木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

明るい絶望感

2009年10月04日 | 日常雑感
杉浦日向子が「江戸時代は明るい絶望感に包まれた時代だった」というニュアンスのことを言っていた。
その根底にあったのは平等感であったと思う。殿様と痩地の農民などと言うと、天地ほどの差があるような気もするが、不平等という点では、現代社会のほうが遥かに格差が大きい。
自分が貧しくても、みんな同じだと思うと諦めも付く。これは仏教的な諦観に依るものなのだろうが、今はアメリカン・ドリームだか、ポジティブ・シンキングだか知らないが、みんな諦めない。
諦めないのはいいことだ。
だが、物事に優先順位を付けないで、どれもこれも諦めない、ではできることもできなくなってしまう。
何が本当に自分が行いたいことなのか。何が自分にとって必要がないのか。
金なのか、愛なのか、権力なのか。
一度バスに乗ってしまうとバスは止まらず、スピードも速過ぎて飛び降りることもできないのが現代だ。
今、私はそろそろ決められたバスを降りたいと思っている。
けれど、バスを降りれるのはひとつの贅沢にさえなっているのが現実だ。

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