「ネコの目のように変わる」・・・なんてよくいいいます。
ネコの目は、周辺の明るさに応じて、明るいときは、瞳孔が糸のように細くなり、
暗いと、目全体に瞳孔が広がったりして、目の様子の変化が激しいことから、
このような言葉が生まれたのです。
どちらかというと、あまり良い意味にとられていませんね。
「あいつの言うことはネコの目のように変わるからな!」
「政治家の言うことなんか信用できへん、ネコの目のように言うことがコロコロ変わりよるねん」
なんて、悪いことの形容詞になってしまっています。
ネコは、夜行性動物でしたから、夜の闇の中で、わずかな光をたよりに、
ネズミを見つけなくてはなりません。このため、感度のいい網膜を持っていて、さらに、
一度目を通った光を反射させて、弱い光を増感することもします。目が光るのはこのためです。
夜行性で、夜にこそ目が大事なので、目が夜によく働くように感度が良くなっているわけです。
このため、ネコは、昼の明るすぎる光は、極力目に入れないようにし、
明るいところでは糸のように細い目になるのです。
昼行性の動物は、昼に目がちょうどよく働くようになっているので、
人もそうですが、昼の明るいところでの瞳孔が普通に開き、
ネコのようにこんなに細くなりません。
明るいところでの瞳孔の開き具合で、昼行性か、夜行性かわかります。
時計の無い江戸時代は、ネコの目の細さで何時かを知ったということが言われています。
むかしは、ネコの目の瞳孔の細さで、おおよその時間の見当をつけたのですね。