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「グレート・ギャツビー」無事完走!

2022-10-09 21:40:14 | 宝塚
「グレート・ギャツビー」無事完走!

「グレート・ギャツビー」本拠地での大劇場公演はコロナの中止期間があって、結局10日間程度しか公演できなかったが、東京公演は9月10日の初日から今日10月9日の千秋楽まで無事に全日程完走できました!よかった!
3人の退団者も無事に送り出すことができて、月城さんもほっとしてたし、組長さんは泣いてた。この状況でトップだったり組長だったりするのって、ほんとうに大変だと思う。

 私は東京公演は複数回、大劇場と東京の千秋楽配信は両方、見ることができた。原作から受け取る印象やメッセージとはかなり違うものに仕上がっているのだが、それでも、小池先生の言った「宝塚版としてはこれでいいと考えています」というのは、納得できました。徹底してただ一人の女への愛の物語として作っていて、一本ものの大作にするためのボリュームを作り、ギャツビーが生きてきた裏社会の場面も見せ場にし、ゴルフの対決シーンの落としどころとか、さすがですね。(ここの設定はどうなのよと思うところもあるけどね)
 そして、その世界を、月組の全員が練り上げて、熟成していってた。大千秋楽のカーテンコールの最後で、月城さんが「大劇場では中止期間があったので舞台で練り上げることができなくて、東京は大丈夫だろうかと心配した」と言ってたけど、高い密度で、隙間なくできてた。単純な二枚目と単純な悪役がわかりやすく登場するわけでもなく、号泣しました感動しましたと終わる物語でもない難しい作品を、エンターテイメントとして見せることができていた。見事な舞台成果だと思う。
 月城ギャツビーは、回を追うごとに狂気みが増していて、思い込みが強すぎて現実を見ようとしない、手に入らないものに手を伸ばし続ける男なのに、スーツ祭りの姿の良さ、美しさと、繊細な演技、さらに増してきてる歌の力で、見る者を圧倒してくる。
月城さんは歌がうまくなってるよね。以前は、標準的にちゃんと歌えますレベルだったと思うんだけど、いまは「歌うまい!」レベルになってる。前回のショーを見て、以前よりダンスうまくなってると思ったから(ダンスが苦手と言われてたけど)、やっぱりトップになると、ポジションにあぐらかいてるってことはないんだなぁ。トップになったからにはもっとがんばらねば!となるんだろう。
 歌のパワーがすごくて、この男アブナイ人でしょとしか思えないにもかかわらず、聞いてると強烈な説得力があって、納得させられてしまう。ソロもデュエットもいいんだけど、私は特に「神の眼」シーンが好き。ミュージカルらしい大人数の場面で、ラスト、全員の大コーラスを圧して響く月城さんの声で、ギャツビーの強い思いがこちらの胸に直接届くのです。

 以前の初演・再演は見てないけど、この舞台は確かに名作となったと思うし、月城かなとの代表作(の一つ)になったのではないか。月城さんもカーテンコールで「こんなに離れがたいと思う役は初めてです。私にとって宝物になりました」と言ってた。
数年前に主演した、原作者であるスコット・フィッツジェラルドの物語「THE LAST PARTY」も月城さんの代表作(の一つ)ではないかと思っているのだが、原作者の役と、作品の主役と、両方をこういう形で演じたなんて、非常に稀有な経験なのでは?しかも、相手が海乃さんという同じコンビで。
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