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中国の抗日行事 秩序の「破壊者」は誰か 異形の国との関係に心せよ

2015-09-04 08:01:29 | 時評

2015.9.4 05:02更新
【主張】
中国の抗日行事 秩序の「破壊者」は誰か 異形の国との関係に心せよ

http://www.sankei.com/column/news/150904/clm1509040002-n1.html

奇妙な光景が世界に映し出された。北京で行われた中国の抗日戦争勝利70年記念行事である。
 天安門楼上に、習近平国家主席ら中国指導部とともに、ロシアのプーチン大統領、韓国の朴槿恵大統領が並び、軍事パレードを見守った。
 抗日戦を掲げ中国共産党の「政権の正統性」を強調しつつ、1万2千人の兵士を動員し、新型兵器の威力を誇示する好戦的な行事が繰り広げられた。
 日本や欧米主要国首脳が招請に応じなかったのは、時代錯誤とも受け取れる国威発揚の儀式に、手を貸すことを拒んだからだ。

 ≪「歴史」を覆い隠すのか≫

 自由や人権を認めない一党独裁の強権体制や、力による現状変更の試みを、国際社会はけっして受け入れない。中国はその現実こそ正視すべきである。
 習氏は「中国人民は巨大な犠牲を強いられながら、世界の反ファシズム戦争勝利に大きな貢献をした」と演説した。
 中国が9月3日を「抗日戦争勝利記念日」に制定したのは昨年だ。北京で軍事パレードが行われるのは15回目だが10月1日の国慶節以外では初めてである。
 日本に対する「歴史戦」の年と位置付け、その重要な一幕としているためだろう。国民の愛国心に訴え、政権の求心力を高めたい意図があらわだ。また、軍事パレードはそれ自体が、日本を含む周辺諸国への威嚇であることも指摘しておかねばならない。
  毛沢東の共産党軍が日本軍を打ち負かしたとする構図には、そもそも無理がある。抗日戦の主体は蒋介石率いる国民党軍であり、内戦の末に中華人民共和国が建 国されたのは1949年だ。中国共産党が抗日戦で脇役だったことは世界に広く知られている。「抗日勝利」の大がかりな祝賀から違和感は拭えない。
 その行事にプーチン氏が駆けつけ、同じ「戦勝国」として中国と歴史認識で歩調を合わせる姿勢を強調した。
 日本の北方領土は、ソ連が中立条約を無視して対日参戦し、後継国家のロシアが不法占拠を続けている。行事の直前、ロシア外務省幹部は、北方領土問題について「70年前に解決済みだ」と発言した。不当に領土を奪取した歴史を覆い隠すものでしかない。

中露両国は「戦勝国」として、戦後の国際秩序の守り手だと称している。習氏は演説で「中国は永遠に覇を唱えず、拡張も行わない」とも語ったが、いかにもむなしい言葉だ。
  中国は国際ルールを無視して海洋進出を図り、力を背景に尖閣諸島の奪取をうかがっている。南シナ海では、岩礁を埋め立てて軍事拠点化しようとしている。ロ シアはウクライナのクリミア半島を併合した。秩序の守り手どころか、破壊者の側に立っているとみられていることを認識すべきだ。

 ≪抑止力の強化を怠るな≫

 朴氏は日米の制止や懸念表明をいれずに行事に参加した。
 中韓首脳会談では、日本を含む3カ国首脳会談を来月にも開催することで合意したという。だが、安全保障上の軸として、より上位に置くべき日米韓の枠組みをなぜ軽視するのか。
 中韓には「反日」という共通項がある。日中韓首脳会談が、新たな歴史戦の舞台と化すことへの警戒も怠ってはならないだろう。
冷戦終結によるイデオロギーの破綻を受け、中国共産党政権は高度経済成長に伴う生活の向上を提供し、国民の批判を抑えた。
 だが、高度成長は格差問題などの矛盾を招いた。習政権は「新常態」と呼ぶ安定成長路線に軌道修正したが、輸出や消費の低迷などで景気が減速し、世界同時株安の発信地になった。それを糊塗(こと)するため、ナショナリズムへの傾倒を強めているのではないか。
 たとえ異形の大国であっても、日本は近隣国として関係を維持していかなければならない。だが、歴史を歪曲(わいきょく)した批判などには粘り強く反論していく必要がある。現状変更の試みを許さず、米国などと協力し平和を守るための抑止力の強化も忘れてはならない。
 オバマ米大統領は大戦終結から70年の談話で、敵国から同盟国となった日米関係について「和解の力を示す模範だ」と語った。「抗日」宣伝に屈せず、戦後の世界平和への貢献を誇り、その姿勢を貫くことが求められる。



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