たびびと

世界を楽しく旅しましょう!

世界遺産観光地から開発途上国まで、世界各地の心あたたまる、すてきな風をお届けします。

究極の酒

2013年04月21日 | 究極の味
「何ておいしいお酒がこの世にあるんだ...」
気がつくと、瓶が空になっていた。

翌日の朝、ぼくはいつも通りに目が覚める。
ふつうのお酒なら二日酔いするところだが、このお酒はいくら飲んでも二日酔いをしないという不思議なお酒だ。


あまりのおいしさに、
「毎晩少しずつ楽しもう」
と思いつつ、ついつい何回もおかわりをしてしまう。



小学校5年のお正月。
1月1日のこと。

「今日はお正月だから、少しこれを飲んでごらん」
ふだんは無口の父が、リビングでぼくに酒をすすめる。

小さなグラスに入っている透明の液体。
わずか一口の量なので、そのまま一気に口に含んだ。

「ま、まずい」

のどもとをツーンとさせながらお腹の中に流れていく
ただ苦いだけで、二度と飲みたいとは思わなかった。

月日がたち大学生に。
友人たちと飲み会に行く機会がふえた。

ビール、日本酒、ワイン、ウイスキーといろいろなお酒を試す。


食通な友人曰く
モルツは不純物が入ってないから純粋なビールの味が楽しめるんだよ」

味の方は今一だった。


お酒についての結論。
つきあいとして飲むことはできるが、おいしいとは感じなかった。

強いて言うと、ジョッキで飲む生ビールはおいしさを感じないこともない。
でも、自分からすすんでお酒を飲みに行こうとは思わなかった。


それから20年。
奇跡のお酒に巡り合う。


【寺田本家】発芽玄米酒 むすひを飲んで、生まれて初めて、おいしいお酒があることを知った。

無農薬で作られた玄米を使用。
昔ながらの手作りで、自然発酵させたお酒。

使われている水にも秘密がある。
知る人ぞ知る浄活水器ELIXIRII(エリクサー2)の水が使われている。


【寺田本家】発芽玄米酒 むすひを毎日少量飲んで、病気から回復した人がたくさんいるらしい。


このお酒を飲むと、驚くことに、糖尿病と高血圧症が快方に向かうことはあっても悪くなることはないという。

能書きはともかく、とにかくおいしい。それで十分だ。


最後に一つ付け加えることがある。
お酒が冷蔵庫に入っている間、たくさん飲みたくなる。
あっというまに瓶が空になる。

冷蔵庫からお酒がなくなるとどうなるだろうか。

不思議なことに、我慢ができる。
習慣性というか、中毒性を感じない。

「これならアルコール中毒になりようがないので安心だな」
といいつつお酌が進む今日このごろである。


同じ蔵元がつくるもう一つのおいしい酒がある。
【寺田本家】醍醐のしずくだ。

こちらは、まろやかな甘さが最高。


旅先で、ぜひとも至福の一杯を!




蔵元の寺田啓佐さんが記された「微生物に学ぶ」を紹介する。


酒造りにとって何より大切なことは、微生物に良い働きをしてもらうことだ。その為には「エサ」と「住み処」が鍵になる。生命力の有る美味しいお酒は、たくさん微生物達が、それぞれの使命を果たしながら持ち味を発揮し、醸しだされたものである。もちろん仕込み水は生きている自然の水に限る。お米は自然農法による無農薬米がいい。農薬や化学肥料の慣行農法によるお米が出回っているが、残留農薬がないからといっても安心してはならない。

もう15年程前になるが山形県のある農家が10年経ったという農薬で育てられたお米を出してこられた。すでにタール状に変色変形しており、呆然とした。農薬が無かった昔のお米なら1000年も前のお米でも発芽するというのに、どうしてこんなにも違ってしまうのか?分析値では現れない、見えない生命力の違いをまざまざと見せつけられた。

それ以来、形はお米でも「生命力のないお米から生命力のあるお酒は生まれない」の信念のもとに心ある農家の方達と契約栽培で自然農法のお米だけを酒米にしてきた。最近になって、味の点でも自然農法米によるお酒は自然の甘みが微妙に快い味として残ってくることが解ってきた。

微生物にとって、想像以上に影響が大きいのは、「住み処」である場の居心地が良いかということ。快か不快かによって、本来、微生物の持っている働き具合が決まってくる。もちろん、居心地のいい「快い場」では、すばらしい発酵が始まる。不快の場では逆に腐敗が始まる。蔵で私達ができるのは微生物たちの声を聞きながら「快い場」を作る手助けをすること。こうすることで本来のお酒、体に優しいお酒、飲んだ人がみんな楽しくなっちゃうお酒が生れるんです。

微生物は「エサ」と「場」によって、それぞれが持っている特性や持ち味を素直に出しているだけで、善玉菌も悪玉菌もいない。人間が勝手に色分けしているにすぎない。共存共生の関係にあり、いじめも奪い合いもない。微生物同士は自分の居場所を確保しながら、相手の立場を理解し、尊重しながら、自分の出番を心得ているようだ。

今、人類が閉塞状態にある時、謙虚に微生物に学ぶべきだろう。人間は「自然の中での生き物である以上、自然の枠の中でしか生きられない」という大事な事を忘れてしまったような気がする。快か不快かを一人一人が感受性を持って素直に判断し、もっと自分の「生命」に真面目に生きたら、楽しいすばらしい発酵が始まると思うのだが。
          
「五人娘」蔵元 寺田 啓佐(転載ここまで)

不思議な関係

2013年04月20日 | コスタリカの風
カルロスとの出張を楽しんだ2年間。
でも、出張を頼んだのは、カルロスとだけではない。

滞在した中南米各国のドライバー。
みんな気さくで、頼もしかった。


日本での車での通学。
運転するのは一人。

中南米に滞在しているときの車での出張は、ドライバーたちのおかけで、さみしくはなかった。




外国の場合、ゆるやかな市民階級ができあがっている。
貧高層と富裕層。
その地位はなかなか逆転することはない。

ドライバーはそもそも貧困層住人であることがほとんど。

おおっぴらではないが、富裕層などのドラバーを利用する人物は、彼らに対して、当然、使用人として接する。
愛のある人もいる。リスペクト(尊重)もある。




ぼくとドライバーの関係はどうだったか。
富裕層の人のドライバーとのかかわり方とは大きくことなっていた。


ドライバーと一緒にナイトクラブへ行った。
食事もした。
実家へも遊びに行く。
ガールフレンド候補を紹介してもらった。


同僚というよりは、友人のような関係であったのかもしれない。
不思議な関係だった。


よくおごったドライバーも、おごならいドライバーも、なぜかぼくの帰国後、
「また会いたい」
と言ってくれていることを、以前勤務していた事務所の職員から何回か聞いた。


友人として受け入れられてもらえたようで、少しばかりうれしかった。




カルロスのようにとても気に入った人物がもう一人いる。


グアテマのマリアだ。

恋人…ではない。

実は彼女はお手伝いさん。
お手伝いさんとはいっても、いつもイニシャチブをもち、ぼくに説教をしていたのは、マリアの方だった。


彼女とも不思議な関係だった。




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空港タクシー

2013年04月19日 | コスタリカの風
サンホセ市内から国際空港までは、タクシーで約30分。
コスタリカタクシーは日本と同じメーター式。

ところが、市内から空港へのタクシーはメーターを使わない。
メーター料金の約倍の料金を支払うのが通例となっていた。

これは違法だ。
新聞にも載っていた。

では、なぜタクシーは2倍の料金を徴収するのか。




空港には、空港タクシーが待機している。
空港からの客は、この空港タクシーを利用する。クーポン式だ。

サンホセ市街地から空港へ送迎したタクシー。
帰りに、空港から客を拾うことができない。空港タクシーのみが仕事を独占している。

だから、その、帰りの分の料金も、市街地から空港まで送迎する客から徴収することが慣習化している。
わかったような、わからないような理由。




タクシーメーターを使わないタクシーがいたら、警察がとりしまる。
しかし、空港へ向かうタクシーは大目にみているようだった。

置きみやげ

2013年04月18日 | コスタリカの風
待っている間、アパートの3階の部屋へカルロスを呼んだ。

日本帰国にともない、ラジカセ、ほうき、お皿などたくさんの生活用品があった。
大半を彼にプレゼントしようと思っていた。

部屋の戸を開ける。

2年間住んだアパート。月の家賃は850ドル。
とっても落ち着いたお気に入りの部屋。


ときおり、リスがかけめぐるベランダ。
日当たりもよく、景色もよかった。
これが最後の見納めだった。


「これ、よかったら使ってよ」
部屋のかたすみに積んだ、ラジカセなどの電化製品、生活用品を指差した。

「これ全部か?」
「ああ。もう日本に帰るからね」

「どうもありがとう」

彼の表情はいつものポーカーフェースのカルロスだった。




プップー
クランクションが鳴る。
タクシーが到着した。

きっとまた1階の住人が目を覚ましてしまったに違いない。


すぐにタクシーのトランクに荷物を積んだ。
カルロスと握手。

「2年間どうもありがとう」
「ああ、セニョール。元気でな!」

少し出発が遅れている。
名残おしかったが、すぐにタクシーは空港に向けて出発した。



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力尽きて

2013年04月16日 | コスタリカの風
10分も経ったころ、再度携帯電話がなる。
マリアさんだ。

「ごめんなさい。

説明をしたけど、とにかくレターがないとダメの一点張り。彼は確かに、正しいことを言ってるのよ。いろいろ説得したけど…私も知らない守衛さんなの。

レターを要求されたのは初めてよ。ごめんなさいこんなことになって。
私がレターをカルロスに渡しておけば…」


「そうか。いいよ。いいよ。ありがとう。こんな朝早くからごめんね」


「最後の日なのにごめんなさい。無事空港についてね」


「ああ…」




とにかく、
「書類がないと絶対に車の出庫を許すわけにはいかない」
ということだった。

マンション1回での携帯電話でやりとり。

ガラガラ
廊下後方のドアが開く。

「うるさい」
とは言われなかったが、

「こんな朝から廊下で何を騒いでいるの!」
と表情は物語っていた。




家から事務所は歩いても10分。
数分後、カルロスはタクシーでやってきた。

タクシーを降りる。
「セニョールすまない。車を出すことができなかった」

彼ではなく、事務所の落ち度だった。
「いいんだ。レターに気づかなかった事務所の落ち度だよ。
タクシーで空港まで行くよ。知り合いを紹介してよ」


彼は携帯で知り合いのタクシーへ。
スーツケースが3つ。2台で行くことにした。



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