道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

驕りの芽胞

2020年03月24日 | 人文考察

人は驕りの芽胞を心中深く潜ませている。この芽胞は極めて強靭で、学問・教養・信仰をもってしても排除できない。権力と謂う、驕りの芽胞に最も適した培地を得ると、この芽胞は発芽して細菌となり、人に感染する。感染した人は驕りの症状を呈する。驕りは自己愛と結合しているものだから、その芽胞は耐久性がきわめて強く、死滅させることは難しい。発芽させないよう、常に注意していなければならない。


現政権の枢要の人物とその下僚たちは、芽胞が権力の培地で発芽した細菌に感染し、重度の驕り症状を呈している。メディア・産業・労働団体・学術団体・芸能団体の中にも、政権と癒着してその病に感染し発症している人たちは多い。驕りの芽胞は、隙あらば権力のより快適な培地に入り込み、発芽して驕りの病を発症させる。権力の中枢にある人たちは、この病に罹るのを、新型コロナよりも怖れなければならない。


たまたま、驕りを発症させている人を見ると、私を含め多くの人は彼を非難するが、その難じる人々の心の中にも、驕りの芽胞は存在している。幸いにも発芽していないだけのことで、培地を得れば発芽する。それは誰もが罹る惧れのある心の病だ。


権力が腐敗を免れないのは、権力を構成する人々が驕りの病に罹患するからだろう。権力の温床は驕りの芽胞にとって最も快適な培地で、そこで強い病原性を獲得するに違いない。


驕りの芽胞は、老いも若きも全ての人間を宿している。発芽して細菌が暴威を振るうかそれとも、芽胞のままで温順しく不活性状態にあるかは、その人の内省が正常に機能しているかどうかに拠るのだろう。即ち内省は心の免疫機能である。


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