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サザエさんが半押し/故障

2012-07-03 23:44:37 | デジカメ
1日放送のアニメ「サザエさん」の1話目は「姉さん半押しの人(ナンバー6646、脚本 雪室俊一)」。
「半押しの人」とは「一押しの人」に掛けたのだろう。
なんとも風変わりなタイトルであり、雪室さんらしい。(雪室作品は奇抜なタイトルのことが多い)
※サザエさんについての以前の記事はこちらこちら

オートフォーカスカメラでピントを合わせる時に行うシャッターボタンの「半押し」操作を題材にした作品。
サザエがマスオから借りたカメラでピンボケ写真ばかり撮ってしてしまい、その原因はサザエが半押しを知らなかったからだということから展開する話。


作中では、マスオが「(サザエが半押しを)知っていると思って教えなかった」、カツオが「大の大人が半押しを知らないなんて」と発言した。
一方、ワカメ、タイコ、花沢さんは半押しを知らなかった。(波平も?)
カツオは「(波平と姉さんは)せっかちだから一気にシャッターを押す」とも。

いまだに、磯野家の居間には4対3画面の“家具調テレビ”が置かれている(デジアナ変換して見ているのかもしれないが)ように、時間が止まっているようなサザエさんの世界において、“新技術”であるオートフォーカスカメラを示す「半押し」というフレーズが出てきたのには驚いた。(ちなみに、作中に出てきたカメラはデジカメでなくフイルムカメラだと思われる)
「キテレツ大百科」も手がけた雪室さんらしいテーマだ。
ちなみに2010年11月頃放送の「父さんは古い人」では、なんと「合コン」という言葉が出てきた(波平が合コンに誘われる話。やっぱり雪室作品)。その時はもっとびっくりした。

オートフォーカスカメラは1980年頃に登場したらしい。
一般家庭に普及したのはもう少し後だと思うが、30年近く経って、サザエさんに取り上げられるほど当たり前の技術になったということだろうか。


ところで、現実世界の一般人では「半押し」はどの程度認知されているのだろうか?
最近は携帯電話機だけで写真を撮影する人も少なくないし、十数年前には使い捨て(使い切り、フイルム付き)カメラもよく使われていた。そういうカメラには「半押し」の概念がない。(一部の携帯電話にはあるのかな?)

ネットで調べると、2007年にインターネットコムと goo リサーチが行った「デジタルカメラに関する調査」で、半押しの認知度が調査されていた。
結果は、半押しを知らない人は、デジタルカメラ所有者の中ではわずか5%だった。

これはカメラを持っている人に対する調査だし、おそらくネット上での調査だから回答者の年代や機械の扱いの習熟度にそれなりの偏りがあると思われる。サザエさんみたいにカメラを持っていない人や機械に弱い人だとぐっと高くなると思われる。
僕の知っているとある高齢者は、フイルムのオートフォーカスカメラを愛用しているのだけど、半押しを知らない。ツーショット写真だと背景にピントが合ってしまうし、勢い良くシャッターを全押ししてしまうものだから、ブレてしまうこともある。(しかもいくら説明しても理解してくれない…)

そういう点では、「姉さん半押しの人」は半押しの周知に貢献する作品といえるかもしれない。



ところで、作中でマスオがサザエに、暗いところ撮影する時は「半押しすれば(撮影する時に)自動的にストロボがつく」と説明するシーンがあった。
「ストロボ」の意味は多くの日本人が知っていると思うが、アメリカの「ストロボリサーチ社」という企業の登録商標が一般名詞化したもの。少なくともNHKでは積極的には使わないことばだろう(と言っても、最近は…)。
一部メーカーでは「スピードライト」と呼ぶが、これは知らない人も多い。無難に「フラッシュ」でいいと思うのだけど。

ちなみに、以前(ここ1年くらいの間)は食品保存容器を指して「タッパー」という言葉が何度も出てくる作品もあった(たしか雪室作品)。これはタッパーウェア社の商標。
別に目くじらを立てるつもりもないけれど、サザエさんにしては意外。



アニメのサザエさんの作品中には、新聞連載当時の4コマ漫画がさり気なく(堂々と?)盛り込まれている。4コマ作品のリストがあり、一度使った作品はその後何年間は使わないという配慮をしているそうだ。【4日追記】「サザエさん公式大図鑑サザエでございま~す」によれば1度使った4コマ作品は「2年以上」使わないとのこと。
昔はたまに見かけた作品で、ピンボケをテーマにしたものがあった。
サザエが波平に向かって「父さんピンボケね」と笑う。
その声を聞いたマスオが「いくら本当のことだからって、お義父さんに失礼じゃないか!」とサザエを怒る。
実は波平とサザエは、波平の撮影した写真を見て会話していたのであり、サザエは「波平の撮った写真がピンボケ」と言っていたのに、マスオは「波平自身がピンボケ」と勘違いしたのだ。
そして波平が怒り、マスオが気まずくなる。
といった話。
今回の「姉さん半押しの人」に挿入してもいいような話だったが、波平は写真撮影に関わらなかったからか、使われなかった。



で、「姉さん半押しの人」では最終的には、サザエが半押ししなかったことがピンボケの原因ではなく、カメラが故障していたためだったらしい。(この辺はあいまいに見てました)
マスオが「シャッターの調子がおかしいので店に持って行くと、シャッターの部品が壊れていた」そうだ。
シャターの部品の故障ね。




実は、我がオリンパスのデジタル一眼レフカメラE-520も、先月、シャッターが故障していました!

ある日、撮影していると、何やら黒いものが写り込んだ。
撮影画像を見ても、ファインダーで見ても、ライブビューにして液晶画面で見ても、同じ。
カメラを傾けたりすると、その黒いものが動く。
エラー表示などは出ず、半押しするとピントが合って撮影できる場合もある。
これ
もう3年半も使っているカメラだから、壊れてもおかしくない。裏ワザでシャッター回数を確認すると、6万回を超えていた。(最初の1年間で2万回を超えていたから、ペースはほぼ一定)
購入した店に見てもらうと「シャッター幕」が中で外れてそれが写っていることが判明。
レンズも合わせて点検することを勧められ、メーカー送りとなった。

見積もり後、1週間ほどでカメラ本体のシャッター部品を交換して戻ってきた。(土日やお店とのやり取りもあるので、実際にはもう少しかかった)
ついでにビスを1つ交換してくれたとのこと。溝に詰まっていた汚れがなくなるなど、全体的にきれいになっていた。
当然だけど各種設定は初期状態に戻っていたが、電池を入れたまま出したためか時計は合っていた(修理後に気を使って合わせてくれたのかな)。
修理費用は2万円弱。レンズは異常なしとのことで、費用はかからなかった。

これからも、大切に使っていきます。

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4 コメント

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Unknown (Unknown)
2012-07-04 23:37:39
内容見てない(長谷川町子の漫画はあらかた読んだせいか、アニメーションは毒が無さ過ぎて面白くない気がする)ので、どんなカメラだったのか分かりませんが、

世界初のオートフォーカスカメラは1977年発売の「ジャスピンコニカ」ですな。

一眼レフになると1981年の「ペンタックス ME-F」となりますな。同時期にオリンパスOM30、キャノンAL-1、ミノルタX600、ニコンF3AFなんかが発売されましたが、オートフォーカス対応レンズが殆ど無い上、動作も遅いどころの騒ぎではなく、事実上「ピントが合っているか確認するための機能」でしたね。

1985年のミノルタ「α7000」が実用的なオートフォーカス一眼レフの最初となりますが、この頃でも使い勝手がいいとは言えませんでしたねぇ。

違和感無く使えるオートフォーカス一眼レフは、1987年のキャノン「EOS650」からですね。

…10年ほど前から、写真趣味関係で知り合った人でも「手動でピントを合わせたことが無い」と言う人が増え始めましたが、最近は、マニュアルフォーカスのカメラなんぞ使っていると逆に変な目で見られるようになりました。
返信する
ピント合わせ (taic02)
2012-07-05 00:16:34
サザエさんは原作とアニメは別物だと割り切って見たほうがいいでしょう。
カメラの細部まで見ていなかったですが、10年くらい前のデジカメ普及以前は各家庭に1台あったような、フイルム自動巻き上げのコンパクトカメラっぽい外観のグレーのカメラだったような気がします。(違うかも)

解説ありがとうございます。
最初のオートフォーカスカメラは、フォーカスロックができなかったらしいですね。半押しの概念はまだなかったのでしょう。

かくいう僕自身も、手動でピント合わせしたのは、説明書を見ながら試しに何度かやっただけです。
オリンパスのデジタル一眼レフは、ごくたまにピントを外してしまうのが難ですが、初めて使った時はコンパクトカメラと比較にならない合焦の速さと正確さに驚きました。
ともかく、昔を考えると便利になったものです。

携帯電話でしか撮影したことがない人も増えるでしょうから、これからは「ピント合わせ」の行為自体を知らない人も多くなってしまうのかもしれません。
返信する
Unknown (Unknown)
2012-07-05 21:02:40
 あのぉ、「シャッター半押し」と、「ピントを合わせる」行為はあまり関連が無いのですよ。

 元々、カメラには「半押し」なんていう機能はありませんでした。ライカ(バルナック型は勿論M4まで)・コンタックス(独逸製)・ニコンFの頃は露出計も付いてませんでしたからね。

 他社は知りませんが、私はニコン党なのでニコンのカメラを使って説明しますと、

ニコマートFT(それ以前のニコレックスは良く分からん)に露出計が装備されました。巻き上げレバーを予備角に引き出せば露出計のスイッチが入り、元に戻すとスイッチが切れる(会社によってまちまち)ようになっていました。

この頃は露出計以外に電源は不要(シャッターは切れるから、最悪の場合ヤマカンで露出を合わせ、写す事が可能)だったのでよかったのですが、ニコマートEL辺りから電子シャッター(要するに、電池がないとシャッターすら切ることができない)を使うようになると、「スイッチを切らない限り延々と電池を消費する」ことが問題になってきたのだと思います。おそらく、「スイッチを切り忘れ、いざ写す時になったら電池が残っておらず、シャッターチャンスを逃す」事例があったのでしょう。

そこで、「一定時間が過ぎると自動的に電源が落ち、シャッターを半押しにすると電源が入る」機能が搭載されるようになりました。1977年発売のFMはこの機能がありませんが、1980年発売のF3、EMにはこの機能(シャッター半押し機能)が搭載されております。

つまり、「シャッター半押しでフォーカスロックされる」と言うよりも、「シャッター半押しによってカメラの電源が入り、諸般の機能が動き出す」と解釈すべきではないかと。

蛇足ですが、「シャッター半押し」だけではフォーカスロックはされていません。一眼レフの場合(ミラーレスは良く分からん)フォーカスロックのボタンが別に付いており、それを使用しないとアングルを変えただけでピントが動きます(うまく言葉で説明できないので、実験してもらうしかない)。

なお、「フイルム自動巻き上げのコンパクトカメラ」という事は、今では差別用語になってしまうタイプのカメラだと思います。ならば、大概は「ピントが合わない限りシャッターが切れない」機能が付いていると思いますので、個人的にこの脚本は納得できませんね。
返信する
半押し (taic02)
2012-07-05 22:28:45
コンパクトカメラやデジカメでは、電源ボタンが独立してあるものしか知りませんでした。
半押しがそんな役目をしていたのですね。

>フォーカスロックのボタンが別に付いており
「親指AF」と言われるものでしょうか。ファインダーの横にあるボタンを使う。
>アングルを変えただけでピントが動きます
これはコンティニュアスAF(キヤノンではAIサーボ)でしょうか。
いちおう、なんとなくは知っていましたが、半押しで済ませてしまっています。

サザエさん家のカメラは、カメラ自体が故障していたそうですので、ピントが合っていなくても撮影できてしまったのでしょう。ということにしておきましょう。
なお、サザエさんの撮った失敗写真には「目的の被写体以外の物にピントが合っていた」というものもありましたので、これなら問題ないですね。
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