豊中市によりますと、今年度から市内すべての公立小学校で午前7時から校門を開放し、登校した児童は、登校時間の午前8時までは体育館や多目的室などで自習をして過ごすことになります。

 背景にあるのは、子どもをもつ保護者が直面する「小1の壁」の問題です。入学前までは、幼稚園や保育園の延長保育などを利用することで、午前7時から午後7時まで両親の共働きができていたものの、入学と同時に、預けられる時間が短くなり仕事を続けにくくなってしまいます。早朝の出勤や夕方以降まで勤務していた保護者にとっては、勤務形態の変更に迫られるなどの対応が必要となり、共働きの子育て世帯が働く上で、大きな障害の1つになっています。

 豊中市の担当者は取り組みの狙いについて、「小学校に上がると同時に、保護者が勤務のシフトを見直したり、泣く泣く子供に『鍵をかけて登校してね』と言って不安をもちながら通勤されたり、場合によっては仕事を続けたくても休職するケースもある。(午前7時の校門開放によって)現在住んでいる方だけでなく、大阪府内への転居を考えている方が豊中市に住んでいただけることにつながる」と説明します。

 また、教員の長時間労働につながらないよう、各校には安全管理のために民間の見守り員が2人ずつ配置されるということです。

 8日朝に取材した小学1年生の娘をもつ母親は、「ちゃんと学校に行ってるか、家を出る時に戸締りしたかなどが心配で、見送ることができるのが一番の安心だと思います」と話し、父親も「誰かが見てくれる環境があり、大人の目に触れてるのがありがたい」と話しました。

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