個人的な大疑問、 「宇宙と人類の存在する意味」のヒントを得たくて京都大学の市民講座「宇宙と物質の謎に迫る」を聴講したが、残念ながら肩透かしであったことは以前に書いた。
“宇宙本”、“世界観本”、“物理本”は結構読んだがなかなか良いヒントを与えてくれるものにめぐり合わない。
そんな中でこの本は「物質と宇宙の物理学」についての現段階での到達点を、新書と言う制限の中でも、一般市民にも分かりやすく解説している点では抜きん出て秀逸であった。
著者は東大出身だが、一般市民を小馬鹿にした京大の連中と違って、なんとか一般市民に寄り添って理解してもらおうとする熱意が感じられた。もともと自由闊達で市民よりなのは京大の方だと思っていたが、こと物理学の分野に関してはそんな伝統は変わってしまったようだ。
壮大な宇宙と極微の素粒子の両世界からのアプローチが、この大疑問の解明にとって重要なことがよく理解できた。
引力、電磁気力など物質間にはたらく力の相互作用はなぜ、どのようにして起こるのか、エネルギーと質量との変換等価性、反物質、統一理論に向けての混沌とした現状についてもよく理解できた。
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