ホリデイ現役添乗員日記

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添乗員が眠れない日: 怪我人の巻

2011-09-10 14:12:20 | ホリちゃんその他
ホリちゃんです。社長から小間使いまで、あらゆる雑事が含まれる、地味で目立たない仕事ですよ、添乗は でも、世界中行けて、華やかなイメージばかり目につく人もいて、そういう人にも、舞台裏を見てもらいたく思って、トラブル処理顛末記を書くことにしました

そうです。旅行に行って、何もトラブルがなく、万事が予定された通りに進むとわかっているのであれば、何も添乗員は要りません。団体行動の制約など受けることなく自分で好きなように旅行すれば良いツアーにも、添乗員同行である必要はない逆にいえば、何かあったときこそ、私たち添乗員の出番なのです。

先日、ベルギーのツアーに行ったとき、あるお客様が、夜中、バスタブで滑って転倒し、顔から落ちて、肩、腕も強打しました一人部屋の人は気をつけて下さいよ!いざというとき、自分を守るのは、自分しかいませんよ!通報を聞いて駆けつけたホリちゃんは、早速、お部屋に行ってお客様の様子をみました。顔から落ちたため、自分で出血部分を止血して、少し落ち着いてからホリちゃんに電話したみたい。良かった、頭をやられていなくて、意識も言葉もはっきりしている
そこで、ホリちゃんは、まず、ホテルのレセプショニストやコンシエルジュに連絡し、一緒に現状をみてもらいました。ここは、ブラッセルのグランプラス近くの高級ホテルで、緊急時のホテルのスタッフの対応もしっかりしていました。怪我人の様子を見極めたホテルのスタッフは、腕と肩を強打して、腕が動かなくなり、苦痛に顔をゆがめているお客様をみていて、ホリちゃんに、「救急車を呼ぶからね。」と言ってくれました 

救急車のスタッフは、肩を貸し、身体を支え、お客様の様子をみて、最適な救急看護ができる病院に今から行くからといって、救急車に乗せました。ホリちゃんも、もちろん、「通訳」として、いっしょに行きました。時計をみると、夜中の12時を回っていました。到着とほぼ同時に、ほとんど待たされることなく、お客様は診察をしてもらうことができました。まずは、レントゲン撮影と、身体の色々な部位のテェック!その結果わかったことは、「骨折」という診断どうしよう、恐れていた通りだった。いずれにしても病院でしばらく安静にしている必要があり、2~3時間かけて、点滴を行い、痛み止めと化膿止めの投与! 病院にそのまま泊まりこんで、手術を受けても良いし、いったん、ホテルへ帰って、明日出直してもいい! ええ~っ??こんなに大事なときでも、欧米の病院には、患者に選択肢がある日本と違うツアーの日程上、そのお客様はグループのツアー一行とともに、2日後に
飛行機に乗って日本に帰る予定になっている。その件も、ホリちゃんは、ドクターにお話しして、了解をとった。何故なら、そのお客様が、病院のやり方をみて、色々な面で、「きめ細かさ」が足りないと感じ、診察や手当のやり方が日本より「大ざっぱで荒っぽい」と感じ、また、添乗員も団員もみないなくなってしまう自分一人の状況に恐怖感を覚えたから。それで、「ここで手術を受けるのは絶対イヤだ!、日本に帰ってから、手術を受ける」と強く主張したのですそうはいっても、日本までは、ベルギーから直行便では帰れません。グループのスケジュールも、ブラッセルから、いったん、ロンドンのヒースロー空港を経由し、全日空に乗り継いで帰るというハードなもの。トータルで17時間もかかるハードなフライトスケジュール。それでも、飛んでいいか? 再度ドクターに相談!ドクターからの指示は、「好ましいことではないけど、それを前提として、腕と肩が動かないようギプスで固定し、なおかつ処方箋に基づいて、痛み止めと化膿止めの薬を飲み続ける、というものだった。いちばん好ましいのは、ここで安静にし、手術を受けるという選択肢だった。でも、患者には選ぶ権利があるとドクターは言った。

そんなこんなで、翌日また来ることを前提に応急処置だけして、その日はタクシーでホテルへ。海外旅行保険には、入っていたけれど、保険会社の指定病院ではないために「キャッシュレス」というわけにはいかず、いったん窓口で支払って診断書と領収書を入手そのあとがホリちゃんには大変だったのです。まだまだ、やるべきことが山積していて、とうとう一睡もできませんでしたもう一日あることから、グループの面倒をみるための日本語ガイドを急遽手配して、観光に行ってもらう手配をしたり、一応、お客様の家族に現状報告を本人と一緒に電話で伝えて、成田空港に家族の出迎えを頼んだり、処方箋に基づいて、薬局で薬を買い求め、お客様にのませたり、腕が動かないお客様にそれからは食事させるのに、ルームサービスをとってお部屋で食事させたり、みんなが観光に出発した後は、再び、帰国前のギプス固定化や必要な処置をしてもらうため、再度病院に連れていったり!めまぐるしく一日が過ぎました。

帰国の日も、動かすと痛みが走るというお客様の様子を飛行機の客室乗務員に伝え、荷物の積み下ろしから、トイレにたつときや、食事する際の「介護」までお願いしてしまって、本当に助かりました。日本の航空会社で良かった、きめ細かくて
結果としては、無事日本に着いて、手術を受けられ、あらゆる費用は全て海外旅行保険でまかなうことができたのです。だから、保険には入っておくべきですね。自分のカードの保険があるから良いという人もいるけど、カードの保険には付帯条件に色々制約があるので、よく確認したほうが良いですよそれと、そんなときの添乗員だと思って、添乗員付きのホリデイツアーで旅行に行って下さい

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