南九州の片隅から
Nicha Milzanessのひとりごと日記
 





 最近、福島県からの避難者や移住者に対し、何の罪もない彼らに対し、差別が多く見られるようだ。

 船橋市では転校してきた子どもが公園で遊んでいると「放射能がうつる」と言われ、川崎市がゴミを受け入れようとしたら住民から2000件以上の苦情が寄せられ、つくば市では移住者にスクリーニング検査を科しているという。


 ついに日本人はこんなに落ちぶれた。
 なんという情けなさ…。

 世界中から支援や暖かい手が寄せられている中、すぐそばでこんな非人道的なことが平気でなされているのか!


 本心じゃないけど、あえてここでひとこと書かせてもらう。
 「あのさ。九州在住の私に言わせれば、福島も千葉も神奈川も茨城も対して変わらず、一様に放射線物質の汚染地域だと思うんですが。なに、狭い範囲で目くそ鼻くそを笑うようなこと言ってんだろう?」

 すみません。
 あえて書かせていただきました。
 ごめんなさい。私もイヤな奴ですね。


 でも、ふと、こう思った。
 今度は中国や韓国の人から、きっとこう言われるだろう。「オレから言わせればさ、日本全体が放射線物質汚染地域だと思うんだよ。え、九州? 福島から遠いって? いやいや、日本の一部じゃん」

 そうこうしていると欧米の人から「東アジアはもう汚染されててヤバいよね。旅行や~めた」と。


 …。
 …。
 そう。
 こうして差別は始まっていくんですね。



 誰しも人間だ。
 差別や嫉妬の心がない人なんて、よほどの聖人君子でもない限り、現実にはいないだろう。

 ベンチを暖めているスポーツ選手は、レギュラーがケガをすると「よし来た」と自分へのチャンス到来を喜ぶだろう。
 同期入社の社員で、誰かが先に出世すれば妬むし、誰かが失敗して左遷されたら心で小さくほくそ笑むだろう。
 外国人が街を歩いていたら、それが西洋人だったら「カッコいい」「金髪がキレイ」とか思い、黒人やアラブ系の人だったならば「襲われるかも」「殺されるかも」とか感じる人は少なくないのではないか?

 実はテレビはもっとひどかったりする。
 外国人の言葉を日本語を吹きかえる際に、黒人の人は「オレ様は~」「~だぜ」だとか、老人の人は「わしは~」「~じゃ」だとかをよく使うのを耳にする。
 本当は「わたくしは~」「~でございます」とか丁寧な言葉を言ってるのかも知れないのにね。
 まあ、雰囲気を出したいのは分かるんだけど…。


 「他人に勝ちたい」「他人よりいい地位に就きたい」というのは人間が動物である以上、当たり前の行動であり感情だし、それがあったからこそわれわれ人類がここまで進化したのだということは否定しない。
 でも、こんな殺伐とした世の中でいいのか?


 東日本大震災の被災者に対し、「かわいそう」とか「ガンバレ」という、感情が入っていなくても使える便利な言葉で片付けてないだろうか。
 「じゃあ、お前は何をしたんだよ」と言われると、返す言葉がないんだが…。

 ああ、どうすればいいのだろう。
 せめて、傷口に塩を塗りこむようなことだけはしないようにしなければ。

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