国の「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」の一環で、全国各地でプレミアム付き商品券が発売されている。
秋田市でも「秋田市プレミアム付き商品券」という素直な名称(愛称なし)で、夏と冬に10万セット・12億円分ずつが発売される。
1000円券×12枚を1セットとして1万円で発売。秋田市民以外も含む小学生以上が1名につき3セットまで購入できる。全国的に見ても、一般的な発売方法ではないだろうか。
夏分は、7月から8月末までに使い切らないといけない。(有効期間は全国的に見て短いほう)
秋田市では発売開始数日で完売となり、並んだのに買えない人が出たなどの目立ったトラブルはなかった模様。報道によれば、使用できる店舗の紙の一覧表の印刷後、新たに参加した店舗については、ホームページ(と店頭の表示)だけでの告知となり、ネットを使えない人には不親切という意見はあったようだ。
我が家では、額面に満たない1回当たり1000円未満の買い物をすることも多く、8月までの短期間で1万2千円を使い切る自信がない。つい無駄な買い物もしてしまいそうだし、購入しなかった。
したがって、興味はなかったのだけど、店に行くとポスターなどでその存在は目に入ってしまう。すると、ちょっとした疑問が生じた。
実は秋田市の商品券は、1セット1000円×12枚が同じ効力の券ではなく、「共通券」「中小店専用券」各6枚ずつの構成。
両者の違いは、使える(=買い物できる)店。※正式には「商品券取扱事業所」と呼ぶらしい。
「共通券」では登録店舗すべてで使用できるが、「中小店専用券」ではその名の通り小さい店だけで使えて大きな店では使えない。
基本的には秋田市にあるどんなお店でも、希望すれば取扱事業所として参加できるから、イオンとか家電量販店のような県外資本の大型店も参加している。
だから、制限なしにしてしまうと、大型店でばかり券を使われてしまい、地元の小さいお店では使われずに終わってしまいかねない。「地方への好循環拡大に向け~」うんぬんという本制度の趣旨からすれば、それでは意味が薄い。だから、小さい店専用の券を作り、少なくとも半額は地元が潤うようにした。
報道などでもそんなニュアンスで伝えられており、僕はそのように理解していた。
さて、食品スーパー・秋田生鮮市場保戸野店のチラシでは、
「どちらもお使いいただけます。」
へー。そうなのか。外旭川のうえたや通町のせきやも同様。まあ、そういうもんでしょう。
イトーヨーカドー秋田店撤退後のビル「フォンテAKITA」地階に入った食品スーパー、ザ・ガーデン自由が丘西武秋田店(運営は西武秋田店)のレシートでは、
「共通券のみ ご利用できます。」
おや?
ザ・ガーデンは地階だけなので、規模としては生鮮市場とさほど違わないのに、商品券の扱いは違うのか。
運営する会社の本社所在地とか規模の違い? チェーン店と単独店の違い? 大型店/中小店の基準って何?
商品券の公式ホームページを見ると「「中小店専用券」は売場面積1,000平方メートル以上の大型店では使用できません。」と明示されていた。1000平方メートルは大規模小売店舗立地法の対象となる店舗面積と一致する。
利用可能店舗のリストには、大型店かどうかが表示され、中小/大で絞り込んで検索することも可能(この検索システムはおおむね使いやすいけれど、検索結果で「○ページ中○ページ目」表示がないのは不便)。
なるほど。と納得しかけたけど、詳しく見てみると、なんかしっくり来ないような…(別に使う側でも使われる側でもないので、どっちでもいいのですが)
公式ホームページの検索結果では、今日現在、2360件(店舗)で使用できる。(同一チェーンの複数店舗で使える場合はそれぞれをカウント)内訳は大型店が649件、中小店舗は1711件。
山王(川尻近く)のディスカウントストア「ドジャース」が、食品スーパー「ト一屋(といちや=酒田市の同名スーパーとはロゴは同じだが、経営は別の模様)」を傘下に入れ、ついに店舗名も「ドジャース」に変わってしまった。そのすべてで商品券を使える。
検索結果(下の「食品館」が元々のドジャース)※文字が水色なのは、各社ホームページへのリンク
検索結果では同じドジャースの中で「大型店」とそうでない店が混在している。各店の店舗面積の違いだろう。楢山店が大型扱いなのが意外だけど、ボーダーラインスレスレだったのか?
客としては、「ドジャースならどの店でも同じように使える」と認識する人が多いはずだから、店によって扱いが違うのは分かりにくい。
「菓子舗榮太楼」も各店で使用可。
大型とそうでないのが混在(いちばん下の「榮太楼」だけなのは、秋田駅ビルトピコ内)
お菓子屋さんで売場面積が1000平方メートルもあるわけがない。大型店扱いになっているのは、大きなスーパーなど商業施設内にテナントとして入っている榮太楼だ。
すなわち、単純にその店の売場面積ではなく、テナントの場合はその商業施設全体の面積で判断されてしまうらしい。
「取扱事業所申込書」より
取扱事業所加盟を希望する店などが提出する申込書には「注)大型店内のテナントも大型店扱いとなります」とあるように、店側はこの条件を知っているわけだが、消費者側には説明がないのは不親切。
なお、宿泊施設など業種によっては無条件で中小店扱いとなるようだ。
各大手コンビニチェーンでも使えるが、サンクスでは、
一部抜粋。大型とそうでないのが混在
たくさんある中、3店舗だけが大型店扱い。
「中通4丁目店」は秋田市民市場内。個人商店の集まりのような市民市場も、全体で1つの大型商業施設として扱われてしまうらしい。
秋田駅東口の「アルヴェ店」も全体で大型店扱いなのだろう。建物は大きいが、アルヴェの商業施設ってそんなに広かったっけ?
そして「秋田北インター通り店」は、外旭川の道路沿いの普通のコンビニ。そういえば、スーパーなどが敷地内に並ぶショッピングモール「サンフェスタ」の中にサンクスがあるので、大型店扱いになってしまうようだ。
一方で、大型店に該当する「マルダイ牛島店」と同じ敷地内にあるかのように見えるサンクス「牛島東5丁目店」は中小店扱い。素人の見た目ではサンフェスタと大差ないのだから、分かりづらい。
同じように、ショッピングセンターや駅ビル等に入る地元商店のテナントも大型店扱いとされ、本店は中小店舗なのに、支店が大型店に分類されるケースがある。
全国の他の都市でも、秋田市と同様に1000平方メートルを基準にして、テナントも大型店扱いとするところが見受けられる。
長野市の「ながのプレミアム商品券」では、同様の1000平方メートル以上のほか、「資本金または出資金の総額が5,000万円以上の事業者が経営する店舗(とそのテナント)」を満たした場合も大型店扱いにしている。(どっちみちテナントには厳しい)
使う側の一般消費者にしてみれば「店舗面積」という基準は分かりにくい。
発行する側、使われる店側の事情や心情は知らないが、面積だけ、しかも入居する商業施設全体で一律に制限されてしまうのは、理不尽に感じているかもしれない。「地方への好循環拡大に向け~」うんぬんとは相容れないのではないだろうか。
例えば、地元に本社があり、従業員何名以下とか、そういう基準ではいけないのだろうか。
【17日追記】17日付秋田魁新報県央地域面によれば、「にかほ市プレミアム付き商品券」では、店舗面積のほか「市外資本の店舗」も大型店と同一に扱っていた。
具体的には、ヤマダ電機、ツルハドラッグ、マックスバリュ東北、JA秋田しんせいが制限を受ける。ヤマダ、ツルハはいいとして、マックスバリュのルーツの1つである「つるまい」は隣の本荘の企業(今の本社は秋田市)、JA秋田しんせいも由利本荘市に本所がある。密接なつながりがある隣の市の企業も使えないのは少し不便かもしれないが、極力にかほ市内の企業のために消費してもらおうという気持ちは分かる。
余談だけど、「ミスタードーナツ」で検索。
「KAMADAスマイルコーポレーション(旧・鎌田会館)」がフランチャイジーとなっている市内全6店舗で使用可。いずれも大型店のテナントだから、大型店扱い。
だけど、登録された店舗名の表記がまちまち。「秋田トピコショップ」は「ミスタードーナツ」のみでショップ名がなく、扱い商品はこれだけ「ドーナツ」でなく「ファーストフード」、イオンモールの御所野ショップに至っては「MISTER DONUT」と英語表記(でもカタカナで検索対象にはなる)。
こうなったのは、それぞれの商業施設(トピコとかイオンとか)ごとに、それぞれの全テナント分をまとめて申請したからではないだろうか。
あと、「ダイソー」とか「ラグノオささき」は秋田市内の一部店舗しか検索結果に表示されない。各店舗個別の方針なのか、申請し忘れなのか。
【17日追記】16日付秋田魁新報 秋田市地域面「地方点描」によれば、「6日間で完売」。購入者に渡されたパンフレット掲載の登録店は「約1600店舗」。
【2016年4月17日追記】その後のまとめでは、夏冬合わせて8億5千万円の経済波及効果があったとのこと。
秋田市でも「秋田市プレミアム付き商品券」という素直な名称(愛称なし)で、夏と冬に10万セット・12億円分ずつが発売される。
1000円券×12枚を1セットとして1万円で発売。秋田市民以外も含む小学生以上が1名につき3セットまで購入できる。全国的に見ても、一般的な発売方法ではないだろうか。
夏分は、7月から8月末までに使い切らないといけない。(有効期間は全国的に見て短いほう)
秋田市では発売開始数日で完売となり、並んだのに買えない人が出たなどの目立ったトラブルはなかった模様。報道によれば、使用できる店舗の紙の一覧表の印刷後、新たに参加した店舗については、ホームページ(と店頭の表示)だけでの告知となり、ネットを使えない人には不親切という意見はあったようだ。
我が家では、額面に満たない1回当たり1000円未満の買い物をすることも多く、8月までの短期間で1万2千円を使い切る自信がない。つい無駄な買い物もしてしまいそうだし、購入しなかった。
したがって、興味はなかったのだけど、店に行くとポスターなどでその存在は目に入ってしまう。すると、ちょっとした疑問が生じた。
実は秋田市の商品券は、1セット1000円×12枚が同じ効力の券ではなく、「共通券」「中小店専用券」各6枚ずつの構成。
両者の違いは、使える(=買い物できる)店。※正式には「商品券取扱事業所」と呼ぶらしい。
「共通券」では登録店舗すべてで使用できるが、「中小店専用券」ではその名の通り小さい店だけで使えて大きな店では使えない。
基本的には秋田市にあるどんなお店でも、希望すれば取扱事業所として参加できるから、イオンとか家電量販店のような県外資本の大型店も参加している。
だから、制限なしにしてしまうと、大型店でばかり券を使われてしまい、地元の小さいお店では使われずに終わってしまいかねない。「地方への好循環拡大に向け~」うんぬんという本制度の趣旨からすれば、それでは意味が薄い。だから、小さい店専用の券を作り、少なくとも半額は地元が潤うようにした。
報道などでもそんなニュアンスで伝えられており、僕はそのように理解していた。
さて、食品スーパー・秋田生鮮市場保戸野店のチラシでは、
「どちらもお使いいただけます。」
へー。そうなのか。外旭川のうえたや通町のせきやも同様。まあ、そういうもんでしょう。
イトーヨーカドー秋田店撤退後のビル「フォンテAKITA」地階に入った食品スーパー、ザ・ガーデン自由が丘西武秋田店(運営は西武秋田店)のレシートでは、
「共通券のみ ご利用できます。」
おや?
ザ・ガーデンは地階だけなので、規模としては生鮮市場とさほど違わないのに、商品券の扱いは違うのか。
運営する会社の本社所在地とか規模の違い? チェーン店と単独店の違い? 大型店/中小店の基準って何?
商品券の公式ホームページを見ると「「中小店専用券」は売場面積1,000平方メートル以上の大型店では使用できません。」と明示されていた。1000平方メートルは大規模小売店舗立地法の対象となる店舗面積と一致する。
利用可能店舗のリストには、大型店かどうかが表示され、中小/大で絞り込んで検索することも可能(この検索システムはおおむね使いやすいけれど、検索結果で「○ページ中○ページ目」表示がないのは不便)。
なるほど。と納得しかけたけど、詳しく見てみると、なんかしっくり来ないような…(別に使う側でも使われる側でもないので、どっちでもいいのですが)
公式ホームページの検索結果では、今日現在、2360件(店舗)で使用できる。(同一チェーンの複数店舗で使える場合はそれぞれをカウント)内訳は大型店が649件、中小店舗は1711件。
山王(川尻近く)のディスカウントストア「ドジャース」が、食品スーパー「ト一屋(といちや=酒田市の同名スーパーとはロゴは同じだが、経営は別の模様)」を傘下に入れ、ついに店舗名も「ドジャース」に変わってしまった。そのすべてで商品券を使える。
検索結果(下の「食品館」が元々のドジャース)※文字が水色なのは、各社ホームページへのリンク
検索結果では同じドジャースの中で「大型店」とそうでない店が混在している。各店の店舗面積の違いだろう。楢山店が大型扱いなのが意外だけど、ボーダーラインスレスレだったのか?
客としては、「ドジャースならどの店でも同じように使える」と認識する人が多いはずだから、店によって扱いが違うのは分かりにくい。
「菓子舗榮太楼」も各店で使用可。
大型とそうでないのが混在(いちばん下の「榮太楼」だけなのは、秋田駅ビルトピコ内)
お菓子屋さんで売場面積が1000平方メートルもあるわけがない。大型店扱いになっているのは、大きなスーパーなど商業施設内にテナントとして入っている榮太楼だ。
すなわち、単純にその店の売場面積ではなく、テナントの場合はその商業施設全体の面積で判断されてしまうらしい。
「取扱事業所申込書」より
取扱事業所加盟を希望する店などが提出する申込書には「注)大型店内のテナントも大型店扱いとなります」とあるように、店側はこの条件を知っているわけだが、消費者側には説明がないのは不親切。
なお、宿泊施設など業種によっては無条件で中小店扱いとなるようだ。
各大手コンビニチェーンでも使えるが、サンクスでは、
一部抜粋。大型とそうでないのが混在
たくさんある中、3店舗だけが大型店扱い。
「中通4丁目店」は秋田市民市場内。個人商店の集まりのような市民市場も、全体で1つの大型商業施設として扱われてしまうらしい。
秋田駅東口の「アルヴェ店」も全体で大型店扱いなのだろう。建物は大きいが、アルヴェの商業施設ってそんなに広かったっけ?
そして「秋田北インター通り店」は、外旭川の道路沿いの普通のコンビニ。そういえば、スーパーなどが敷地内に並ぶショッピングモール「サンフェスタ」の中にサンクスがあるので、大型店扱いになってしまうようだ。
一方で、大型店に該当する「マルダイ牛島店」と同じ敷地内にあるかのように見えるサンクス「牛島東5丁目店」は中小店扱い。素人の見た目ではサンフェスタと大差ないのだから、分かりづらい。
同じように、ショッピングセンターや駅ビル等に入る地元商店のテナントも大型店扱いとされ、本店は中小店舗なのに、支店が大型店に分類されるケースがある。
全国の他の都市でも、秋田市と同様に1000平方メートルを基準にして、テナントも大型店扱いとするところが見受けられる。
長野市の「ながのプレミアム商品券」では、同様の1000平方メートル以上のほか、「資本金または出資金の総額が5,000万円以上の事業者が経営する店舗(とそのテナント)」を満たした場合も大型店扱いにしている。(どっちみちテナントには厳しい)
使う側の一般消費者にしてみれば「店舗面積」という基準は分かりにくい。
発行する側、使われる店側の事情や心情は知らないが、面積だけ、しかも入居する商業施設全体で一律に制限されてしまうのは、理不尽に感じているかもしれない。「地方への好循環拡大に向け~」うんぬんとは相容れないのではないだろうか。
例えば、地元に本社があり、従業員何名以下とか、そういう基準ではいけないのだろうか。
【17日追記】17日付秋田魁新報県央地域面によれば、「にかほ市プレミアム付き商品券」では、店舗面積のほか「市外資本の店舗」も大型店と同一に扱っていた。
具体的には、ヤマダ電機、ツルハドラッグ、マックスバリュ東北、JA秋田しんせいが制限を受ける。ヤマダ、ツルハはいいとして、マックスバリュのルーツの1つである「つるまい」は隣の本荘の企業(今の本社は秋田市)、JA秋田しんせいも由利本荘市に本所がある。密接なつながりがある隣の市の企業も使えないのは少し不便かもしれないが、極力にかほ市内の企業のために消費してもらおうという気持ちは分かる。
余談だけど、「ミスタードーナツ」で検索。
「KAMADAスマイルコーポレーション(旧・鎌田会館)」がフランチャイジーとなっている市内全6店舗で使用可。いずれも大型店のテナントだから、大型店扱い。
だけど、登録された店舗名の表記がまちまち。「秋田トピコショップ」は「ミスタードーナツ」のみでショップ名がなく、扱い商品はこれだけ「ドーナツ」でなく「ファーストフード」、イオンモールの御所野ショップに至っては「MISTER DONUT」と英語表記(でもカタカナで検索対象にはなる)。
こうなったのは、それぞれの商業施設(トピコとかイオンとか)ごとに、それぞれの全テナント分をまとめて申請したからではないだろうか。
あと、「ダイソー」とか「ラグノオささき」は秋田市内の一部店舗しか検索結果に表示されない。各店舗個別の方針なのか、申請し忘れなのか。
【17日追記】16日付秋田魁新報 秋田市地域面「地方点描」によれば、「6日間で完売」。購入者に渡されたパンフレット掲載の登録店は「約1600店舗」。
【2016年4月17日追記】その後のまとめでは、夏冬合わせて8億5千万円の経済波及効果があったとのこと。
コンビニは本部申請でないようです。
ファミリーマートやセブンは使えないみせばかり。
準備期間が長くなく、運営側も傘下店舗側もあわただしくなってしまった印象があります。