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パリの善意、捨てたものではない。

2006-11-08 02:12:21 | マスコミ報道
フランスの新聞を読んでいると、よく“SDF”という単語に出会います。Sans Domicile Fixe、要は住所不定です。日本の感覚からすると、住所不定であれば働いていない、と思ってしまうのですが、10月17日付のmetro(メトロ紙)によると住所不定者の35%が仕事を持っているそうです。働いている、つまり定収入があるのにも拘らず、決まった住所がなく、公園やメトロの駅などで夜を過ごす人がいる・・・?


そのメトロ紙ですが、具体例として、コートジヴォワール出身の男性SDFを紹介しています。39歳、IT技術者、月収1,600ユーロ、フランスには21年住んでいる、妻と娘二人とは離婚後別居、従って一人暮らし、9月中旬から住まいを失い、路上生活者に・・・住まいを探しても、保証人がいないがために借りられない。時々、慈善団体が用意する施設の簡易ベッドで眠ったりしているが、それ以外は屋外の夜露をしのげる場所で眠っている・・・

この記事が掲載されるや、新聞社の電話は鳴りっぱなしだったそうです。ぜひ援助の手を差し伸べたいという申し出です。善意の電話!その中から、20㎡の家具付きスチュディオを家賃500ユーロで借りることになったそうです。めでたし、めでたし。


結果報告をする11月3日付のメトロ紙です。新居で記者にコーヒーを淹れる件の男性。パリの善意も捨てたものではないようです。

しかし、敢えて水を差してしまうと、マスコミに紹介されたからの幸運で、同じような境遇の人は他にたくさんいる。また、新聞社にかけられた善意の電話の中には結構多くのいたずら電話があった。善意あれば悪意もある。人の世ですね。

最低気温がマイナスになろうとしている、初冬のパリ。一人でも多くのSDFに暖かな住まいが提供されるよう願わずにはいられません。一外国人の私にできることは・・・?


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