広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

男鹿線にタラコ

2016-01-13 23:52:25 | 秋田のいろいろ
ブレていますが、
男鹿線の列車
キハ40系3両編成。前(左寄り)2両は、いつもの白地に緑のラインが入る塗装。最後尾の1両は、オレンジ色。

このオレンジ色は、国鉄時代末期の1970年代後半から、普通列車用気動車(ディーゼルカー)の標準塗装として使われていた色。単色だから塗装作業が簡単に済むというのが、採用理由らしい。かつては多くの車両がこの色をまとっていて、キハ40系も最初は全部この色だった。
しかし、JR化後、国鉄の面影を払拭し、各社・各地域ごとの特色を出すべく、さまざまな色・デザインに塗り替えられていった。

その後、ここ15年ほどだろうか「リバイバル塗装」などと銘打って、一部の車両だけ国鉄時代の塗装に復活するものが散見されるようになり、この色もちらほらと各地で復活していた。(JR西日本では、経費節減という国鉄時代と同じ目的で、本格的に復活しているとのこと)

JR東日本秋田支社では、五能線で2003年度に3両を「国鉄メーク」としてオレンジ色を復活。白地に青ライン(男鹿線の色違い)の塗装の車両と混ざって走っていて、何日のどの列車に入るかを、ホームページで公表している。
五能線の車両は、点検整備のため奥羽本線で秋田まで来る(朝の上りと夜の下りで営業運転)ことがあり、秋田駅周辺でも見る機会はあるが、男鹿線に入ったことは見たことも聞いたこともなかった。
(再掲)国鉄メーク×2両で臨時列車として走った時

ネット上の情報によれば、昨年のクリスマス頃から、男鹿線にもこの塗装の車両が登場したそうだ。冒頭の写真がそれで「キハ40 2018」。【14日補足】五能線の車両が回されてきたのではなく、従来から男鹿線を担当していた車両を塗り替えたもの。
2013年11月にピカピカの塗装だったのを紹介していた車両だ。寒冷地仕様ではない「暖地向け」仕様という、秋田では珍しい存在でもある。
車内は、デッキ付きセミクロスシートの原型のまま(シートの色はグレー)のはず。
(再掲)男鹿線塗装だった頃のキハ40 2018

この調子で、この後何両かがこの塗装になるのだろうか。
また、リバイバル塗装は、廃車・引退が近い車両で行われるケースもある。とりあえず1本だけ蓄電池車が入ることは決まったけれど、さらに遠くない将来にはキハ40系がなくなることを、塗装変更が示唆しているのかもしれない。

乗客としては、通常塗装にはあるナマハゲの顔と「男鹿」の表示がなく、戸惑う人もいそう。
それに、愛好家向けに五能線のようにホームページで運用を公開しないのだろうか。公開したとしても、五能線よりも3両編成以上の中間に入る場合が多く、写真撮影などはしにくそうだけど。


ところで、この塗装に使われる色は、国鉄内部では「朱色5号」と呼ばれた。JR東日本秋田支社のホームページでは「朱5号」としている。
愛好家の間では、最初に東京近郊で採用されたことから「首都圏色」、あるいは色合いから「タラコ色」と通称される。「タラコ」は、国鉄時代は評判が悪い塗装だったことから蔑称のニュアンスが強かったようだが、今は親しみをこめて使う人も多いと思う。

僕は子どもの頃に、朱色5号の車両を見ているわけだけど、単調で好きではなかった。だけど今見ると、これはこれでいいとも感じる。全部がこれだったらつまらないけど。
それに、記憶にある国鉄時代の朱色5号は、今見るよりもくすんでいた。今はだいぶ鮮やかなタラコになったのは気のせいだろうか。

【2016年3月27日追記】
その後、2016年3月26日のダイヤ改正(の少し前)から、キハ40-2018は五能線を走るようになった。さらに、同じく男鹿線を走り、秋田で唯一の「1000番台」であったキハ40-1006も、タラコ色になって五能線へ。
従来の3両と合わせて、計5両のタラコが五能線を走ることになった。予定されている新車両導入を見据え、キハ40系ラストランの意味合いなのだろうか。
同時に、キハ40系の暖地仕様である1000・2000番台が走る最北路線が五能線となった。

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4 コメント

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たらこというより鮭 (FMEN)
2016-01-14 02:07:40
紅鮭みたいな色です。
市民市場の塩干物売り場みたいですが。
こっちのほうが好きですけどね。

この車、引退間近となると485みたいになるんでしょうか?
土崎工場は解体待ちの国鉄いなほがいくらかありました。
あれはラピュタの死んだロボットみたいななんとも言えない気分に。
秋田港には輸出前のあけぼのが大量に並べてましたが…
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引退フィーバー? (taic02)
2016-01-15 00:20:33
海産物系の色でしょうかね。

鉄道ファンの中には、廃止・廃車が近くなるとフィーバーになる人がいますからね。それなりに注目はされるでしょう。
でも、まだ全国各地を走っているキハ40ですし、一般人で鉄道に少しだけ興味がある人が興味を示すような車両でもないでしょう。だから、ブルートレインとかE3系の時ほどの過熱はなさそうな気がします。
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タラコ色 (sats)
2016-01-15 15:10:26
>それに、記憶にある国鉄時代の朱色5号は、今見るよりもくすんでいた。今はだいぶ鮮やかなタラコになったのは気のせいだろうか。

当時の塗色は色あせやすかったそうなので、今回の車両のような鮮やかな色だったのは塗り立ての頃くらいだったのでしょうね。
「タラコ」の名も色あせ具合から来ているようですし。

国鉄色といえば、小海線ではキハ110系に首都圏色・急行色が塗られているそうです。
真四角なボディにあの塗色というのが少々違和感ですが面白い組み合わせだなと思いました。
花輪線・北上線でもこういう車両が見てみたいです。

かつて「よねしろ」用に使われていたキハ58は晩年は緑+白の塗色で、廃車が決まった時は「最後に国鉄急行色とかに塗り替えたら面白そうだな…」と思っていましたが結局そのまま廃車に…。
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色あせ (taic02)
2016-01-15 22:58:09
国鉄時代とは塗料(の組成)が違っていたのですね。くすんだというよりは「あせて」いたとは、納得しました。

小海線キハ110系の首都圏色はテレビで見たことがありました。2色塗り分けの急行色バージョンもあったのですね。
改めてネットで見ると、首都圏色はわりと似合っているようにも感じました。急行色は、国鉄型車両より正面の窓が大きいせいか、どこかアンバランスです。

形式が違うと違和感があるにしても、塗装を変えるのも楽しいですね。
男鹿線・五能線の今の1つ前(JR化後直後~1995年頃?)の塗装も、再び見てみたいです。
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