それは、観たこともない物体で、UFOなのかと思ったが、高速移動するわけでもなく、風に流されている大量の風船のようにも見えた。
「うん。見える。あれはなんなの? 」
「あれが・・・。アーダル・・・」
アーダルが何を意味するのかは分からなかったけれど、彼女の悲しそうな横顔を見たら、それが、『始まり』であるという事は理解できた。
僕は茫然自失に陥って、その行方を眺めていたら、同じ球体が多方面から漂ってきて、次第に一点に集まり始めた。
メールの着信音が鳴り、急いで携帯を取り出すと、友田から、「おめでとう! まさに、奇跡がおこったな」と祝福してくれていた。しかし、喜んではいられない。
大きくなってゆく光の束を写メにとり、「彼女は、これから起きる滅びは、神の意志だといっている。とにかく東京から逃げろ。」とメールした。
光の束が膨れ上がり、なにかの形になりつつある様子を見ながら、これからどうすればいいか考えていた。彼女の預言に従うのなら僕達は滅びを受け入れるしかない。でも、本当に受け入れるだけが幸福なんだろうか。
けれど、まだ滅んではいないし、滅ぶまでには時間がある。僕が一歩前に進めば、必ず何かが始まるはずだ。
「あの・・・。」
「なに。」
僕はベンチから立ち上がると、意を決し、気持ちを言葉にした。
「逃げよう! 」
「えっ。」
今まで平然としていた彼女が戸惑っていた。急に逃げようだなんて言われたら、誰だって戸惑うだろう。でも、今、彼女にそう言えるのは僕だけなのだ。
「うん。見える。あれはなんなの? 」
「あれが・・・。アーダル・・・」
アーダルが何を意味するのかは分からなかったけれど、彼女の悲しそうな横顔を見たら、それが、『始まり』であるという事は理解できた。
僕は茫然自失に陥って、その行方を眺めていたら、同じ球体が多方面から漂ってきて、次第に一点に集まり始めた。
メールの着信音が鳴り、急いで携帯を取り出すと、友田から、「おめでとう! まさに、奇跡がおこったな」と祝福してくれていた。しかし、喜んではいられない。
大きくなってゆく光の束を写メにとり、「彼女は、これから起きる滅びは、神の意志だといっている。とにかく東京から逃げろ。」とメールした。
光の束が膨れ上がり、なにかの形になりつつある様子を見ながら、これからどうすればいいか考えていた。彼女の預言に従うのなら僕達は滅びを受け入れるしかない。でも、本当に受け入れるだけが幸福なんだろうか。
けれど、まだ滅んではいないし、滅ぶまでには時間がある。僕が一歩前に進めば、必ず何かが始まるはずだ。
「あの・・・。」
「なに。」
僕はベンチから立ち上がると、意を決し、気持ちを言葉にした。
「逃げよう! 」
「えっ。」
今まで平然としていた彼女が戸惑っていた。急に逃げようだなんて言われたら、誰だって戸惑うだろう。でも、今、彼女にそう言えるのは僕だけなのだ。