ホリデイ現役添乗員日記

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「救われたい」切実感!~モン・サン・ミッシェル巡礼

2011-10-20 08:07:50 | ホリちゃんフランス
ホリちゃんです。西洋史を見ていると、ローマ帝国のあと、中世ヨーロッパがやってきて、何の疑いもなく、ヨーロッパはキリスト教社会になって、民衆はキリスト教を信仰するようになっていった、という図式ができあがっているように見えます。しかし、事はそう単純ではありませんでした。

     

フランスの救世主、ジャンヌ・ダルクが魔女裁判にかけられ、旧市街広場で火刑に処せられたように、まず、カトリック教会のピラミッドの頂点に鎮座する法王様や大司教といったお偉方の意向は「神の声」そのものであり、異を唱えるものは、「魔女」と断定され、魔女扱いされた者は、「火あぶりの刑」と決まっていました。特に、カトリックの腐敗・堕落に立ちあがって、新教を唱えた宗教改革、プロテスタントの時代がやって来ると、世の中はデマや異説も飛び交って、庶民の拠り所や信仰の原点を揺るがすような、様々な教えを唱える者が跋扈するようになりました。千年王国的ユートピア説、終末論的絶望論、最後の審判による運命予定説、運命は巡礼によって変えられるとする祈りと巡礼の正当説、などなどで明日はわが身がどうなるかわからない中世時代の暴力的で野蛮な世の中にあって、「死んだら天国へ行けるのか?」は、庶民の偽らざる最大の関心事でした。戦争が目の前であって、自分がまきこまれても、ペストで自分が死んでも、「死んだら天国へ行ける」のであれば、何も怖くない!、ここは自分も、巡礼の旅に出て、祈り、大天使ミカエルから、天国へ行けるお墨付きをもらおうではないか!
このモチベーションがあればこそ、モン・サン・ミッシェルは古くから巡礼のメッカとして栄えたのです。

    

ジャンヌ・ダルクの魔女裁判の誤りを認めた現代人は、ジャンヌ・ダルク記念教会を建てましたが、現代になってからの話しです。ことほど左様に、カトリック教会が自らの過ちを認めることは「沽券に係わる」ため、長い時間が必要です。イタリアのガリレオ裁判しかりです。

     

今は賑わっているルーアンの繁華街に行くと、よくそのことを思い出します。しかし、
日本人は、あの富士山のシルエットのようなモン・サン・ミッシェルの外観が大好きです。

     

それはそれでけっこうなことです。ユネスコの世界遺産になっている要因に、間違いなく、あのシルエットの美しさもあるでしょう。

     

宿泊や食事に使うホテル・レストランは、小さくても快適で使いやすいところが多いです。昔は大変だったはずですが。

     

     

     

ところで、大天使ミカエルって何でしょう? ヘブライ語ですが、新約聖書のフィナーレを飾る「ヨハネの黙示録」に出てくる大天使です。大天使には珍しく、鎧・兜を身にまとい、翼をはやし、一見軍人にも天使にも見えます。そう、地上の悪の象徴と戦う武器をもっています、なおかつ、人間の魂の正邪を判定する秤ももっています。フランス語ではサン・ミシェルとよばれ、地上で死んだ人を天国へ導く役割、天国と地上との橋渡しをする役割があります。だから、昔の人は、競って、聖ミカエル詣でに、巡礼の旅に出たのです。そして、聖ミカエルゆかりの地は、昔から「聖地」として、多くの巡礼者をよぶ力があったのです。

     

地元民のためのサン・ピエール教会にも、やはり、聖ミカエルの古い像があります。
また、カトリックの象徴、マリア様とイエスの像も必ずあります。

     

   

今、このモン・サン・ミッシェルを巡って、問題が起きています。政府が、昔の景観と、昔の潮の流れを取り戻すべく、堤防を兼ねた自動車専用道路を廃止してしまいそうな流れです。そうなると、バスや自動車では行けなくなり、船でないと行けないことから、日帰り観光できなくなるかもしれません。そのことを巡って、日系の旅行社や現地のランド・オペレーターたちも団結して交渉中ですが、未だ結論が出ていません。いずれにしても、行けるうちに、モン・サン・ミッシェルへは、早く行っておいた方が良いですよ! グラン・クリュの雑踏を歩きながら、最近よくそう考えます。ホリデイツアーは、モン・サン・ミッシェルを含んだ様々なヴァリエーションのツアーをもっていますから、思い立ったら吉日で一年通して、いつでも行けますよ。

     

     

     

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