農鳥小屋前広場からスケッチ〈西農鳥岳・農鳥岳〉
山友の誘いがあって、南アルプスの白峰三山に登った。13年前に歩いたことがあるコース。
山登りは同じ山に幾度登っても、時期やルートの違いでその都度状況が異なるから、前に一度登ったぐらいでは、初めて登るのと変わらない。
困ったことに、山行予定日の4日前になって、超大型台風が登山当日に本土へ最接近しそうとの天気予報が出た。以後毎日、台風が逸れるよう念じながら進路のチェックを続け、入山の前日を迎えた。幸運にも翌日の予報円は本土を外れ、山域が暴風雨圏内に入る懸念は遠のいた。
ヴェテラン気象予報士の話によると、台風圏からある程度離れた場所では台風で上昇した気流が下降し、天気は数日安定することが多いという。その説明に力を得て、入山地点に向かった。
予報士の言葉どおり、雲ひとつ無い絶好の登山日和だった。標高3000mの稜線からは、視力の及ぶ限り山々の頂を確かめることができた。縦走中に霧の発生を見なかったのも、局地の気象が極めて安定していることを物語っていた。
だが物事は、往々にして好いことと悪いこととが抱き合わせになっているものだ。天候に恵まれたものの、シルバーウイークとあって山小屋は超過密、就寝の有様など惨状と言ってよい状態だった。3番目に泊まった小屋では、ひとつの布団に4人が寝る始末・・。幕営している人達が羨ましかった。
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