中国の春節が始まる。当月28日から2月4日までの間だそうだ。期間中に中華圏全体で90億もの人が動くらしい。
中国人それもその中核の漢民族が、言動や行動において、現実離れした甚だしい誇張やオーバープレゼンスを好む気質の持主であることは、様々な歴史的文化遺産によって夙に知られている。
現下の中国の生産・供給・観光・消費・教育学習・人口管理・漁獲・軍事など、あらゆる面で過剰に奔る特性は、単に国民の勤勉とか、共産党政権の本質とかで片付けられるものでなく、民族に備わる強いエモーションが作用しているように思う。
インバウンド増加を欣ぶ我らが政府は、中国人たちが春節に日本への観光旅行を第一の候補に挙げていることに満悦かもしれないが、国民は春節によって惹き起こされるオーバーツーリズムに曝され、家族旅行もままならず、ウンザリしている。当局インバウンド増加に浮かれていないで、自国民の声なき声を聴いてもらいたい。
中国人だけに限らず、来日観光客に対する政府の偏ったインバウンド優遇政策は、片手落ちで目に余る。
全国の新幹線を始めとするJR各社の鉄道網は、民営化前の旧国鉄の時代に、営々と膨大な国費をつぎ込んで整備されたものである。分割民営化したからと言って、かつての国有資産を外国人観光客に偏り一方的にジャパン・レイルパスなどで優遇し、自国民に対しては何ら配慮をしない。インバウンドに目の眩んだJR各社の大株主日本政府の認識には、大きな過誤があるのではないか?インバウンド隆盛の陰で、私たちの国内観光が細らないことを願っている。
外国人を優遇する政策を満載して招き入れ、納税者たる国民のささやかな観光旅行に対しては一顧だにしない片手落ちをどう考えているのかわからない。
与野党国会議員たちは、公共交通機関利用の内外不公平の現状に、目を瞑っているように思える。
国民の福祉を蔑ろにして、GDPに寄与するからとインバウンド倍増に浮かれる政府与野党には、足下をよく見てもらいたいものだ。
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