硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

 落語みたいなクリスマスのお話しを一石

2015-12-18 18:08:05 | 日記
今年は12月に入りましても暖かい日が続いておりましたから正月も来ないんと違うやろかと思っていましたが、季節と言うものは私達よりも正直なものでちゃんと寒くなって、いよいよ年の瀬を感じるようになりましたな。それでもって、街のスーパーや百貨店では年末の書き入れ時になりましたから、クリスマスと正月がごっちゃになって賑わってますけど、順番でいうとクリスマスの方が先にやってきますな。

しかし、このクリスマスと言うもの、本当の姿はよくわかっていないもんですから、宝石店で清水の舞台から飛び降りるくらいの勢いで買ったものを好きな人にプレゼントして、旨いものを食べて、ちょいとロマンチックな夜景なんか見ながらイチャイチャと逢引きしたりすることがクリスマスの過ごし方と思い込んでたりします。
これが幼子になりますと、12月24日の夜に希望したプレゼントをサンタさんが枕元に持ってきてくれるからって信じて、良い子にして待っていたりするんですね。ほんま、純粋で可愛いですな。

そういう私でも、子供の頃がありまして、サンタさんを信じているかわいい子供の一人だったんですが、いつの間にやら信じなくなってしまいまして・・・。それは良く言えば大人になったという事でございますが、汚れてしまったと言ったほうがええんと違うやろかと最近では思う次第でございます。

それはさておき、サンタクロースさんと言うお方の由来はと言いますと、4世紀頃のオランダと言う国にセント・ニコラウスさんというえらい司教さんがおりまして、そのニコラウスさんがある日、娘を身売りしなければ生きてゆけないという大変貧しい家族に出会いまして、たいそう不憫に思い、神に仕える身でもあるから、これはなんとかせねばと、早速その夜にその家族の家を訪れました。しかし、司教さんという立場もあって、あからさまにお金を差し出し「黙って、これとっとき」という訳にもいかんので、屋根の上にある煙突めがけて金貨を投げ入れたんだそうです。そしたら、それが上手い事入って、しかも暖炉の前に干してあった靴下に、これまたうまい事入ったんですな。そしてその翌朝、その靴下を履こうとした娘が、

「おとうさん! 靴下の中に金貨がはってる!! きっと神さまのおめぐみよぉぉお! 」

てなぐあいに、たいそう喜んだんだそうです。 そのおかげで、大事な娘を身売りせずにすんで家族全員で喜びましてなぁ、その話が次第に町中に伝わって、伝説になったんだそうです。そしてずいぶん経ってから、金貨を投げ込んだ人がニコラウスさんだったということがわかったんですが、その頃にはニコラウスさん、もう亡くなられていて、大変えらい司教さんであったことも相成って、命日を祝うことになって、伝説に基づいて命日には子供たちに贈り物をするようになったそうです。でも、それだけでは、この島国まで伝わりませんわな。

どうして、伝わってきたのか。 またそこからがこのお話の面白いところです。
その慣習を持ったオランダの人達がアメリカへ移住したものですから、慣習も一緒に渡ってきて、次第に根付いてゆるやかに広まってゆくんですが、ここでも少しばかりの奇跡が起こりました。
それから時を経て、今度はアメリカのある先生が病身な子供を勇気づける為に、ニコラウスさんの物語を本にして読み聞かせたんですな。そしたら、その物語が何とも美しいものですからアメリカ全土で大流行。それがさらに時間を経て、今日のサンタクロースさんの話まで姿を変えたそうなんですが、そのニコラウスさんがサンタクロースと呼ばれるようになったのは、オランダでシンタクラースと呼ばれていたから、「サンタクロース」になったというお話もあるそうです。

そんなことより恋人とイチャイチャしたり、欲しいおもちゃをねだったり、それに伴う売り上げのそろばんを弾いたりするほうがクリスマスらしいじゃないかとお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、ここはもう少し我慢していただいて、肝心のクリスマスの成り立ちも少しばかりお話しておこうと思います。

                                        つづく