master of the life  - blog -

好きなものをもっと愉しむ「人生の達人」を目指す ゆっくりブログ

堀文子 展

2010-11-17 | デザイン&アート
平塚市美術館で開催されている
「堀文子展」に行ってきました。

美術館を訪れるまで堀文子さんを知らなかったですが、
経歴をみていると驚いたことに92歳にして現役!
まさにスーパーおばあちゃん。(2010年現在)




作品の展示は、大まかな年代別となっていました。

1940年頃の作品群は、
殺伐とした雰囲気をだしてもどこかに必ず希望があるというような感じをうけました。
なんとなく、どこか楽観的な何か、これが希望と感じるのでしょうか。
そんな気分になってしまう作品です。
 



1960年代以降になると
海外へ訪れることにより雰囲気が急激に変わっています。
よりビビットな色使いになったり、より日本の自然を美しく表現したり
とても興味深い変化です。
 



1990年代以降は、
技術の集大成と言えそうな、いままでのエッセンスがまじりあって
柔らかく、優しく、美しい作品が多いように感じました。




2000年以降は、
シンプル、緻密、儚さが表現されているようでした。




展覧会にある作品を見終わったときに、
「スーパーおばあちゃん」という言葉を撤回しなくてはと思いました。

もちろんお会いしたことはありませんが
作品を通して彼女の気品の高さ、優しさ、真面目さが伺えるような気がしました。
すばらしい時間を重ね、常に変わり続ける女性、堀文子さんと言い直させてください。


展示のなかでも、より印象に残っている作品が、
「紫の雨」「春の来る経」と絵本の挿絵「ねずみの王様」でした。

とても素晴らしく楽しい展示でした。











浮世絵 葛飾北斎

2010-07-24 | デザイン&アート
原宿にある太田記念美術館で開催されている
「北斎とその時代」の特別展に行ってきました。

特別展は前期(6/1~6/27)と後期(7/1~7/25)にわかれていたそうなのですが
前期の事は知らず
今回訪問した後期は「冨嶽三十六景」を中心とした展示となっていました。




北斎の「冨嶽三十六景」は、彼が72歳の時に発表した作品。
「冨嶽三十六景」は、作品名の通り36枚で終了するはずが、当時あまりに人気で10枚(裏富士)追加で
作成され合計46枚、発表されています。

今回の展示はその10枚の「裏富士」を含めた46枚の「冨嶽三十六景」を見ることができる珍しい特別展でした。



展示してある作品を順番に見ていくと面白いことが、
富士山をテーマにしている浮世絵が少しづつ、人間味豊かな動きを表現したり、
橋や家などの建造物に彼の関心がシフトしているように感じられました。

西洋から影響され、遠近法が取り入れられた建造物の直線の表現のしかたは
建築家?と思わせる浮世絵になっていました。
人、景色、建造物etc・・どんどん繊細になっていく表現にも注目です。

今回の特別展で、常に進化し変化している浮世絵デザイナー”北斎”というイメージになりました。




展示コーナーの脇に北斎の面白い言葉が掲載されていました。
一部を抜粋、「・・・90歳ともなると奥義を極め、100歳に至っては正に神妙の域に達するであろうか。・・・・
100歳を超えて描く一点は一つの命を得たかのように生きたものとなろう。」
その言葉を実践するかのように「冨嶽三十六景」完成後、さらに「富嶽百景」という本を75歳の時に発行しています。 
恐ろしいまでのバイタリティーと向上心の持ち主です。

ここにも「master of the life」となった人物がまたひとり、
作品を通じて出会うことができました。




長谷川潾二郎展

2010-06-12 | デザイン&アート
平塚美術館で開催されている
「長谷川潾二郎展」に行ってきました。

長谷川潾二郎(りんじろう)は、戦前から戦後にかけて活躍し
画壇の世界に属さず、流行にも迎合せず自分の納得する絵を書き続けた画家。

今まで、1枚や2枚は見る機会はあったのですが、
初期からパリ留学時、帰国時から晩年にかけてまとめて見ることがなかったのでとても興味がありました。

作品を仕上げることが遅かったと言われる潾二郎なので、完成した作品も
画家として活躍していた年月が長いとはいえ、少ないはずです。
これほど多くの作品を集められたことは、奇跡的なことなのかもしれません。




実際の展示室は撮影禁止なので・・・感想を。
「とっても良かった」やはり彼の取り巻く環境や年齢による作品に
対する変化や喜び葛藤を初期から晩年までを続けてみることで
少しだけでも感じることが出来た気がします。

時代や流行にながされず、自分のスタイルを貫く作品は、一つ一つ見るごとに
なんとも言えない不思議な感じがしました。
全ての作品を見終わった時には少しの間、拘ることへの楽しさと美しさが心に残り続けていました。

画壇的な世界に属していないことなど関係なくもっと評価されてもよいのでは
勝手ながら思います。






帰りには画文集を思わず購入してしまいました。
画文集には、展示されていた作品、猫のタローとの日々を綴った思いでや詩などが掲載されています。
潾二郎が考える「絵画について」「詩と感想」など興味深く面白い文章もありました。


その中の一説を。
 
 よい画はその周囲をよい匂いで染める。
 よい画は絶えずよい匂いを発散する。
 よい匂い、それは人間の魂の匂いた。
 人間の美しい魂の匂い、それが人類の持つ最高の宝である。




「master of the life」になった人がここにもまた一人、見つけました。

心を優しい気持ちにさせる展覧会でした。


長谷川〓二郎画文集 静かな奇譚
長谷川 〓@56FD@二郎,土方 明司
求龍堂

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紅白梅図屏風

2010-01-31 | デザイン&アート
熱海のMOA美術館に行ってきました。
この時期になると期間限定で公開される作品があります。

尾形光琳 筆 『紅白梅図屏風』


(写真撮影禁止なので参考の画像です。)


国宝でもあるこの屏風は、実際にみるととても迫力があります。

昨年初めて大感動!
この時期になりまた見たいという衝動にかられました。
やはり見てきてよかった。



何度見ても思います、
こんなにモダンな屏風が江戸時代に作成されているなんてさすがJAPAN!
(自分のなかでは、江戸時代の芸術は世界トップクラスのレベルであると
何の根拠もないのですが勝手にランク付けしているので、少し贔屓目ですが、、、)




紅白の花がさく梅の木と、
屏風の上部から下部へと末広がりに流れる水流がとても大胆。


余白のとり方、大胆な構図、抽象化された渦巻模様の川、シンプルに徹している梅。

風の音、川の水の音が静かな美術館の館内に響いてくるようです。

基礎知識のない私でも
この屏風の前では静かに自然と引き込まれているようでした。

『紅白梅図屏風』と一緒の至福の時を過ごせました。

きっと来年もこの時期になると見たくなるのだろうなあ。



光琳デザイン
MOA美術館
淡交社

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馬車道 駅

2010-01-26 | デザイン&アート
用事があり横浜に行ってきました。

横浜では、みなとみらい21線(地下鉄)に乗りました。
今回利用した駅は、「馬車道」







この駅を初めて利用しました。

みなとみらい線の各駅にはコンセプトがあるようで
こちらの駅は
「過去と未来の対比と融合」とのこと。

文字で表現されると難しい・・・



実際に見てみると
レンガを基本とした雰囲気。
いかにも横浜のレトロ調といったところでしょうか?



近づいてみると、面白い部分が・・・この写真!




壁にいろいろなドアなどが埋め込んであります。
これらは、実際にこの周辺の建物などで使われていたものだそうです。

これって銀行の金庫のドアとかですかねえ?








そして、改札口に目をむけると




「過去と未来の対比と融合」

なんとなくわかる気がしました。