50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

日米詩の朗読会。

2007-05-14 02:37:03 | 映画・演劇・文学
12日の夜、パリで、日米の詩人による詩の朗読会が行なわれました。会場は、日本語の情報誌“ovni”を発行しているESPACE JAPON(エスパス・ジャポン)。


11区、バスチーユから歩いて5分ほど、サン・マルタン運河の近くにあります。ちょっとした中庭に面した一軒家風の建物です。1階が図書室(会員になると書籍やCDなどが借りられます)、2階が日本語、フランス語、書道、折り紙などの教室、そして3階は編集室になっていたと思います。先人たちの知恵でご紹介している本もここで借りています。
*ovniのホームページ:http://www.ilyfunet.com/ovni/

詩の朗読会のタイトルは“EAST MEETS WEST”。実はこのタイトルにも興味を惹かれて聴きにいきました。というのは、バンコクに駐在中、この名前の(あるいは逆のWEST MEETS EAST?)人材会社から外資系への転職の案内をもらったことがあります。面接もせずお断りしてしまったのですが、転職していれば、その後は大きく変わっていたかもしれないですね。

と、いきなり、詩とはまったく関係ない個人的な話からで恐縮です。

さて、当日、詩の朗読をしたのはニューヨークに住むSteve D. Dalachinsky(スティーヴ・ダラシンスキー氏)とユーコ・オートモ氏。

ダラシンスキー氏は、1947年生まれで、NYのダウンタウンに住み、ジャズの前衛家とのコラボレーションをよく行っているそうです。一見、ウッディ・アレンをちょっとだけ髣髴させる小柄な風貌で、開演になるまで、客(殆ど知り合いのフランス人のようです)とおしゃべりを。気難しい詩人というイメージではなく、客に気を使うエンターテイナー、あるいは社交好きなインテリ、といった感じでした。

まずは、ユーコ・オートモ氏が日本語と英語で自作の詩を朗読。NY在住だそうですが、パリにもよくいらっしゃるそうで、パリで書かれた詩をまとめた詩集からの朗読でした。椅子に座られ、静かに朗読される姿からは、どことなく岸田今日子さんを連想してしまい、日本の朗読だな~と思ってしまいました。

そして、ダラシンスキー氏。この夜も、アルトサックス(仲野麻紀氏)、ドラムス(佐藤真氏)、打楽器(ディディエ・ラセール氏)を加えたジャズとのコラボレーションでした。

新大統領・サルコジ氏からインスピレーションを受けたという詩など、やはりパリで書かれた詩を含め、自作の詩を歩き回りながら、腕を打ち振りながらの熱演。オリジナルがそうなのか、ジャズの演奏に合わせているのか、しばしばコトバの、あるいは音節のリフレインを入れて、まさに魂の詩といった印象です。いかにも、NYの詩人という印象でした(聴いたことがない私の勝手な印象ですが)。ただ、時々ジャズの演奏の音量に負けて、聞き取れないところがあったのが残念でした。

アメリカと日本の詩人に、日本、フランスのジャズ奏者が加わり、観客は殆どがフランス人という詩の朗読会。そして会場は日本語の本に取り囲まれた図書室。確かに“EAST MEETS WEST”、というかインターナショナルな夜ではありました。

では、フランスの詩人による朗読はどのようなのでしょうか・・・次の興味です。早速、聴きに行ってみたくなりました。

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