広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

なくなったもの'19~'22 秋田2

2023-01-04 22:40:31 | 秋田のいろいろ
2019年~2022年の間になくなったものたち。前回は秋田市内編。今回は、秋田市内の追加と、市外。
自分では利用するなどの関わったことがないばかりか、なくなるまで存在を知らなかったものもあるので、多くが報道の受け売りです。それでも記録になれば。

四つ葉のクローバーを配るタクシードライバー退職 2020年3月末
秋田市の「タクシーセンターあい」に、乗客に四つ葉のクローバーを手渡すドライバーがいて、報道されるなどしてちょっと知られていた。
4月6日付朝日新聞秋田版によれば、56歳(2002年頃?)でタクシー運転手になった人。2004年夏、客待ち中に見つけた四つ葉を、その夜、恋の悩みを打ち明けた若い女性客に渡して喜ばれたのがきっかけ。
以降、自宅で年に3千本以上を栽培して、通年で配る“体制”に。
74歳で退職し、「今後は入院中の子どもや被災地に届ける」。

その後、秋田で有名なタクシードライバーと言えば、ウクライナ出身の女性ドライバー。
以前から、若干知られてはいたが、2022年のロシアのウクライナ侵攻により支援活動して、よく取り上げられた。


・秋田市大森山動物園 アフリカゾウ「だいすけ」没 2021年3月5日
2018年の記事参照。1990年、秋田市制100周年記念として、大森山動物園にアミメキリンとアフリカゾウが導入された。
そのアフリカゾウが、幼い雌雄の「花子」と「だいすけ」であった。
(再掲)2008年。右がだいすけ
2頭はいっしょに成長し、そのせいか繁殖期になっても子ができなかった。
アジアゾウと比べて、アフリカゾウ、特にオスは飼育しづらく長生きできないそうで、国内にはアフリカゾウ28頭中、オスは4頭しかいない。
全国的なアフリカゾウの少子化対策として、東北地方の3動物園で連携することになり、2018年から大森山と仙台市八木山動物公園のメスどうしを交換中だった。仙台から来たリリーとの仲は悪くなかったようだが、花子と再会できぬまま、逝ったことになる。
だいすけの死後、メスを本来の園へ戻すことになったが、リリーの体調が悪くなってしまい(1頭になった精神的不調もあるかもしれない)、現時点では、移動が保留された状態。
だいすけは南アフリカ生まれ。そこにはないであろう、桜や桑の葉・枝が好きだったとのこと。


前回、秋田市の2つの専門学校の閉校を取り上げていたが、こんなものも。
・秋田市勝平(新屋割山町)「割山自動車学校」閉校 2020年9月30日
秋田放送によれば「1981年開校」。
秋田魁新報では「(経営企業によれば)1979年の創立。それまで個人が経営していた自動車教習所を引き継ぎ、営業を始めた。」
1970年前後にここで免許を取得したという人がいるので、ABSの報道は、言葉が足りず誤解を招くのは確実で、魁と3年のズレがあり怪しくもある。同じ魁系列で「さきがけABSニュース」をやっているクセに…

閉校後、仁井田の「秋田南自動車学校(1977年創立)」に統合。両校とも、山形市の黒井産業の経営。
割山の職員9人のうち希望した7人、教習課程の途中だった生徒2人も南へ移籍。
9月23日時点で、割山の赤い教習車(マツダ アクセラ?)が何台も、秋田港発のフェリーに積みこまれたとの目撃情報あり。
【2023年7月15日補足・割山自動車学校跡地は、宅地になる模様。】

先立って、2019年10月には「能代中央自動車学校」が能代自動車学校に統合。
教習生は2001年から半減し、築50年で老朽化していた。この両校も黒井産業経営。
黒井産業は、2023年1月時点で全国に33の教習所を展開していて、秋田県内には6校(秋田市には南のほか、八橋鯲沼町の秋田自動車学校も)。山形県には東根市に1校だけ。
黒井産業自身の問題もあるのだろうが、やはり、人口減・少子化で運転免許を取る人の実数は減っているのが原因だろう。


・大館市「大館北秋田医師会附属 大館准看護学院」閉校 2019年
1973年開設、1121人卒業。
県内から准看護師養成施設がなくなる。


・「おなごりフェスティバル」終了 2019年
能代市で毎年9月に開催されていたイベント。秋田県内や周辺各県の夏祭りが一堂に会し、行く夏を名残惜しむ。
1988年から毎年(それ以前に前身イベントあり)開催され、秋田駅との臨時列車が運行されるなど、秋田県内ではよく知られる恒例行事になっていた。

ところが、2019年・32回目の終了後、資金と人員の負担により、2020年開催をもって終了とすることが発表。そこへ新型コロナが出現。2020年は中止となり、2019年でひっそりと幕を下ろす結果となった。


・能代ポイントカード事業「ダンクカード」突然終了 2020年7月31日
能代市内の共通ポイントカード。
消費者にも加盟店にも事前の告知なく、事業協同組合の解散、ポイントの発行・交換停止、発行済みポイントの無効を実施。加盟店減少が、新型コロナにより加速し、存続困難になったとの理由。
反発の声は出たようだがどうしようもなく、泣き寝入りした人も多かったと思われる。
なお、「ダンク」は、能代市がバスケットボールの街であることから、「ダンクシュート」が由来だと考えられる。でも、「ダンク」は「浸ける」「浸す」の意味。それとカードがどう結びつくのか?

秋田市を中心とする、あきた共通ポイントカード「ほっぺちゃんカード」は2017年で(ちゃんと手続きして)終了している。全国共通のポイントサービスが普及し、ローカルポイントは難しくなったのか。


・「由利本荘市さつき栽培センター」廃止 2022年度いっぱい(営業は7月18日まで)
サツキの展示販売を行う市営施設。愛好家=客足の減少に伴う赤字、技術を持つ作業員の高齢化が理由。
中田代の国道105号沿い。1981年、旧・大内町が整備。「町の花」であるサツキの普及を通じた活性化や産業振興が目的だった。

2005年の由利本荘市合併当時は100種500鉢を扱ったが、現在残るのは40種110鉢。近年は予算不足などから新たな苗木を購入していなかった。新型コロナもあり、恒例イベントの「さつきまつり」は4年連続で取りやめ。
最後は約半額で在庫処分(4千~5千円と3万~4万円が多い)。売れ残った場合は市内公共施設に植樹するなど活用。
センター敷地は借地のため、建物は解体または譲渡する方向で検討。

↑これはまったく知らない施設だったが、↓こちらは有名。

・由利本荘市岩城「天鷺(あまさぎ)ワイン」製造休止 2022年3月31日
旧・岩城(いわき)町から引き継いだ、由利本荘市の第3セクター「株式会社天鷺ワイン」→「株式会社岩城」。
「史跡保存伝承の里 天鷺村」の近くにある「天鷺ワイン城」で、プラムのワインを作っていた。ほかに、ブドウのワインや「あまさぎプラムシャーベット」やゼリーもあり、県内では知られていた。

岩城町では、昭和50年代からプラムの栽培を始め、1988年に日本初のプラムワインを発売。その後、商品や施設を拡充。
売り上げ減少で赤字となり、プラムを納入する農家が2軒になって地域農業振興につながっていないとして、休業に至った。
由利本荘市では、休止後の天鷺ワイン城の利活用を募集していたが、2022年12月14日更新の市サイト(ページ番号1003365)には「応募がありませんでした。」「今後は利活用に関する問合せを受付いたします。」とある。

「休業/休止」としているが、製造所を転用するのならば、廃業に近いのではないか。プラムシャーベットは、どこでも売っているわけではなく、道の駅岩城などでたまに食べるとおいしかった。もう食べられないのだろうか。
【1月8日追記】道の駅岩城では、シャーベットではなく「プラムソフトクリーム」を売っている。原料供給はワイン・シャーベットと共通ではないかと推測するが、ツイッターには2022年10月末時点で発売が継続されている旨が投稿されている。道の駅の運営は、2023年4月から株式会社岩城から秋田ノーザンハピネッツ株式会社に交代することになっている。プラムソフトはどうなるか?


・由利本荘市岩城亀田「高齢者コミュニティセンター 伝兵衛湯荘」閉鎖 2022年度末
1984年、旧・岩城町。天鷺村のすぐ近く。
約3.5キロ離れた下黒川地区から温泉水を引き込んでいたが、パイプラインが10年ほど前に破損。ここ数年はポリタンクに温泉水を詰め、車で週1、2回運び込んできた。2022年度は水道水に。
施設名は源泉が「伝兵衛さんの湯」と地元で呼ばれていたことにちなむ。

かつては1日平均20人以上利用。2018年度10人、2021年度7人に減少。老朽化で毎年修理があり、地域内に他の温泉施設があるため。→「他の温泉施設」とは道の駅岩城のこと? 地域内といっても近くはない。
矢島の「市矢島老人福祉センター寿康苑」は、近くに温泉施設がないことから、継続する方針。


・天王グリーンランド「天王温泉くらら」沸かし湯に 2022年
潟上市。1998年開業。
2021年12月12日お湯に泥が混じり、源泉利用停止(料金減額)。2013年にも井戸が詰まり、1億円で新たに掘った地下1000メートルの井戸を2015年から使用。
2021年12月までの年度収支は良好で、温泉停止後も客足に目立った影響は出ていないが、燃料費がかかる。入湯税収入はなくなる。
その後、検討の結果、補修より新規掘削がいいとの専門家の意見だったが、沸かし湯のほうが現実的と判断。

・温泉1階「レストランくらら」は、先に2021年2月14日に「経営合理化の一環」「諸般の事情により」として閉店(道の駅内にほかのレストランはあり)。


・八峰町八森「八峰町高齢者コミュニティセンター 湯っこランド」廃止 2022年6月末
1990年、旧・八森町。温泉とコミセンの機能を併せ持つ施設。老朽化のため。

現地の表示は「ハタハタの里はちもり」のフレーズが付いていたようだ。
ネットには「八森いさりび温泉 湯っこランド」との記述も見られるが、それは間違いだと思う。「八森いさりび温泉」は別の温泉「ハタハタ館」のフレーズではないだろうか。
なお、由利本荘市西目町には民間の健康ランド「にしめ湯っ娘ランド」がある。


・にかほ市「いちじくいち」今後開催せず 2019年が実質最後
加工業者、クリエイターらが食文化の発信やイチジクの消費拡大を目的に2016年に始めた。2020年はオンライン開催、2021年中止。
メンバーそれぞれの取り組みや起業、転職など個々の活動が忙しくなったため。

これまで秋田県内でも、にかほがイチジク産地であり、甘露煮などそれにつながる食文化があることはさほど知られていなかった。このイベントによる宣伝効果は少なくなかったと思う。
自治体など公的組織でない開催主体で、ここまでできたのは、苦労も多かったのではないか。今後は、にかほのイチジクをどうPRしていくことになるだろう。


・三種町鹿渡「JAンビニANN・AN(ジャンビニ アンアン)」営業終了 2022年4月19日
JA秋田やまもと本店に併設する「JA版のコンビニエンスストア」。全国初だったとか。
コンビニといっても、大手チェーンのような何でもある店はなく、食品中心の店だったかと思う。
2007年3月、JAが地産地消と食育の推進を目的に開店。2020年4月に地元の女性農家グループに運営を引き継ぎ。

空調設備や調理機器が老朽化。営業継続には費用負担が大きいと判断。
米粉パンは製造を続け、町内の直場所などで販売。店舗は料理教室や子ども食堂に活用できないか検討。


以上、施設やイベントに関しては、人口減、維持費、老朽化、そこへコロナが追い打ちをかけて、なくなったものが多いようだ。
昭和末~平成初期=バブル期に造られた施設は、それらに加えて、平成の大合併後に必要性が低下して、いわば“切り捨てられた”ようなものもあるだろう。合併以前の自治体のままだったら、存続していたものもありそう。

津軽を中心とする青森県でも、いろいろなものが消えたので、後日
コメント (25)
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