広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

カダーレ

2012-11-08 23:32:08 | 秋田のいろいろ
由利橋を見た際、噂の「カダーレ」も少し見てきた。
由利本荘市のJR羽越本線・羽後本荘駅からすぐの、由利組合総合病院跡地(1994年移転)に、昨年12月にオープンした市の施設で「由利本荘市文化交流館 カダーレ」が正式。
「市の文化・芸術の振興並びに市民交流の活性化を図り、中心市街地のにぎわいの創出を目的」に、由利橋に近い美倉町にあった本荘文化会館、本荘図書館、本荘中央公民館の機能を移転し、プラネタリウムなどの教育施設、物販・飲食店などを集約したもの。
「カダーレ」とは、秋田などの方言で「仲間に入る、参加する」という意味の「かだる(加担る?)」の命令形「かだれ」に、「語り合おう」の意味を掛けてあるようだ。

敷地面積1万3335平方メートル、地上3階、地下1階、延べ床面積1万1750平方メートル。
設計者は新居千秋都市建築設計、総事業費78億5034万円(接続する市道整備を含めて84億235万円)。
設計者が同じ、岩手県の「大船渡市民文化会館・市立図書館 リアスホール」に内外とも共通性があるという話。

斬新なデザインが注目を集めた一方、多額の建設・維持費用がかかることや、駐車場が少ない(150台。イベント時は遠方の駐車場からシャトルバスを運行)ことなどが問題視された。
自分で実物を見てみないといけないと、かねてから思っていた。
駅から歩くと、左側に出現
向かい側(写真では手前)には丸ポストがあるが、
白ペンキで文字を書くのを忘れたの?

カダーレ北側
開館時の魁新聞によれば、コンセプトは「21世紀の科学の船」だそうだが、そんな気がしなくもない。
頭でっかちでバランスが悪そうなのと、角張っていて周囲とあまりマッチしていないような印象で、外観はあんまり好きになれない。コンクリートそのままの外壁も、冬は寒々しく感じそう。

内部は、通路が一直線でなく、ごちゃごちゃしていて迷いそうという話を聞いていた。
北側から入ると、物産館、レストラン、休憩スペースなどを経て、その一直線でない通路に入る。通路は「わいわいストリート」と呼ばれる。
わいわいストリート
わいわいストリートの壁面は外壁以上にカクカクしていて、表面には筋が入り、照明が埋め込めれていて星のように光る。
たしかに一直線ではないし、途中で分岐してまた合流したりするが、迷うほど複雑ではないと思った。さほど圧迫感はなく、コンクリートの冷たさもさほど感じず、なかなかいいんじゃないだろうか。

建物の大部分を占めるのが、約1100人収容の大ホールと図書館。
ホールはこの日使っていて入れなかった。ホールや隣合う空間の壁を取っ払うことができ、そうすると建物を貫く(わいわいストリートと並行してということか)、長さ80メートルの「スーパーボックス」というものができるのだそうだ。

由利本荘市中央図書館入口
わいわいストリート沿いに、図書館の中が見える窓はあるのだが、出入り口は1つしかなく、けっこう小さい。(屋外から直接出入りできる玄関も別にあるようだ)
 これらは窓
図書館内は床や本棚などが濃い茶色の木製で統一されていて、落ち着いていて温かみがある。
図書館内も壁に凹凸があり、そこを利用して閲覧・学習スペースが分散して配置されている。落ち着いて読書ができそうな作り。
図書館部分も2階建てになっており、階段が曲がっていて、わいわいストリート上に通路があるなどなかなか複雑な構造。さすがにこれには迷ってしまいそうになった。
図書館2階からわいわいストリートを見下ろす
内部見学はこの程度。
駅前の案内表示では「カダーレ」が英訳されていない
カダーレ開業時には、年間16万人が利用すると予想していたが、それを大きく上回って、昨日7日で50万人を突破した。まずは順調な船出か。


この後、秋田市のエリアなかいちの新しい県立美術館も見てみた。
どちらも病院跡に市街地活性化のためにできた、建物に特徴がある公共施設という共通点がある。個人的には、カダーレのほうが利用しがいがあると感じたし、建物のデザイン(外観はちょっとですが)や使い勝手も上のように思えた。


美倉町の旧文化会館・図書館跡は、
既に更地になっていた
子吉川沿いの案内表示も、
再掲)以前の表示(赤丸はここでは関係ありません)
現在は、
文字が消されていた
跡地には、5階建ての由利本荘市消防庁舎やコミュニティ体育館ができるようだ。


すぐ近くのジョイフルシティ跡(2010年11月の模様)もすっかり更地になり、草ぼうぼう。

一部はグランドホテルの駐車場として使われているようだが、広大な空き地はどうなるのだろう。

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2 コメント

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Unknown (聞茶)
2012-11-10 20:05:39
先月本荘を訪ねた者ですが、カダーレ建物の入り口も「Yurihonjo City Culturail Center」との表記で
「カダーレ」そのものは英訳されてませんでしたね。
本荘の小学校では「仲間に入れて」という意味で「かたして」と使っていましたから(その後秋田市に転校した際に通用しなくて驚いたものです)
愛称にはちゃんと地域の言葉が生きている感じがして好印象です。
スーパーボックスは建物そのものを貫通して南北の道路までオープンにすることが出来るそうなので
最大135mまで行けるそうですよ(「新建築」2012年7月号より)。
いずれにせよ巨額の建設費を掛けて作ったものですから、
これから由利本荘の人がどう活用していくかが大事だと思います。
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かだる (taic02)
2012-11-10 23:53:19
秋田市では「かたして」は使わないと思います。同じ意味で「かた(だ)らせて」と言うかな?
「かだる」は津軽弁でも使うはずです。
無理に英訳しても伝わらないから、外したのでしょうかね。
ちなみに、Jリーグ「カターレ富山」は、関係ないみたいです。

スーパーボックスのことは、帰ってから知ったため、現地をよく見ていないこともあって、いまいちイメージや明確な意図がつかめません。外と直結のようですから、冬や雨の日はあまり使えなさそうな機能でしょうか。

図書館もあるし、お年寄りなどの休憩・交流スペース的にも使われていて、とりあえずは人は集まっていると感じました。
これが街の賑わいにもつながればいいのですが。
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