tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

同時進行!平城遷都1300年(20)探訪ツアーに潜入

2010年04月26日 | 平城遷都1300年祭
4/24(土)、平城遷都1300年祭の平城宮跡会場がオープンした。翌日(4/25)の朝日新聞によると《時空の扉 開く 平城遷都1300年祭 県内外から3万4000人来場》《24日開幕した平城遷都1300年祭の主会場、平城宮跡会場(奈良市佐紀町)には、県内外から予想を上回る約3万4千人(主催者発表)の来場者が詰めかけた。施設には長い行列ができたものの、大きな混乱はなく、心配された交通渋滞はほとんどなかった》。

参考:平城宮跡会場内覧会(報道関係者用)の模様


《主催者が最も気をもんだ交通渋滞は、マイカー自粛や郊外の駐車場からシャトルバス利用を勧める「パーク&バスライド」の事前PRが奏功したためか、「いつもの土曜よりすいている」(日本道路交通情報センター)状況だった》。
http://mytown.asahi.com/nara/news.php?k_id=30000001004250002


近鉄大和西大寺駅南口のシャトルバス乗り場

私は4/25(日)、平城宮跡会場を訪れた。4/29(祝)に私がボランティアガイドを務める平城宮跡ガイドツアー(「平城宮跡探訪ツアー」の1つ)の予習のため、知人のtsujikenさんとD井さんがガイドする様子を見せてもらいに来たのである。
※平城宮跡ガイドツアー(平城遷都1300年記念事業協会のサイト)
http://www.1300.jp/event/detail/kyuuseki/keve100326.html


1台、バスを見送った

この日は近鉄大和西大寺駅から無料シャトルバスに乗った。最初来たバスには乗れず、次のバスに乗り、会場に向かった。駅南口にある乗り場でバスに乗り、まっすぐ南下して大宮通(阪奈道路)に出て、朱雀門の西側から宮跡会場(エントランス広場)に向かうというルートだ。これは、よく考えたものだ。しかし待ち時間を入れると駅から30分以上かかったので、結果的には歩いた方が早かった。



会場にはたくさんの人が詰めかけていた。来場者によると「昨日より多い」とのことで、確かに今朝(4/26)の新聞各紙には、2日目(4/25)の来場者は3万8千人(前日比+4千人)と出ていた。


出展参加ホール

ツアーがスタートする「探訪ツアーセンター」のお隣りの「出展参加ホール」では、国交省の「国営平城宮跡歴史公園の模型展示」(常設展)のほか、奈良交通が「バスで巡る奈良・大和路の観光案内」展をしていて、多くの人を集めていた。


パナガイドの説明。向かって右がtsujikenさん、左がD井さん


「平城京」と「平城宮」は違うのです(tsujikenさん)

さてガイドツアー(1.5時間コース)は、参加者(東海地方の史跡探訪愛好者団体)のバス到着が遅延したため、10分遅れの11:40にスタートした(解散は大極殿前で13:00)。まずはオリエンテーションルームでパナガイド(無線レシーバー)を装着し、平城京の歴史を学ぶ。説明はメインガイドのtsujikenさんである。


ツアーセンター前をいざ出発


遣唐使船の前で熱弁

次は遣唐使船の説明である。周囲には多くの人がいてザワザワしているが、tsujikenさんの声は直接イヤホンに入ってくるので、とても鮮明である。tsujikenさんは「吉備大臣入唐絵巻」の図版などを使いながら、丁寧に説明される。このあとは、すぐ東にある朱雀門に回る。


朱雀門前で

ここで、1つハプニング。このグループは、探訪ツアーセンターに13:00までに戻らなければいけない、というのだ。解散場所の大極殿からツアーセンターへは徒歩で20分はかかるので、12:40分には解散しなければいけない。ツアーは10分遅れでスタートしているので、1.5時間のツアーを1時間でこなさなければいけない計算になる。


最後尾を固めるD井さん

途中、近鉄電車の踏切やトラムの通行などで、行列が止まることがあったし、時々立ち止まって記念撮影される方もいたが、そこはtsujikenさん、うまく説明を端折(はしょ)られ、ちゃんと対処されていた。サポートガイドD井さんも、列の最後尾でうまくフォローされていた。結局、予定時刻の12:40ジャストに、大極殿前で解散することができた。めでたし、めでたし。こんな事態も考慮に入れておかないといけない、という良いお手本になった。



私はこのツアーを拝見して、1つ良いアイデアを思いついた。tsujikenさんのように、説明を短くして時間に余裕を作る。そして時計と周囲の混雑状況をにらみながら、記念写真の撮影タイムを作るのだ。トイレ休憩を兼ねるのも良い。シャッターを押したりすれば、奈良の好感度も高まることだろう。早速、自分のシナリオに書き込むことにしよう。



たいていの来場者は、大極殿の大きさに驚いていた。東大寺大仏殿より、ずっと小さいのだが(大極殿=間口44m、奥行20m、棟高27m。大仏殿=間口57m、奥行50m、棟高49m)。奈良新聞(4/25付)にも《広さ大きさに驚嘆 大極殿》《奈良時代に国家儀式が行われた空間を体感しようと、第一次大極殿にも大勢の見学者が訪れた》。
http://www.nara-np.co.jp/20100425111951.html


大極殿の基壇の上から、薬師寺の塔や唐招提寺金堂が見渡せる

《神奈川県川崎市の梶川健司さん(76)は「これだけ広い空間が保存されてきたのがうらやましい。神奈川県にこんな場所はありません」、南門広場で古代衣装を借りて散策した奈良市の前田恵美さん(31)は「大きさだけでもびっくりします。昔の人もこんな姿で歩いていたんでしょう。貴重な体験ができました」と笑顔で話した。前庭にはいくつもの花壇が設けられ、大極殿を背景に記念撮影する姿も見られた》。


衛士隊の再現





tsujikenさんたちと分かれて、会場内を散策した。途中で衛士隊の再現や、天平衣装をつけた女性たちに出くわした。何だか古代にタイムスリップしたようで、とても楽しい。これまでに2度、内覧会に参加したが、どちらも雨だったので、印象は良くなかったのだが…。皆さん、平城宮跡会場は、天気予報を確かめてからお訪ねいただきたい。また、日差しを遮るものが少ないので、夏場は避けた方が無難である(ガイドツアーも夏場はお休みだ)。
※天平衣装体験(同協会のサイト)
http://www.1300.jp/event/detail/kyuuseki/0701.html




神戸から来たという天平衣装の女の子たち。ポーズもキマっている

「クーカルイタリアン・イン奈良」の店舗も見てきたが、ちょうど良い具合に繁盛していた。奈良新聞(4/25付)によると、このお店は《県産の食材を使い、イタリアンの有名シェフが腕を振るう「クーカルイタリアン・イン・奈良」(同実行委員会主催)が平城宮跡会場の交流広場で開幕。開店前から食事を求める人の列ができた》。
http://www.nara-np.co.jp/20100425135956.html


クーカルイタリアン・イン奈良

《シルクロードでつながれた奈良とイタリアを食で結ぶ催し。4店舗が並び、有名シェフが考案したパスタやジェラート、ピッツァなどを手軽な値段で提供。オープンテラスは多くの人でにぎわった》。というものである。


鳥も水浴び。宮跡は地下水位が高いので、こんな池があるのだ


こちらは湿地。高い地下水位が木簡を守った

それにしても、この日は暑かった。読売新聞(4/26付)には《最高気温が約20度となった会場では、「日なたを長時間歩き回ることを避け、水分補給を」とのアナウンスが流れた。来場者からは、会場で配布されたうちわが人気で、ソフトクリームの販売が好調だった》。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/news/20100426-OYT8T00016.htm


朱雀門の前で集合写真を撮る団体。暑いので大変だ

《エントランス広場の案内所前では、奈良市商店街振興会のスタッフが、大極殿の写真と、せんとくんのイラスト入り特製うちわを配布した。裏側には、加盟31商店街と観光名所を記した地図を掲載。約2時間で1日に配布予定の3000枚に達し、大花章義専務理事(69)は「これから好天が続くので、うちわで暑さをしのぎながら、商店街にも興味を持って」とPRした》。


ランチは「四季旬菜大和路」(フードコート内)でミニ大佛うどんとめはり寿司のセット550円。卵を練り込んだ麺が良い

《フードコートでは、ソフトクリームが前日の約4倍の売れ行き。子ども2人と大極殿、まほろばステージを約3時間かけて見学した奈良市富雄の会社員雨宮康幸さん(41)は「休憩所が少なく、熱中症が心配。夏場は暑さ対策をしっかりしないと」と話した》。


フードコート内の「奈良地産野菜と天然酵母パンの店Buono(ボーノ)」でパンを買って帰った。とても美味しい

帰りは近鉄大和西大寺駅まで歩いた。シャトルバス乗り場には長蛇の列ができていて、30分待ちと告げられたからだ(JR奈良駅や近鉄奈良駅行きのバスは、あまり並んでいなかった)。大和西大寺駅で、当ブログ読者のyokoさんにお会いした。駅のすぐ近くにお住まいだという。「宮跡会場がオープンすると、渋滞で外へ出られないと思っていましたが、とてもスムーズで驚きました。昨日は自転車で会場を訪ねました」とのことだった。

問題は4/29からのゴールデンウィークだ。この期間中、私はボランティアガイドとして2回会場を訪れるので、追って当ブログでレポートすることにしたい。

tsujikenさん、D井さん、日曜日は有り難うございました。とても参考になりました。しばらく忙しいですが、頑張って務めを果たしましょう!

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13 コメント

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3.8万人! (あをによし南都)
2010-04-26 20:37:23
3.8万人とはすごいですね。
人数としてはディズニーランド級ですね。
スペースが広々しているせいか、写真を拝察した感じではぜんぜん混雑したようには見えませんが。
連休、見学に参ります。
ぜひTetsudaさんガイドの組にもぐりこみたいものです。
それにしてもこの晴天、やはり帽子は必須なのでしょうね。
返信する
西大寺駅のホームで (yoko)
2010-04-26 22:05:14
25日、ホームでは失礼いたしました
取材の御帰りだったとか・・・

こっそり、毎日拝見いたしております

これからも楽しみにしておりますので
返信する
生涯初ガイド (tsujiken)
2010-04-27 02:10:22
tetsudaさん、早速写真付きでありがとうございます。

これまでガイド経験は全くなく、
当日が近づくごとに不安が増してきていました。

tetsudaさんの「古社寺歩こう会」に幾度となく
参加せていただいていましたので、
そのときの情景を振り返りながら、

他所では見られない1300年も前の広大な遺構が、
先人の方々の保存活動により
今でも悠久の歴史を感じさせてくれる平城宮跡で、
1300年の時をこえて
こうして案内をさせていただける喜びを感じながら、
自らの学習に励んできました。

一人でも多くの方に奈良を知っていただき、
また来たいねって言ってもらえるような
ご案内ができればと思っています。

記念写真の撮影タイム、
私も使わせていただこうと思っています。

この場をお借りしまして、
tetsudaさん、D井さん、ありがとうございました。
返信する
良い予習でした (tetsuda)
2010-04-27 05:23:44
あをによし南都さん、yokoさん、tsujikenさん、コメント有り難うございました。

> ぜひtetsudaさんガイドの組にもぐりこみたいものです。

私は4/29の3Aチームのメインガイドを務めます。今のところは「当日予約」枠になっていて、10:45に探訪ツアーセンター出発です(先着順。15人以上の団体は予約できることになっていて、予約が入ればそちらが優先されます)。これから勉強です。
http://www.1300.jp/event/detail/kyuuseki/keve100326.html

> それにしてもこの晴天、やはり帽子は必須なのでしょうね。

帽子とお水は必須ですよ。4/25は、晴天でも気温がさほど上がらなかったので救われましたが、これからどんどん暑くなってきます。6月のガイドが、思いやられます。

> こっそり、毎日拝見いたしております

初対面でしたが、よく顔がわかりましたね。これからも、ご愛読とコメントをどうぞよろしく。

> 1300年の時をこえてこうして案内をさせていただける
> 喜びを感じながら、自らの学習に励んできました。

初ガイド、ご立派でした! プレッシャーを与えてしまい、申し訳ありませんでした。

急な時間短縮でしたが、うまく調整されましたね。また、よくあれだけ暗記され、また資料も準備されたと感心しました。私は手元資料をチラチラ見ながらお話しするつもりです。協会が作られたフリップ(解説ツール)は、フルに使わせていただこうと思っています。

> 記念写真の撮影タイム、私も使わせていただこうと思っています。

知人のKさんがこの日、1.5時間コースを1時間で終えられ、「ちょっと早すぎたかな」とおっしゃっていましたので、何か埋め草を考えておくのが良いと思いました。シャッターを押して上げれば、喜んでいただけると思いますし。
返信する
良いアイディアを頂きました (komakusa)
2010-04-27 17:37:13
tetsudaさん 良いアイディアを有難う御座いました。人前で話などした事もない私は 初めてのガイドですっかり緊張してしまい 時間の配分をする余裕がなくなっていました。中学校の団体でしたが 確かに写真を撮りたいとおっしゃっていました。しかし大極殿の前でのガイドが終わると 見学する人の列を見て付き添いの先生がソワソワされるのを感じました。大極殿見学の待ち時間を 計算されていなかったようでした。途中で切り上げて欲しいと言われたグループもあったようです。団体の場合時間の制約もあるのでしょうね。初日を終えて反省する事ばかり浮かんできますが 次への一歩と思って頑張ります。またご指導よろしくお願いします。
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大極殿 (tetsuda)
2010-04-28 06:45:04
komakusaさん、コメント有り難うございました。

> 大極殿の前でのガイドが終わると 見学する人の列を見て
> 付き添いの先生がソワソワされるのを感じました。

宮跡会場への来場者の最大の関心事は、大極殿のようです。komakusaさんのように早めに切り上げて、「並べば大極殿内を見学できますよ」と案内するのも、1つの手ですね。

> 途中で切り上げて欲しいと言われたグループもあったようです。

遠来のお客さんには、90分というツアーは、「結構時間がかかるな」という印象になるようです、とても言い尽くせないのに。オリエンテーションの時に、その旨を確かめるのも必要かも。
返信する
ちょっと小耳にはさみました (蔵武S)
2010-04-28 09:34:03
 昨日、蔵で飲んでいたら福岡県から来られた歴史好きの御夫婦が会場へ行かれた時の感想を聞かせてくれました。大宰府と比べて圧倒的なスケールに魅了されたとか。一方平日の雨にもかかわらず人出が多く、平城京歴史館はGWには大混乱になるのではと、心配しておられました。一番驚いたのは、旅行会社やバスガイドといった添乗員も有料という事実(身障者の引率者は無料)。必ず無料にするべきです。ケチ臭いイベントだと思われても仕方ないですね。奈良県では「おもてなしの心」なんて啓蒙運動をしていますが先ずは自ら実践するべきです。
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神奈川の未利用地 (松永洋介)
2010-04-28 21:37:25
奈良新聞の記事に「これだけ広い空間が保存されてきたのがうらやましい。神奈川県にこんな場所はありません」というコメントがありますが、広大な“未利用地”なら、神奈川にもたくさんあるのです。たとえば相模原市役所の北東600mには、214haの空間があります。米陸軍相模総合補給廠です。平城宮跡と違って人も電車もクルマも通れず、まちづくりを困難にしています。相模原市・座間市には計233haのキャンプ座間も。隣接する大和市と綾瀬市には507haの厚木基地があり、その敷地の何倍もの範囲に、甚大な騒音被害や、幾度もの墜落事故をもたらしています。奈良に住んでいてはなかなか想像しづらい環境です。
平城京の大極殿は、いわば征服と支配の象徴だったのでしょうが、いまや歴史と文化の象徴です。使用目的を考えないまま建ててしまった平成大極殿ですが、よい使い方を考えていきたいものです。
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建てる前に考えるべきでしょう・・・ (アールグレイ)
2010-04-29 00:26:48
「使用目的を考えないまま建ててしまった平成大極殿ですが、よい使い方を考えていきたいものです」 というコメントがありました。

高い税金を払い続けている一奈良県民かつ奈良市民としては、あのように大きな建造物を事前に使用目的もよく考えもせずに建てたと、ぬけぬけと言われると、はっきり言って反発を感じます。

お役所が税金をよく考えて使っていないというふうに受けとめられてもしかたないのではありませんか。

本来、税金を使って建てるようなものは、スクラップアンドビルドではなく、長期使用を視野に入れ、事前に慎重に検討されるべきものです。
返信する
無責任なお役所 (松永洋介)
2010-04-29 02:54:36
大極殿の問題は、以前国会で前川きよしげ氏が追及しています。
「百九十五億円もお金を掛けて大極殿を造りますと。で、何に使うか決めていませんと。こんな税金の使い方あるんですか。むちゃむちゃじゃないですか、今のは。文化庁というのはそもそも税金を使う責任がない、責任感がないんじゃないですか」
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/164/0015/16405100015009c.html

しかも、できたものは想像の産物でしかなく、古代あのような形のものが建っていたという確たる証拠は存在しない。個人的な印象としても「違う」と思います。
http://art.way-nifty.com/ysk/2010/03/post-140e.html
古代建築とか言われても、基壇の下に免震装置があるのでは、コンセプトが不明確すぎる。ようするに、建設自体が目的の事業だったということだと思います。
お金も労力も、本当にもったいない。あんなものに使われた巨木が気の毒でなりません。
できてしまったものは仕方がないのですが、もし建設当初に「事業仕分け」があったなら、真っ先に「事業廃止」されていたと思います。

さて平成大極殿、これから何に使ったらいいんでしょうね? とんと話を聞きません。
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