道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

S字カーブ

2013年11月13日 | 健康管理
人間の背骨が直線状でないことは誰でも知っている。重い頭を支えるために、背骨を前後に湾曲させることで重力を分散させる仕組みが人体には備わっている。これをS字カーブ(生理的湾曲)というらしい。

湾曲がないと、首や腰に過大な負荷がかかり、筋肉が疲労して痛みが発生する。重心がズレて転びやすくなる。S字カーブを保つためには、人体の基部である足から矯さなくてはならない。人体の骨格は、小さな可動基礎の上に乗るスカイツリーみたいなものだ。基礎が狂っていればそれより上の膝や腰、更には背骨に不具合が生じるのは避けられないだろう。

本来の足形に似ていない形の靴(短靴やパンプス)を履き、無理な締め付けを足に加え続けていると、指関節が拘縮する。それが現代人の腰痛や膝痛の遠因になっているのではないかとの仮説がある。その説が正しいかどうかは別として、つま先の幅の狭い不自然な形の靴を履くのは避け、足指の拘縮を解いておくにこしたことはないと考えた。

およそ人体というものは、骨・筋肉・腱・靱帯が巧みに組み合わされ、それらの協働で機能を発揮するようできている、極めて精緻な構造体だ。有機体だから、加齢によりその機能が劣化するのは避けられない。しかし、足の指の拘縮は加齢によるものでなく、靴という履き物の外圧による変異かもしれない。

人間の背骨は加齢にともない、湾曲が直線状に変化するもののようだ。脊椎関節の可撓性低下や背骨を支える筋や腱の劣化など、諸々の要因が複合するからだろう。S字状の生理的湾曲が減じてI字状に近くなれば、重心は正位置より後方にズレて転びやすくなる。脊柱S字カーブの修復こそ、アラセブンス世代にとって、文字どおり転ばぬ先の杖と言える。


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