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違憲訴訟、年内にも=原告1万人目指す―安保法制、法廷闘争へ

2015-09-19 18:50:49 | 政治
平和安全法制案が成立した時点でのこの記事は、嫌がらせも度が過ぎている。


違憲訴訟、年内にも=原告1万人目指す―安保法制、法廷闘争へ

時事通信 9月19日(土)14時18分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150919-00000069-jij-soci

19日未明に成立した安全保障関連法に対し、三重県松阪市長らが結成した市民団体が集団違憲訴訟を起こす準備を進めている。
 市長は「国民全体の訴訟として、裁判の場で闘いたい」と、賛同する地方議員らと1万人規模の原告団を目指して参加者を募っており、早ければ年内にも提訴する。
 松阪市の山中光茂市長は昨年7月、集団的自衛権行使容認の閣議決定を受け、違憲訴訟に向けて市民団体を結成。これまでに1000人を超える会員が集まったという。
 弁護団長には、今年6月の衆院憲法審査会で「違憲法案」と指摘した憲法学者の小林節慶応大名誉教授が就き、20人以上の弁護士が参加する予定だ。
 ただ、日本の裁判制度では法律の違憲性だけを問うことはできず、審理対象となるには、具体的に原告の権利が侵害されたり、損害が生じたりしている必要がある。集団的自衛権の閣議決定をめぐってもいくつか無効確認訴訟が起こされたが、いずれも不適法として却下された。
 一方、各地で起こされた自衛隊イラク派遣差し止め訴訟では、訴えを却下する判決が相次ぐ中、名古屋高裁が2008年、「派遣は違憲」との判断を示したこともあった。
 あるベテラン裁判官は「訴訟が起こされたら裁判所は真剣に受け止め、考える。近年ないほどに重い事案となる」と話す。ただ、別の裁判官は「司法が国の進む方向を決めていいのか。選挙で選ばれた国会議員が決めたことで、裁判官は選挙を経ていない。間違いと思うなら、政権交代させるべきだ」と指摘している。



安保法案が成立したら司法が違憲判決を出せるのか
坂東太郎 | 早稲田塾論文科講師、日本ニュース時事能力検定協会監事
2015年8月25日 12時25分
http://bylines.news.yahoo.co.jp/bandotaro/20150825-00048808/

●違憲審査権はどこまで通用するか
多少気の早い話ですが、憲法審査会で憲法学者の参考人が全員「違憲だ」とした現在国会で審議中の安保法制案が可決成立した場合、改めて憲法に違反するかどうかを判断する方法はあるのかを考えてみます。
日本は三権分立を取り入れており、その一角である司法府には違憲審査権があります。法律(立法府)や内閣(行政府)が決定したルールなどが憲法に違反していないかどうか判断する権限です。すべての裁判所に認められており、最終的な決定権(終審裁判所)は最高裁判所です。
安保法制案は安倍内閣が集団的自衛権の限定容認を打ち出した閣議決定に基づいています。政府(行政府)の決定である閣議決定に沿って内閣が法律案を作って国会に提出しました。可決成立すれば立法府も認めたことになります。
違憲審査権は立法行為だけではなく内閣の決定にも判断を出し得ます。問題は、裁判所は訴えがなければ裁きようがないという点です。集団的自衛権の行使容認によって損害を受けた者でないと「訴えの利益」がないので訴訟しても門前払いになります。
すでに何人かが訴訟を起こして、うち1件は最高裁の決定まで行きました。閣議決定が憲法に違反するという訴訟で す。地裁、高裁ともに「閣議決定がすぐに原告(訴えた人)の権利を制限するわけではない。具体的な法律関係の争いではないので訴えは不適法だ」として無効 確認訴訟を却下しました。却下とは内容を検討した上での「棄却」ですらなく、訴訟そのものが不適法で内容の検討すら値しないという、いわば相手にもされて いない状態です。最高裁も、そもそも上告できる場合にあたらないとして退けて確定してしまいました。
確かに最高裁がこれまで違憲としたのは法律の条文で閣議決定を当てはめたケースはありません。法律が施行されて初めてその効力が発揮される ので閣議決定とはいえ一種の努力目標ですから「すぐに」「権利を制限するわけではない」のです。では法案の可決成立後はどうでしょうか。
●原告の「訴えの利益」が焦点
問題の第一はやはり原告に「訴えの利 益」があるかどうかでしょう。1952年の「警察予備隊違憲訴訟」で最高裁は「特定の者の具体的な法律関係につき紛争の存する場合においてのみ裁判所にそ の判断を求めることができる」としました。安保法制によって被害を受ける可能性が高い者でないと、訴え自体ができそうにありません。
ではどのような者であれば裁判所は「訴えの利益がある」と判断するでしょうか。安保法制の場合、自衛隊の行動範 囲が変更されるのですから、現職の自衛官であれば認められる見込みはあります。もっとも個人では難しいでしょうし、訴える可能性自体もきわめて少ないと考 えざるを得ません。
1969年から争われた長沼ナイキ訴訟は北海道夕張郡長沼町に航空自衛隊の地対空誘導弾「ナイキ」の基地を作ろうとしたところ、地元住民ら が自衛隊は違憲であり、基地建設も公益上の理由を欠くとして取り消しを求めました。札幌地方裁判所は73年、原告の地元住民らに「平和的生存権」を認め自 衛隊も違憲であるとの判決を下しました。控訴審の札幌高等裁判所は地裁判決を取り消し、代替施設を完備などにより原告には「訴えの利益」がなくなったと逆 転敗訴を言い渡します。自衛隊の違憲性には統治行為論を持ち出しています。最高裁も82年、高裁判決とほぼ同じ理由で上告を棄却しています。
●統治行為論が出てくる程度か
統治行為論とは衆議院の解散や自衛隊の あり方など高度な政治性を持つ国家の行為は司法の審査の外にあるという考え方です。違憲審査権はすべての裁判所が持つ一方で、すべての裁判所が判断をしな ければならないわけでもありません。憲法は「特別裁判所は、これを設置することができない」としていて諸外国にみられる憲法裁判所は置けないのです。
平和的生存権とは憲法前文の「平和のうちに生存する権利を有することを確認する」という部分と9条(戦争放棄)、13条(幸福追求権)を指します。
2008年、自衛隊のイラク派遣の差し止めなどを要求した集団訴訟で、名古屋高等裁判所は憲法判断や差し止めの 請求は「訴えの利益を欠く」として却下。平和的生存権は具体的権利性はあるとしつつ、原告がそれを侵されているとまでいえないと認めませんでした。基本的 に原告の全面敗訴ながら航空自衛隊の空輸活動を「憲法9条1項に違反する活動を含んでいる」との判断を傍論で示しました。
おそらく安保法制の流れも同じように動くでしょう。さまざまな集団訴訟の動きがあるなか、現時点で最も注目され ているのは松阪市の山中光茂市長を中心とした集団訴訟です。市長には市民の生命と財産を守る責務があるので訴えの利益の壁をクリアできるのではないかとみ られます。もっとも山中市長は9月末に辞職してしまうので「元市長」では難しいかもしれません。原告の主張はやはり「安保法制は平和的生存権を侵す」とな るでしょう。
これまでの経緯を考える限り、集団訴訟の規模によって裁判所が「訴えの利益」を認める可能性は低い。長沼訴訟の ように基地周辺住民の訴えでもやはり難しい。平和的生存権も「認めるものの侵害されているとまでいえない」と判断されるぐらいではないでしょうか。肝心の 憲法判断も「訴えの利益」そのものがない以上、しないでしょうし、せいぜい統治行為論が出てくる程度となりそうです。
ただ不確定な要素もなくはありません。司法が違憲性に触れずに来られたのは内閣法制局が法案を事前に厳しく チェックしているからという指摘があります。しかし安倍晋三首相は、これまでほぼ一貫して集団的自衛権の行使を認めない立場であった内閣法制局の長官に畑 違いの外交官出身者を据えました。彼は以前から行使を容認する考え方でした。いわば最高裁の違憲審査を代替してきた内閣法制局を先んじて制していたわけ で、前提が変わった以上、最高裁の役割も自ずと違ってくるべきとの考え方もできます。
また、これまでの違憲訴訟と今回の安保法制は格が違うと判断すれば、違憲判決が出る可能性がゼロではありません。そもそも統治行為論は、国 家の高度に政治的な決定まで裁くと司法の権限が大きくなりすぎ、三権分立のバランスを失いかねないという法理も一端にありました。しかし「別格」の違憲立 法を見逃したとなれば、今度は司法の権限が小さくなりすぎて、やはり三権分立のバランスを失いかねないという見方もできます。



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