紙屋さんブログ

土佐の自然を愛する親父です。

土佐の画材和紙「大濱紙」

2012年06月26日 17時04分04秒 | 日記
東京の画商の淺木正勝氏等の提唱で、日本画を支える職人や表具師、紙の研究者等の協力により幾種類もの試験漉きが繰り返され、また幾度となく日展作家、画家による試し描きを経て、ようやく「大濵紙」が完成しました。この「大濵紙」は日本国産材料のみにより製造され、薬品による漂白や着色剤は一切使わず、古典的な素材処理によって造られています。重要な材料の処理具合の見極め、「配合・制作の指揮」は、高知の「大川昭典」(元高知県紙業産業技術センター技術第2部総括主任)、「濵田佳世子」(鹿敷製紙株式会社 代表取締役社長)が担当しお二人にちなみ、「大濵紙」と名付けられたのです。土佐和紙の新しい発表です。又、書家の使う和紙等も、「こだわり」が有り、専属の「手漉き和紙職人」を抱えています。日展作家の筆、墨での発現性で作品に大きな差が出るのです。以前、広島の書道家が、千年以上保存出来る手漉き和紙を所望した時、私の大津の友人(あるメーカーの常務)が手配したのが奈良県・吉野の和紙、僅か5枚で50万円もしました。それは、200枚程漉いた中から、気に入った5枚を選んだからです。つまり、希望する「書の寸法」にあわせた手漉きの簾の新調も含め、原価が50万だったのです。中国の古くからの書の画材には、竹パルプを入れた紙があります。筆の走りが良いそうです。若竹を切り、節を切り除いて,泥の池に2~3年浸けて腐らし、その繊維をとるのです。私の知り合いの土佐の手漉き職人(亡くなりましたが)は、「竹の子」を煮て、たたき壊して竹繊維を取り出していました。又、日本で唯一、「竹パルプ」を製造している製造メーカーは「中越パルプ工業」だけです。竹繊維には「抗菌性」が有り、食品用紙製品に使われるのです。
ニュース6月26日午後:紀州北越製紙は、大王製紙創業家保有の大王及び大王関連会社の株式を取得する「契約書」を締結しました。

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