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「晴行雨筆」の日々から生まれるもの

麻布大学キャンパスのカキノキへの鳥類による種子散布

2020-11-26 08:48:41 | 研究
2020.10.8
麻布大学キャンパスのカキノキへの鳥類による種子散布
高槻成紀
麻布大学雑誌

私は2007年に麻布大学に移りましたが、2009年にキャンパス内のカキノキにくる鳥が外部から運んできて落とす種子の調査をしました。
 森林の動態は極めて複雑であり、種子散布一つをとっても、多種が重なり合って生育しており、林床に植物や枯葉があるために実際の調査(種子の回収)が困難です。その点、都市緑地では樹木が孤立しており、林床が土か、場合によっては舗装されているので、回収が可能です。注目したのは - 対象として樹木の下にその樹木の種子が落ちるのは当然ですが - 鳥類が持ち込んだ別の樹木の果実も落とされる点です。調べた結果少なくとも37種、7918個の種子が確認され、外部から多様な種子が持ち込まれていることがわかりました。

センダンの果実を食べるヒヨドリ

表1 麻布大学のカキノキに鳥類によって運び込まれた種子または核。回収期間は2009年11月、12月。

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