店じまいの後。
致し方なく輪行地点の近鉄橿原神宮前に向かうも、下り基調の道のりはとにかく身体が冷えまくります。今年はまだ一度も握ったことのなかったシモハンを、速度をだすためではなく(ブレーキングさえしていたもんね)ただ風を受けたくない一心でエアロポジションをとって下るのです。冷え切った身体での58㌔。つらい中にも「話題と思い出」はいっぱいの充実した飛鳥路でありました。
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